スポーツ栄養学

「健全な心(スポーツマンシップ)と体を育むための生活習慣(特に食習慣)」
今月の話題:『無理しないで、継続することが大事!』は朝食作りでも同じです!

子どもたちが健やかに成長していくためには、

①適切な運動、 ②調和のとれた食事、 ③十分な休養・睡眠

が大切と言われながらも、最近の子どもたちを見ると、この当たり前で必要不可欠な基本的生活習慣が大きく乱れていると言われています。そして、そのことが、学習意欲や体力、気力の低下の要因の一つとして指摘されています。

今月のテーマの”健全な心と体を育むため”には、『運動・食事・睡眠』が欠かせないことは、最近ではよく言われていることです。また、中でも『食事』に関しては、『毎日朝ごはんを食べる』に代表されるように、本来は『毎日普通に繰り返して行っている(いた)こと』です。ところが最近は『普通に毎朝食べるはずの“朝ごはん”を食べない人が、小学生でも増えているなど問題のある食習慣の人が低年齢化しています。『習慣』とは、『毎日繰り返して行っていること』ですから、新年度を控えたお正月に、改めて『(朝食を含めた)3食しっかり食べること』の大事さを皆さんで考えてみませんか?
正しい“生活習慣”が確実に身についていることは、すべてにおいての基礎です。健康な心と体を育むための生活習慣について考えていきましょう。

幼稚園・小学校・中学校すべてのカテゴリーで、『入学前にこれだけは身につけておきましょう』というようなものが表現こそ異なっても示されているかと思います。基本中の基本は『食事・睡眠・排泄』です。この3つは別々のように感じますが、実はすべて関係していて、
睡眠時間が少なければ、気持ちよく起床できない ⇒ 起床が遅くなれば、朝食時に食欲がなかったり、あるいは摂る時間がない ⇒ 朝食を食べていなければ排泄も出来ないとなります。
健やかでたくましい心と体の育成には、まずは朝食摂取が大事と認識しましょう。そして、新年に当たり『たかが朝食、されど朝食』を実践していきましょう。

結論

特に運動をしているジュニア選手の場合
普通に生活するためのエネルギー量 + (運動分 + 成長分)を加える ⇒ 健やかな成長につながる

『欠食≒食べないでいる』ことが習慣化することで、からだも徐々に慣れ“省エネ体質”になるようなことも紹介されていたりしますが、こと成長期の場合には『食べなければ、一日はスタートしない!』くらい“食べることへの意欲”を高く持つような“環境づくり”も大事です。

『無理しないで、継続することが大事!』は朝食作りでも同じです!

ある講演会で、質問に残って下さったお母様と話していた時のことです。
『夕食は時間があるので、使う食材も料理もなるべく多彩にと心掛けていますが、朝食は息子のリクエストでパンからごはんに替えたら、おかずが2パターンくらいしかなくて…』という悩みを話してくださいました。
朝食も日替わりでメニューを調えることが可能ならそれに越したことはないかもしれません。
でも、主食(ごはん)と汁物、主菜と副菜がそろっていれば、まずはOKと考えましょう。朝の忙しい時間に、朝食とお弁当、そしてお母様ご自身の出勤準備となれば、時間が足りないのは当たり前です。大事なことは、無理をするよりも続けることです。
バランスの調った朝食の公式〔ごはん+具だくさんの味噌汁(落とし卵入り)+納豆+野菜料理(+ヨーグルト+果物)〕をしっかり守ってさえいれば、落とし卵を豆腐に替えたり、納豆をハムエッグにしたり、野菜料理もブロッコリーや小松菜をゆでたり出来ればよいですが、時間がないときにはトマトの丸かじりでも全く問題ありません。
さらに、朝からご飯とおかずが一緒の丼物をがっつり食べられるようになれば、すごいです!
『朝食を食べなければ、動けない!』と思ってもらえる“習慣”を身につけることを最優先に考えましょう。

和食の朝ごはんレシピ

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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