食育Q&A
「食物アレルギーって何?」「牛乳にアレルギーがあるのですが、かわりに何を食べさせれば良い?」
小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
食物アレルギーって何?小学校 保護者より
食物アレルギーって何ですか?
食物アレルギーが「特定の食べ物を体が受け付けない」というものであることは、多くの方がご存知かと思います。
私たちの体には「免疫系」と呼ばれる仕組みがあります。もともと自分の体にあるものが体内に入ってきた時には受け入れ、それ以外のもの(例えば、病気の原因となる菌やウィルスなどの異物)は排除することによって体を守る仕組みです。しかし、この免疫反応が特定の原因物質に対して過剰に働いて、逆に自分の体に害となることがあります。これが「アレルギー反応」です。そして、この反応が食べ物によって引き起こされるのが「食物アレルギー」です。
食物アレルギーで起こる症状は様々で、部分的なじんましんや鼻水、くしゃみなどの軽い症状から、何度も吐き続けたり、呼吸がゼーゼーしたり、意識がもうろうとしたりと命にも関わる重い症状が出ることもあります。
食物アレルギーと診断された場合、その原因となる物を食べないようにする必要があります。アレルギー症状への不安から「卵にアレルギーがあるから鶏肉も食べない」「牛乳にアレルギーがあるから牛肉も食べない」というように、食べても大丈夫なものまで食べないようにしてしまうケースもあるようです。
しかし、不必要に食べ物を敬遠してしまうと、ご本人やご家族への負担も大きくなりますし、栄養バランスの偏りなどの問題も出てきてしまうかもしれません。特に、最近は様々な情報があふれる時代です。その情報の中には誤ったものもあります。決して自己判断はせず、医師や管理栄養士の指導のもとで、正しく、上手に食物アレルギーと付き合っていただきたいと思います。
なお、原因となる食べ物などによって異なりますが、鶏卵、牛乳、小麦などのアレルギーはその後に耐性ができて食べられるようになることが多いそうです。
牛乳にアレルギーがあるのですが、かわりに何を食べさせれば良い?中学校 保護者より
牛乳にアレルギーがあるのですが、かわりに何を食べさせれば良いですか?
食物アレルギーで特定の食べ物を除去しなければいけない場合に重要なポイントは、「除去する食べ物に含まれる栄養素を他の食品からとる」ということです。
牛乳にアレルギーがある場合、不足しやすい栄養素は主にカルシウムです。骨をつくるカルシウムは、成長期のお子さんにとってとても重要な栄養素です。牛乳・乳製品をとらないようにすることで、カルシウムが不足しないように気をつけなければいけません。
モロヘイヤや小松菜などの青菜、納豆や豆腐などの大豆製品、小魚や桜えびなどカルシウムを多く含む食品を積極的に取り入れると良いでしょう。また、食事量が少ない場合など、必要に応じてカルシウムを強化した食品を利用するのも良いですね。
牛乳は「特定原材料」といって、加工品へのアレルギー表示が義務づけられている食品です。牛乳が入っていると知らずに誤って食べてしまったということのないように、加工食品を購入する時などには表示をよく確認するようにしてくださいね。
なお、食品添加物として使われている「乳化剤」「乳酸カルシウム」や「乳酸菌」などは「乳」という文字がついているので心配になるかもしれませんが、除去する必要はありません。
食育授業report新宿区立大久保小学校
2019年9月20日に、新宿区立大久保小学校の学校保健委員会で、全校児童のみなさんに「早寝・早起き・朝ごはん」の大切さをお話ししてきました。講座の後に設けられた質問・感想のコーナーでは、たくさんの手が挙がりました。みんなの前で堂々と自分の思ったことを発表できるってすばらしいなぁ、と感心しました!進行を担当してくれた保健委員のみなさんも、休み時間から練習して、本番も頑張っていましたね。お疲れ様でした!
食育授業report比企郡川島町立伊草小学校
2019年10月29日に、比企郡川島町立伊草小学校に行ってきました。早寝・早起き・朝ごはんの大切さについて、5年生にはクイズをまじえながら、保護者の皆さんには様々なデータもご紹介しながらお話ししました。児童のみなさんの積極的に学ぼうとする姿勢、保護者のみなさんの真剣にメモをとる姿が印象に残っています。「早寝・早起き・朝ごはん」に家族みんなで取り組んで、元気で充実した毎日を過ごしていただけたら嬉しいです。
食育授業report子育て支援事業「ママと一緒に公民館デビュー」
2019年12月16日に、蕨市母子愛育会と蕨市保健センター共催の子育て支援事業「ママと一緒に公民館デビュー」で、0歳の赤ちゃんがいらっしゃるお母さんに、規則的な生活リズムの大切さなどについてお話ししてきました。会場に集まったかわいい赤ちゃんたちに私も癒されました。講座の後にいただいた手作りのサンドイッチとシチューは、子育て中のお母さんへの愛育会のみなさんの温かい気持ちが感じられる、やさしくおいしいお味でした。
食育Q&A担当者プロフィール
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。
食育セミナー実施中!
ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。
講座のお問い合わせ、お申し込み受付はこちらの「ダノン健康栄養財団」ホームページよりご確認ください。