食育Q&A

「“食品ロス”って何のこと?」「食品ロスを減らすためには?」

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。


そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

“食品ロス”って何のこと?小学校 児童より

“食品ロス”って何のことですか?

“ロス”という言葉には「むだにする」という意味があります。「食品ロス」とは、むだにされてしまう食べ物、つまり“まだ食べられるのにすてられてしまう食べ物”のことを言います。日本では、1年でおよそ600万トン、1日に大型トラックおよそ1,640台分もの食べ物が、“まだ食べられるのに”すてられているそうです。

食品ロスが増えると、何が問題になるのでしょうか?

たとえば、すてられた食べ物はゴミとしてもやされます。その時にでてくるCO2という成分や、もやした後の灰(はい)のうめたてが、私たちがすんでいる地球をいためつけていると言われています。

また、世界では7人に1人がまずしくて食べるものに困っていると言われています。“食べたくても食べられない”人もいれば、“食べられるものを捨てている”人もいる……そのことを、みなさんはどう思いますか?

10月は「食品ロス削減月間(さくげんげっかん)」です。地球のために、そして、世界中のだれもがえがおで食事を楽しめるように、みなさんも食品ロスについて考えてみましょう。

「食品ロス削減月間」についてはこちらから

食品ロスを減らすためには?小学校 児童より

食品ロスを減らすためにできることはありますか?

食品ロスをへらすためには、食べ物を“作る人”“売る人”“買う人”“食べる人”など、食べ物にかかわる人みんなが協力してとりくむことが大事です。その中で、おもに食べ物を買って、食べる立場であるみなさんができることとしてまずあげられるのは「食品ロスについて知ること」そして「のこさず食べること」だと思います。

この食品ロス全体のうち、およそ半分は家庭ですてられる食べ物です。「食べのこしてしまった」「買ったけど食べないうちに賞味期限(しょうみきげん)がきれてしまった」などの理由ですてられることが多いようです。

・食べきれないほど買わない
・のこさないように食べる

などをいしきするようにすると、すてられる食べ物をへらすことができそうです。

ただ、いくらのこさず食べることが大事でも、体の調子がよくない時や、もうおなかいっぱいで食べられない時などに、むりをして食べることはありません。生ものなどいたみやすいものでなければ、とっておいて次の日に食べるなどしてもよいですね。レストランなどでも、最近は持ち帰り用の容器をもらえることが多いので、外食で食べきれなかった時には店員さんに聞いてみてはいかがでしょうか。

※時間がたった食べ物はいたみやすいので、かならず冷蔵庫にいれて、食べる前には十分に温めるようにしましょう。

わたしが小学生のころ、同級生の間で大人気のおかしがありました。でも人気があったのはおかしそのものではなく、おかしについているシールだったのです。多くの子がシールを集めたくてそのおかしをたくさん買い、のこったおかしをすてていたことが問題になったことを覚えています。

1人がすてる量は少しでも、みんながすてたらどうなるでしょうか。

まずは食品ロスについて知り、自分にできることから始めてみませんか?

食育Q&A担当者プロフィール

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

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ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。

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