食育Q&A
「いいウンチが出る食べ物は?」「排便のリズムをつけるには?」
小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
いいウンチが出る食べ物は?小学校 児童より
いいウンチが出る食べ物を教えて下さい。
いつもと同じような食事をしているのに、いつもとちがってやわらかかったりかたかったりするウンチが出たことはありませんか? どんなウンチが出るかは体調などによっても変わってくるため、ざんねんながら「これを食べればいいウンチが出る!」とやくそくすることはできません。でも、いいウンチのために、食べるものがとても大切なのはたしかなことです。
食物繊維(しょくもつせんい)をしっかりとろう!
野菜やくだもの、きのこ、海そう、イモ、豆などに多くふくまれている食物繊維(しょくもつせんい)は、ウンチの材料になったり、おなか(腸)の調子をととのえたりするため、これらをしっかりとるといいウンチが出やすくなります。
からだに良いはたらきをする菌(きん)そのものをとろう!
おなかの中には、たくさんの菌(きん)が住んでいます。その中には、からだに良いはたらきをする菌もいれば、悪いはたらきをする菌もいます。
ヨーグルトや納豆など「発酵食品(はっこうしょくひん)」とよばれる食べ物には、良いはたらきをする菌そのものがふくまれています。そのため、これらの食べ物を食べると、良いはたらきをする菌がふえておなかの調子がととのい、いいウンチが出やすくなります。
良いはたらきをする菌のエサになる成分をとろう!
良いはたらきをする菌のエサになるような食べ物を食べると、それらの菌のはたらきが活発なり、おなかの調子がととのうので、いいウンチが出やすくなります。
くだものなどにふくまれる食物繊維や、きなこ、はちみつ、ごぼうなどに多くふくまれる“オリゴ糖(とう)”という成分は、良いはたらきをする菌の大好物です。
このような「おなかの調子をととのえる食べ物」をしっかり取り入れることが、いいウンチを出やすくするポイントです。また、最初にお話ししたとおり、いいウンチには元気な体であることも大切です。日頃から、“早寝・早起き・朝ごはん”の規則正しい生活をするようにしましょうね!
排便のリズムをつけるには?小学校 保護者より
排便のリズムをつけるには、どうすれば良いですか?
便秘になると、お腹の中の便は水分が吸収されて硬くなります。そのため、便秘の便では排便時に痛みがあったり、場合によっては肛門が裂けてしまうこともあります。排便時に痛いからと便意をがまんしてしまったりすれば、便秘はさらに悪化してしまいます。普段から、するっと気持ちよく出る排便リズムをつけておきたいですね。
①朝ごはんは必ず食べよう
私たちの体には、食べたものが胃に入ってきた刺激で大腸が動き出して便を出そうとする仕組みが備わっています。特に、胃がからっぽになっている朝には、その仕組みが強く働きます。排便リズムをつけるために「朝ごはん」は重要なキーワードになるのです!
②食物繊維が不足しないようにしよう
食物繊維には「不溶性食物繊維(根菜やきのこなどに多く含まれる)」と「水溶性食物繊維(くだものや海藻などに多く含まれる)」があります。不溶性食物繊維には便のかさ(量)を増やす働き、水溶性食物繊維には便をやわらかくしたり腸内環境を整えたりする働きがあり、どちらも便秘予防には欠かせない成分です。
③水分をしっかりとろう
水分を十分にとれていないと便が硬くなり、便秘になりやすくなります。特に夏場は汗をかく量が増えるため、体の水分は失われがち。夏の水分補給は、熱中症予防だけでなく、便秘予防という意味でも大切なのです!食事や飲み物で、しっかりと水分をとるようにしましょう。
④便意をがまんしないようにしよう
排便リズムをつけるためには、便意のがまんは禁物です!①で朝は排便の仕組みが起こりやすいとお伝えしましたが、せっかく朝食を食べて便意をもよおしても時間がないなどの理由でトイレに行けなければ意味がありませんよね。朝食をとった後にリラックスしたトイレタイムを作れるよう、早起きすることも心がけたいですね。
食育Q&A担当者プロフィール
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。
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ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。
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