食育Q&A
「卵と乳のアレルギーがある子どもの食事バランスのとり方は?」
小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
卵と乳のアレルギーがある子どもの食事バランスのとり方は? 小学生 保護者より
子どもが卵・乳にアレルギーがあるため、手軽な卵料理やヨーグルトなどが食べられません。オススメメニューや食事のバランスのとり方が知りたいです。
卵や牛乳・乳製品から摂れる栄養素や成分を考えてみましょう。
卵にはたんぱく質やビタミン類(A、D、Eなど)が含まれています。牛乳・乳製品にはたんぱく質や乳酸菌、カルシウムなどが含まれています。卵やヨーグルトが食べられなくても、これらの栄養素や成分は他の食材で補うことができます!
卵、牛乳・乳製品に含まれる栄養素・成分と、それを含む他の食品の例
- ●タンパク質 : 肉、魚、大豆製品など
- ●カルシウム : しらす・ししゃも・煮干しなど骨ごと食べられる小魚、小松菜・水菜などの野菜、厚揚げ・高野豆腐などの大豆製品など
- ●ビタミンA : うなぎ、レバーなど
- ●ビタミンD : 魚、きのこ類など
- ●ビタミンE : ごま、アーモンド、アボカドなど
- ●乳酸菌 : 味噌・納豆などの発酵食品など
- ※自分が何の食品にアレルギーがあるかを調べ、それらに当てはまらない食品の中から代わりになる食品を選ぶようにしましょう。
うなぎやレバーはビタミンAを多く含みますが、毎日食べるのは難しい食材です。そんな時は、かぼちゃやほうれん草、ブロッコリー、などといった緑黄色野菜を取り入れることをおすすめします。なぜなら、緑黄色野菜に多く含まれる「βカロテン」はプロビタミンAと呼ばれ、体内で必要な分だけビタミンAとなり働くからです。
また、きのこ類は使う前に15~30分程度太陽の光に当てるとビタミンDの量が増えるといわれています。干し椎茸を選ぶ際は「天日干し」という表記のあるものを選ぶと、より効率的にビタミンDをとれるでしょう。なお、ビタミンDは皮膚が太陽の光を受けることにより体内で合成できる栄養素です。外遊びなど太陽を感じることができる生活をすることも重要です。
ごまやアーモンドは「ねりごま」「アーモンドミルク(砂糖や塩など無添加なものがおすすめ)」のようにペーストや液状のものもあるので、料理によって使い分けるのもよいでしょう。
乳酸菌はキムチやすぐき漬けなどの漬物からもとることができます(乳酸菌の種類は異なります)。
このように、食べられない食材や苦手な食材がある場合は、その食材に特徴的な栄養素を別の食材からとることで、栄養のバランスがよくなります。
ビタミンを効率よくとりたい! 中学生 保護者より
ビタミンを効率よくとるための調理のコツや食べ合わせなどはありますか?
ビタミンは、大きく「水溶性(水に溶ける)ビタミン」と「脂溶性(あぶらに溶ける)ビタミン」に分けられます。水溶性ビタミンであるビタミンB群やビタミンCは、ゆでこぼしたり(※)、水で洗いすぎたりすると、水に溶け出てしまいます。全てが溶け出るわけではありませんが、損失を抑えるためにはあらかじめカットされた野菜や果物ではなく、鮮度のよい野菜・果物を鮮度がよいうちに使うことをおすすめします。
また、ゆでることによってビタミンが水に溶け出ることを防ぐには、電子レンジで加熱するのもよいでしょう。
脂溶性ビタミンであるビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンKは、油と一緒にとることで吸収率が上がります。「油と一緒にとる」というと、炒め物や揚げ物ばかりになると思われがちですが、肉や魚、油揚げなどの油を含む食材を使うことで、蒸し物や煮物など料理のレパートリーも広がります!
※ゆでこぼす・・・食材をゆでた後に、そのゆで汁を捨てること
食育Q&A担当者プロフィール
管理栄養士 磯村 優貴恵(いそむら ゆきえ)
管理栄養士としてダイエット専門のサロンにて食事指導を行う。その際に具体的なメニュー提案や調理方法の伝承の必要性を感じ、3年間の料理経験を積む。その後特定保健指導を経て独立。「栄養士をもっと身近に!」をモットーとして、子供から大人まで一緒に食べられるおいしいレシピの提供や食事の大切さを紙面やWEBにて発信中。
食育セミナー実施中!
ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。
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