食育Q&A

「栄養を考えた料理、どんな材料を使えばいい?」「無理なダイエット、将来への影響は?」

「栄養を考えた料理、どんな材料を使えばいい?」「無理なダイエット、将来への影響は?」

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。


そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

栄養を考えた料理、どんな材料を使えばいい?中学生 生徒より

自分で栄養を考えた料理を作りたいのですが、どのような材料を使ったらよいのか分かりません・・・。

自らお料理をする姿勢、本当に素晴らしいです!

まずは“基本の食事”を作ることを考えてみましょう。基本の食事というと、ごはんと味噌汁などの組み合わせが挙げられますが、その2つの中身を工夫するだけでも栄養価はぐんとアップします。

例えば、白いごはんに雑穀米や玄米を混ぜると食物繊維やビタミン・ミネラルがプラスされますし、ヒジキやにんじん、グリンピースなどの炊き込みご飯にするとそのほかの栄養素もとることができます。

みそ汁はどんな食材とも相性が良いので、ぜひ旬の野菜をひとつは入れるようにしましょう。例えば、春はβカロテンを多く含む菜の花、夏は抗酸化作用のある成分を含むトマトやかぼちゃ、秋は食物繊維が豊富なきのこ類、冬は葉っぱまで使うことでビタミンや食物繊維もとれる大根やかぶ、にんじんなどです。

旬の野菜には、その時期に必要な栄養素がぎゅっと詰まっています。さらに、旬の野菜は手頃な価格で手に入ることが多く、お財布にも優しいのが嬉しいところです。

季節ごとの旬の食材を取り入れることで、1年を通して飽きることなく食材を楽しむことができます。

スーパーや八百屋さんに行ったらぜひ旬の野菜をチェックしてみてくださいね。

「栄養を考えた料理、どんな材料を使えばいい?」「無理なダイエット、将来への影響は?」

無理なダイエット、将来への影響は?中学校 保護者より

女子中高生を中心に、無理な食事制限(ダイエット)が問題になっています。成長期にある中高生が無理な食事制限をすると、将来体にどのような影響がでるのでしょうか。

中高生になると、小学生の頃と比べて体も大きくなり、見た目は大人とあまり変わらなくなります。しかし、中高生の年代はまだまだ大切な成長期にあります。

まずは“骨量”を考えてみましょう。骨量は20歳ころまではしっかりと蓄えることができますが、それ以降は大きく増やすことは難しく、女性の場合は特に、妊娠や出産、授乳を経験することで骨量に関係するカルシウムを多く失うこととなります。骨量が減少するといわゆる「骨がスカスカ」の状態となり、将来的に骨粗しょう症のリスクが高まります。

次に、不足しやすいといわれている“鉄”です。月経のある女性は毎月多くの鉄を失うため、貧血になりやすいといわれています。その上に無理な食事制限をすることで食事からの鉄の摂取が不十分になりやすく、鉄不足の可能性も高まります。運動を行っている場合は、失う鉄の量は更に増えるので注意が必要です。

また、減量のために過度な食事制限を行うと、体が危機的な状況だと判断し、月経が止まることもあります。なお、無月経も、骨粗しょう症の原因になります。

無理なダイエット、将来への影響は?

中高生の年代は、体の基礎を固めるための大切な時期です。数十年後の自分の体をイメージするのは難しいかもしれませんが、今の食生活は“未来の自分の体への投資”であることを忘れずに!

また、誰かと一緒に楽しく食べることは心の栄養にもなります。体と心、双方の健康維持のためにも食事は「美味しく楽しく!」を心がけてくださいね。

食育Q&A担当者プロフィール

管理栄養士 磯村 優貴恵(いそむら ゆきえ)

管理栄養士としてダイエット専門のサロンにて食事指導を行う。その際に具体的なメニュー提案や調理方法の伝承の必要性を感じ、3年間の料理経験を積む。その後特定保健指導を経て独立。「栄養士をもっと身近に!」をモットーとして、子供から大人まで一緒に食べられるおいしいレシピの提供や食事の大切さを紙面やWEBにて発信中。

食育セミナー実施中!

ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。

講座のお問い合わせ、お申し込み受付はこちらの「ダノン健康栄養財団」ホームページよりご確認ください。

詳しくはこちら