食育Q&A
「肉の脂と魚の脂、どちらも体に悪い?」「豆が苦手!代わりに何を食べればいい?」etc.
小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
肉の脂と魚の脂、どちらも体に悪い?中学生 保護者より
お刺身が好きで、特に中トロやサーモンのような脂がのったものをよく食べるのですが、肉の脂と魚の脂はどちらも体に悪いものなのでしょうか。
鮭やマグロ、いわしやアジ、さんまなどの脂質には「オメガ3脂肪酸」が多く含まれます。
「オメガ3脂肪酸」の一種である「DHA」には脳の機能を助ける働きがありますし、「EPA」には血管の健康状態を良くするほか、免疫力アップに関わるなどの重要な働きがあります。
また、魚を焼いたり揚げたりする(加熱する)ことで脂が落ちてしまったり、酸化したりするため、“鮮度の良い魚を刺身でいただく”ということは、良質な脂質を無駄なくとり入れるという点でとても良い選択です!
一方、肉に含まれる脂質には「飽和脂肪酸」や「一価不飽和脂肪酸」が多く含まれます。特に飽和脂肪酸はとりすぎると動脈硬化等のリスクが高まる原因にもなりうるため注意が必要です。
肉にはたんぱく質はもちろん、ビタミンB群や鉄、亜鉛などの栄養素も含まれていますし、何より脂質は大切なエネルギー源でもありますので、一概に「お肉はダメ!」と思うのではなく、食べる頻度を下げたり脂の少ない部位を選んだりすることで上手に付き合っていけるとよいでしょう。
豆が苦手!代わりに何を食べればいい?中学生 生徒より
よく給食で豆がでるのですが、豆が苦手です。なにか豆に代わるものはありますか?
ひとくちに「豆類」といっても種類がたくさんありますが、質問者さんはなぜ、豆類が苦手なのでしょうか? 「グリンピースの青臭さが苦手」「納豆のねばねばと臭いが苦手」「炒り大豆のポソポソした食感が苦手」など、まずは苦手な原因を見つけてみましょう。
例えば、「同じ大豆でも枝豆は好き」「ポークビーンズやミネストローネなどの煮込み料理に入っている豆は好き!」など、調理法によっては食べられるものがあるかもしれません。
豆の中でも食べる機会の多い「大豆」の栄養について簡単にお話しします。
大豆は「畑の肉」とも呼ばれるほどたんぱく質を多く含む食材です。また、食物繊維やカルシム、マグネシウム、ビタミンB1など体にとって必要な栄養素が数多く含まれています。
たんぱく質は肉、魚、卵、乳製品などからもとることができますし、食物繊維やビタミン、ミネラルは野菜や海藻類、果物などからもとることができます。
好き嫌いなく食べられるようになることはとても素晴らしいことですが、苦手な食材がある時は、苦手な原因を見つけること、同じ食材でも食べられる調理法があるかどうかを振り返ることで少しずつ食べられるようになると良いですね!
主食だけの朝食は健康に悪い?中学生 生徒より
朝ご飯は主食だけということが多いのですが、健康に悪いですか?
まず、朝ごはんとして何か口にすることはとても重要です。「朝ごはんをしっかりと食べている人は欠食している人と比べて学力や体力の面で良い結果が得られた」という報告もあるほどです。特に「主食」となるごはん、パン、麺類には脳と体のエネルギー源である「糖質」を含むため、朝食にはおすすめです。
このように、主食を食べることはとてもよいことですが、やはり“主食だけ”よりも、体の土台作りに役立つたんぱく質を含む「主菜」や、体の調子を整える働きのあるビタミン・ミネラル・食物繊維を含む「副菜」、「果物」や「乳製品」も組み合わせることで、朝ごはんがパワーアップします!
ごはん、具たくさんの味噌汁、バナナやイチゴなどの果物、ヨーグルト…というように、手間をかけなくても栄養バランスを整えることができます!
急にすべてをそろえるのは難しいことですので、まずは「ごはんやパンに合うおかず」や「調理不要の果物や乳製品」など、今の食事になにか1つプラスすることから始めてみてはいかがでしょうか。
食育Q&A担当者プロフィール
管理栄養士 磯村 優貴恵(いそむら ゆきえ)
管理栄養士としてダイエット専門のサロンにて食事指導を行う。その際に具体的なメニュー提案や調理方法の伝承の必要性を感じ、3年間の料理経験を積む。その後特定保健指導を経て独立。「栄養士をもっと身近に!」をモットーとして、子供から大人まで一緒に食べられるおいしいレシピの提供や食事の大切さを紙面やWEBにて発信中。
食育セミナー実施中!
ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。
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