特別企画

食べ物の持つ色のパワーを知ろう!野菜や果物がカラフルなのはなぜ??

毎日食べる食事の中にはカラフルな野菜や果物がたくさんあります。
では、なぜ色がついているのでしょう??
「ファイトケミカル」という言葉を聞いたことはありますか?
「ファイト」=「植物の」、「ケミカル」=「化学・化学物質」といった意味を持ちます。
「化学物質・・・」というとなんだか体に悪いもののようにも聞こえますが、そんなことはありません。
例えば猛暑の中、私たちは帽子をかぶったり、水分を摂ったり、室内や風の通る所へ移動したりして身を守ります。

しかし、植物はどうでしょう?
一旦根っこを下ろしたら、どんなに暑い日でも、水分が足りなくてもその場所から移動することはできません。そこで身を守るために植物自ら作り出したのが「ファイトケミカル」で、それは「色」や「香り」「味」などとなって表れています。

紫外線や雨風にさらされても移動できない植物は、酸化を防ぐ抗酸化力、抗菌作用を自らもっています。また、害虫や動物から逃げられない植物は、臭いを出して外敵を遠ざける手段を生み出したものもあります。自らの身を守るために植物が作り出した色素や香り、辛み、苦みなどに含まれる機能性成分が“ファイトケミカル“です。

今回は見た目にも鮮やかな野菜や果物を使ったスムージーを例に、主なファイトケミカルをご紹介します。

赤のスムージーレシピはこちら

トマトやスイカはキレイな赤色をしています。この赤色は “リコピン”というものです。
りんごの皮も赤いのですが、これは“ポリフェノール”の一種です。
どちらも抗酸化作用が高く、紫外線から体を守ってくれる働きがあります。

オレンジのスムージーレシピはこちら

にんじんのきれいなオレンジ色は“カロテノイド”の一種で“βカロテン”といわれるものです。体の中では“ビタミンA”と同じような働きをし、鼻やのど、胃腸の粘膜の潤いを保って免疫力UPに役立ちます。
オレンジの色はにんじんと同じ“カロテノイド”の一種ですが“ゼアキサンチン”と呼ばれるもので、目の健康にも役立つといわれています。

緑のスムージーレシピはこちら

小松菜やほうれん草の緑色も実はにんじんと同じ“βカロテン”が含まれます。

紫のスムージーレシピはこちら

ブルーベリーの鮮やかな紫色は“アントシアニン”と呼ばれるもので、目の健康に役立つといわれています。
疲れ目などにも期待されるブルーベリーですが、出来ればスマホやテレビ、パソコンなど液晶画面を見る機会を減らし、目の負担を軽減することも併せておすすめします。
また、バナナ独特の甘い香りも実はファイトケミカルの“オイゲノール”という成分によるもので、免疫力UPにも関わっています。

このように、野菜や果物にはさまざまな色や匂いがあり、見た目や香りの良さだけでなく、私たちの身体を守ってくれる働きもあります。

さらに野菜や果物には腸内環境を整えるのに役立つ“食物繊維”や身体の調子を整える“ビタミン・ミネラル”も含みます。

食卓が色鮮やかになれば見た目も美しいですし、栄養やファイトケミカルも摂ることが出来ます。
皆さんもぜひ身の回りの「カラフルな食材」を探してみてくださいね。

レシピ担当者プロフィール

管理栄養士 磯村 優貴恵

管理栄養士としてダイエット専門のサロンにて食事指導を行う。その際に具体的なメニュー提案や調理方法の伝承の必要性を感じ、3年間の料理経験を積む。その後特定保健指導を経て独立。
「栄養士をもっと身近に!」をモットーとして、子供から大人まで一緒に食べられるおいしいレシピの提供や食事の大切さを紙面やWEBにて発信中。