食育Q&A

「からだが食べたものでできているって本当?」「消化の良いものを食べた方が良い?」

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。


そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

からだが食べたものでできているって本当?小学校 児童より

からだが食べたものでできているって本当ですか?

はい、本当です。といっても、からだのどこを見ても食べ物の形なんて見えませんよね。おにぎりを食べたからといって、血の中にお米のつぶが流れているわけでもありません。正しく言うと、みなさんのからだは、食べたものにふくまれている栄養素(えいようそ)でできているのです。

「消化・吸収(しょうか・きゅうしゅう)」という言葉を聞いたことがありますか?

私たちは、元気なからだをたもつため、食べ物にふくまれる栄養素をからだの中にとりこまなければ(吸収しなければ)いけません。ところが、栄養素をとりこむための入り口はとても小さいので、大きな栄養素は、入り口に入れるように小さくしてあげるひつようがあるのです。この“大きな栄養素を小さくする”ことが「消化」です。栄養素は、消化されて小さくなって吸収され、はじめて私たちのからだを作るもとになったり、からだを動かすためのエネルギーになったりするのです。

からだが食べたもの(にふくまれる栄養素)でできているからこそ、おうちのごはんや給食をしっかりと食べてほしいなと思います。

 

【「消化ダンジョン」のキャラクターたちが、消化のしくみについておしえてくれるよ!】

消化の良いものを食べた方が良い?小学校 児童より

消化の良いものを食べた方が良いの?

「消化の良い食べ物」と「消化の悪い食べ物」だったら、「消化の良い食べ物」の方がからだに良さそうなイメージがありませんか?

「消化の良い食べ物」とは、言いかえると、「消化されやすい食べ物」ということです。たくさん噛まなくても良かったり、からだが頑張って食べ物を消化する液(消化酵素)を出さなくても良かったりするので、からだにやさしい食べ物だと言えます。

でも、“からだにやさしい”は、必ずしも“からだに良い”わけではありません。消化を悪くする成分である食物繊維も、おなかの調子をととのえるなど、からだにとって良いはたらきをしていますし、あぶらもエネルギーのもとや、からだをつくる材料としてひつような成分だからです。
また、消化の良い食べ物はやわらかい食べ物が多いので、かむ力がつきにくいというマイナス面もあります。

からだの調子が良いときには、きほんてきには「消化の良さ」を気にせずに、色々なしゅるいの食べ物をバランスよく食べるようにしましょう。かぜをひいたりして消化する力が弱っている時には、消化の良い食べ物をえらんで食べるようにしてくださいね。

食育Q&A担当者プロフィール

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

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ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。

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