スポーツ食育インタビュー

今回は卓球女子の木原美悠選手をおむかえし、幼少期から現在に至るまで主に食生活を中心としたお話をうかがいました。

号泣しながら練習した幼少時代

「卓球との出会いを教えてください。」

「兄と姉も卓球をしていたので、私も1~2歳ぐらいからやり始めたようですが、あまり覚えていません。最初は遊びながら、気づけばやっていた感じです。父が卓球場を開いていたので、自宅が卓球場とつながっていました。覚えているのは4~5歳ぐらいの時。父がすごく厳しくて、朝から晩まで1日中ずっと卓球をしていました。」

「それだけ期待していたということですね。卓球を楽しんでいましたか?」

「楽しい気持ちは、その時はなかったです。必死で卓球をしていました。ほとんど卓球場にいて、食事の時だけ家に戻るぐらいでした。」

「子どもの頃から運動神経が良かったのでしょうか。どんなスポーツが得意でしたか?」

「全然覚えてなくてわからないんですが…球技が得意です。バレーボールとかバドミントンとか。」

「小学校で卓球をする事はなかったのですか。」

「卓球クラブというのがありましたが、卓球は出来てあたり前みたいな感じでした。」

白米が大好き!給食は必ずおかわりします

「食事の話を聞かせてください。好きな食べ物はなんですか?」

「大まかに言えばお肉とか白米が好きです。白米だけでも結構食べられます。」

「すごいですよね。おかずがなくてもごはんだけを?ごはんは体と脳を働かせる大事なエネルギー源になります。ごはんはよく噛むことで、(だ液に含まれている消化酵素の力で)甘みも感じられるようになります。おかずがなくてごはんだけでも食べられるのは、ごはんが大好きなことときっとしっかり噛んでいるのだと思います。素晴らしいことですよ~!」

「はい、大丈夫です!小学校の時には給食で白米だけ増やすことが多かったし、今もそうですね。おいしいなって感じます。」

「ちなみに今だったら、何杯くらい食べますか?」

「給食だと2回はおかわりしますね(笑)。」

「今15歳だと、そのくらいは食べても大丈夫ですよね。」

「もちろんですね。しかも運動してらっしゃるんですもんね。クラスの中には、ご飯を食べないお友達もいらっしゃるでしょう?」

「結構います。私と、あと2~3人程しかおかわりしなくて。いつも最初に『いただきます』をしてから3分後、全部の食事が終わった人からおかわりをして良いルールです。」

「3分で全部食べちゃうんですか?すごい!ただ、食べるスピードは、状況によって変えられることも大事です。場合によっては『ある程度速く食べる』ことも大事ですが、食べる量が多いので、『よく噛んでゆっくり食べる』ことも大事にもなります。」

「食べちゃいますね。量が少ないんですよ。だから普段は、毎日2人分ぐらい食べます。」

「やっぱり強くなる要素ですものね。『食べたものがエネルギーの素、食べたものがからだの材料!』これはアスリートにとって食事は大事なものということを伝える基本だと思っています。木原選手のようにしっかり食べるということは、強くなる大事な要素ですね。」

朝・昼・晩 ガッツリ食べます!

「朝ごはんだったら、ご飯と何を食べますか。」

「ここ(味の素ナショナルトレーニングセンター)では朝と昼はバイキング形式なので、朝も結構食べています。ご飯とみそ汁と、スープやサラダ、ヨーグルト。」

「朝からお肉などもしっかり食べますか?」

「あれば何でも、結構食べられます。朝起きてちょっと眠いなって感じた時はあまり食欲がないんですけど、大体はがっつり食べます。」

「この食べ物があったら元気になれるっていう、そういう食べものはありますか。」

「やっぱり白米です。遠征とか海外に行くと日本のお米が食べられないから、日本のお米がすごく恋しくて。」

「15歳で日本のお米が恋しいってすごいことですよね。」

「おやつとか、ちょっと小腹が空いたなっていう時は何を食べますか。間食はあまりしませんか?」

「ここにいる時は、あんまりしないです。」

「間食を含めて、アスリートの場合は食事の回数を増やすことも良くあります。ただ、3度の食事で必要なエネルギーや栄養素が摂れたり、食事のタイミングも理想的ならあえて“間食”を摂らなくても良いと思います。
また、もし摂るとした場合の注意点は、
①間食を摂ることによって、本来の食事に影響ないように、量や時間に気を付ける
②3度の食事では摂りにくい牛乳や乳製品、果物などを間食で補うようにする」

