スポーツ栄養学

「朝食は何がおススメ?」
今月の話題:スムージー

新しい年度ももう1カ月以上経ち、そろそろ疲れが…という方もいらっしゃるのではないでしょうか? 疲れが出てくると、朝起きるのも起こす方も大変ですよね?! その流れが“朝食欠食”のきっかけになってしまうことも… 

そんな時こそ“朝食喫食”の意識を持ちましょう!“朝食”にはそこまでしてでも食べる価値があるのです!

朝食の大事さ(免疫力や集中力に関わるなど)はあちこちで聞かれているかと思います。ただ、“朝ごはん”は『早寝・早起き・朝ごはん』というフレーズに象徴されるように、3つをセットにした生活習慣として考えることが大事です。また、朝食は午前中の過ごし方にも大きく関わります。
朝食欠食 ⇒ “エネルギー不足”の状態で一日が始まる ⇒ 疲れが抜けない

『朝食はパンとご飯のどちらが良いですか?』という質問を受けることがよくありますが、そんな時は段階的な答えをします。
① まずは、何よりとにかく “朝食を食べる”ことが大事
”作る方”と”召し上がる方”双方の『都合(好みや調理に割ける時間なども含む)』で、どちらか決める。
② 次に、食べる習慣がもうすでに出来ていると仮定して、具体的に両方の特徴を知ること。
 Ⅰ どんなおかずにも合うかどうか? ・・・ご飯に合わないおかずは少ないが、パンに合わないおかずがあったり…
 Ⅱ 血糖値の上昇の仕方も考慮する ・・・ご飯の方がパンに比べて、長時間満足感が継続しやすい。
 Ⅲ 材料を考慮する ・・・ご飯は基本的に米と水。それに比べてパンは、小麦粉の他に油脂を使っている。
 Ⅳ 水分補給の役割も考える ・・・ご飯は約2/3が水分ですが、(種類にもよりますが)パンの水分は約1/3です。熱中症予防の観点からは、食事から摂れる水分量も大事です。
 ⇒※パン食の場合は牛乳やヨーグルト、スープなどを必ず一緒に摂るなどの配慮をすれば問題ありません。

結論

      主食を”ごはん”にするか”パン”にするかを決めるより大事なこと ⇒
     『バランスの調った朝食を欠かさずしっかり食べること』
     ”ごはん”も”パン”も、『上手に組み合わせること』が大事!
      その工夫が朝食喫食の習慣化につながる早道だと思います。

スムージー

ジュニア選手の食事の写真を見た時に、“スムージー”が毎食写っていたことがありました。2年ほど前にブームになり、今ではブームは落ち着いたものの、コンビニやドラッグストアなどでも豊富な種類が並んでいますし、それを選んでいる子どもたちを目にすることもあります。

もともとスムージーは、=”凍らせたフルーツが材料”だったこともあり、美味しいおやつやデザート感覚のものでしたが、最近のスムージーは緑黄色野菜や果物だけでなく、目的に合わせた“スーパーフード”が入っているものも手軽に取り入れることが出来るようになっています。
スーパーフードのなかには、不足がちな栄養素や栄養成分を補ったり、中には少量で満腹感が得られることから食事量の調節でダイエット効果をうたっているものもあります。
食事量の調節効果のある場合は、注意点もあります。
食事量をしっかり摂りたいジュニア選手には”逆効果”になることもあるので、既製のものでも手作りの材料を選ぶ時にも、効果効能を確認することを習慣化すると良いですね。

スポーツ栄養学 Q&A

全国の中学校で開催した「スポーツ栄養学講座」にて寄せられた質問と、
その回答の一部をご紹介します。

食事バランスのコマの話を詳しく説明して欲しいです。例えばたんぱく質は、1日どの程度摂ると摂り過ぎなのか、メニューで教えて下さい。

《食事バランスガイド》は一日に何をどれだけ食べたらよいかを考える時にとても便利です。


エネルギー・栄養素別の一日に摂りたい量は、年齢・性別・運動量でも異なります。

(詳細は厚生労働省『日本人の食事摂取基準』に記載されています。)

 

たんぱく質の推奨量(g) 

上記の数値は、一日に摂りたいたんぱく質の量です。この量を3食でなるべく均等に摂ることを目標にして下さい。 ただ、その際ご注意いただきたいことは、食品の量と含まれるたんぱく質の量は異なるということです。
含まれるたんぱく質量の目安:
肉・魚…20%前後、卵…約10%、豆腐…6%前後、納豆…15%前後
※食品の種類や部位によっても異なる場合があります(細かい数値は『日本食品成分表』をご覧ください)
例えば、中学年の場合は1日40gが目標ですから、毎食約10gのたんぱく質を肉や魚から摂ることを目標にします。

 例: 朝食:納豆小1パック、サラダ(ゆで卵1/2個、ツナ缶15g)
    昼食:豚肉50g、みそ汁(豆腐20g)
    夕食:たら50g、チーズ8g

※40gが目標でも1食約10g×3食で少な目の設定になっている理由は、3食以外で牛乳があることや肉や魚など《主菜》だけではなく、米などにもたんぱく質が含まれているためです。

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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