食育Q&A
「夜なかなかねむれません」「くもりや雨の日の体内時計のリセットは?」
小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
夜なかなかねむれません小学校 児童より
早ねをしようと思っても、なかなかねむれません。どうしたらいいですか?
ねようと思ってもねむれないことってありますよね。「はやくねなきゃ」とあせってしまい、もっとねむれなくなって、つぎの日の朝こんどはいつもの時間に起きられない…なんていうこともあるかもしれません。そこで、スムーズにねむりにつくためのポイントをいくつかあげてみたいと思います。
ねる前にスマホやゲームをしないようにしよう
スマホやゲームのがめんからは“ブルーライト”という光が出ています。この光には脳(のう)を目ざめさせるはたらきがあるため、夜にあびると、ねむけがなくなりやすくなります。また、ゲームなどに熱中(ねっちゅう)することで脳がこうふんしてしまうのも、ねむれないげんいんになるかもしれません。
昼間はからだを動かそう
昼間に運動をすると、ねつきがよくなったり、ぐっすりとねむれるようになったりすることがわかっています。新型コロナウイルスが気になる時ではありますが、こんでいない場所をえらんだり、手洗いうがいなどのたいさくをしながら、なるべくからだを動かすようにしましょう。ちなみに、よいねむりに大切なのは“昼間の運動”です。夜、ねる前に運動をしてしまうと、かえってねむれなくなるので気をつけてくださいね!
早起きを心がけよう
わたしたちのからだには、朝に目がさめてから14~16時間くらいたつとしぜんにねむくなるしくみがあります。つまり、朝おそくまでねていると、ねようと思った時間にねむれない…ということになりやすいのです。夜スムーズにねむりにつくためのじゅんびは、朝からはじまっているのですね。
ねむっている間には、からだを強く大きくそだてるはたらきが高まります。そのため、からだがぐんぐん大きくなる“成長期”の子どもは、早ねをして、じゅうぶんなすいみん時間をとることがとても大切です。ちなみに、小学生なら9~11時間のすいみんがよいといわれています。たとえば、夜8時にねて朝6時に起きたら10時間のすいみんをとることができます。しかし、「夜8時にねる」というのは「夜8時にはねむっている」ということであって、「夜8時におふとんに入る」ということではありません。じゅうぶんなすいみん時間をとれるように、ふだんの生活を見直してみましょう!
くもりや雨の日の体内時計のリセットは?小学校 児童より
朝の太陽の光で体内時計のくるいが直ると聞きましたが、くもりや雨の日はどうすればよいですか?
私たちの体には、体内時計というしくみがあります。体内時計がきそく正しくはたらくことで、毎日を元気に、気分よくすごすことができます。
私たちは、地球が1しゅうする時間(24時間)にあわせて生活をしています。ところが、人間の体内時計の1日は、24時間よりも少し長い時間になっています。そのため、自分の体内時計の時こくを、地球の1日と合わせてあげるひつようがあるのです。その“時こく合わせ”をしてくれるのが、朝の太陽の光です。
では、雨の日など太陽が出ていない時には時こく合わせができないのでしょうか?
そんなことはありません!もちろん晴れた日よりはずっと弱い光ですが、くもりや雨の日の明るさでも体内時計の時こく合わせをするのにはじゅうぶんなのだそうです。くもりや雨の日でも、朝起きたらカーテンを開けて、外の光をあびることをしゅうかんにしましょう。
1日のさいしょに食べるごはんにも体内時計の時こく合わせのやくわりがあるので、太陽の光をあびることとあわせて、朝ごはんも毎日しっかり食べるようにするとよいですね。
※太陽の光をあびる時には、太陽そのものを目で見ないようにしましょう。目をいためてしまうかのうせいがあります。
食育Q&A担当者プロフィール
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。
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ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。
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