「朝昼晩だけ、しっかり摂っているんですね。」

「そうですね。夜もがっつり食べます。」

試合前でも普段通りの食事サイクルを

「苦手な食べ物はありますか?」

「野菜で言ったらピーマンや、納豆とかオクラのようなねばねば系、あとトマトも苦手です。」

「食堂のバイキングでは、ご飯が一番たくさんで、お肉がその次で、野菜はぐーっと少なくなっちゃう感じ?」

「結構少なくなっちゃいます。」

「野菜で好きな物はありますか?」

「きゅうりとか。」

「でも給食に野菜は結構出るし、ここの食堂でも出ますよね。」

「そうですね。ここでは毎食バイキングなので、サラダは一応とるようにしています。」

「“野菜嫌い”とまでは行かなくても、“野菜苦手”だという方は結構見かけます。でも、栄養のバランスを考えると、“野菜”もしっかり食べて欲しいものです。その理由は
①体の調子を調えるビタミンが豊富に含まれている
②アスリート には欠かせない体の動きに関係するミネラルも多く含まれている
③栄養素とは別の“機能性成分(例;トマトのリコピン、なすのアントシアニン、ほうれん草のルチンなど)”が含まれている」

「写真を撮って栄養チェックされるのですよね。」

「あります。毎食撮っています。」

「では、バランスを考えた食事を心がけている?」

「はい。そうですね。」

「やっぱり、苦手でも食べようという努力はしていますね。」

「はい。しています。」

「素晴らしい!栄養面で気をつけている事とかありますか?」

「白米とお肉は絶対に食べないといけない、と思っていますね。」

「大好きなごはんとお肉、栄養のバランスを考えた食事の摂り方の『はじめの一歩』ですね。でも、これからは少しずつ“野菜のおかず”も摂り入れていくようにしましょう。」

「試合の後に、何かすぐに補給するものはありますか?」

「特にないですね。」

「試合直後は心身ともに疲れていて食欲が沸かないこともありますが、出来れば試合(練習)で使ったエネルギーをいち早く補給することも疲労回復に有効です。特に、連戦になったりするときには、とても大事なことだと思います。」

「あまりサイクルを変えず、試合があってもなくても、いつも通り朝昼晩しっかり食べるスタイルですね。」

「そうです。」

「栄養のことで気になることなどありますか?甘い物は好きですか?」

「甘い物を食べたら太るので、食べたいとは思うんですが、今はお菓子などはあまり食べないようにしています。」

「学校が宿舎に近いから、途中で寄り道ってわけにもいかないですよね。食べるタイミングもないですよね。」

「できないです。」

「『甘いものを食べたいと思う時はあるけれど、太るから今は食べない』という考え方が出来るのは、まさにアスリートですね。アスリートは、甘いものを我慢するというのはよく言われていることです。理由は確かに甘いものを自由に食べてしまうと体重が増えてしまって、コンディションに影響することもあります。また、急に血糖値が上がってしまうことも問題とされています。
甘いものと言ってもケーキやシュークリームと言った洋菓子と 、大福のような和菓子ではエネルギー量も異なるので、どうしても食べたいとなったときには和菓子の方がおススメです。また、もし“甘いもの”をヨーグルトやフルーツで代用できるとしたら、(もちろん、量や食べるタイミングにもよりますが)、逆にむしろおススメです。」

取材日:2020年1月27日

選手&チームのご紹介

木原美悠 選手

JOCエリートアカデミー所属。木下アビエル神奈川(T. LEAGUE)。

ITTF世界ランキング最高位49位 (2020年2月現在)。

兵庫県明石市出身。身長164cm 15歳。

2019年1月全日本卓球選手権準優勝。14歳5か月での決勝進出は史上初。

ダブルスでは11月オーストリア・オープン、12月世界ジュニア選手権、2019 #ITTFワールドツアーグランドファイナル全てで優勝。

サーブは、ベテラン選手でもレシーブミスしてしまうほど切れた巻き込みサーブやしゃがみこみサーブなどを多用。特にコース取りとコントロールに優れている。ラリーでは下がらず強烈なカウンターを決める。高身長を生かしたフォアハンドでの速攻、スマッシュが強力な武器の一つ。