食育Q&A

「たんぱく質はどんな食べ物に多くふくまれてる?」「運動する時はたんぱく質をたくさんとった方が良い?」

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。

そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

たんぱく質はどんな食べ物に多くふくまれてる?小学生 児童より

たんぱく質はどんな食べ物に多くふくまれていますか?

私たちの体…例えば、ほね、きん肉、血、ひふ、つめ、かみの毛、他にもいろいろありますが、それらはすべて、おもに「たんぱく質(しつ)」という栄養素(えいようそ)から作られています。

小学生、中学生くらいの間は「成長期(せいちょうき)」と言って、体がぐんぐんと大きくなる時です。体が大きくなるためには、体を作る材料になるたんぱく質もたくさん必要になります。そのため、毎日の食事からしっかりとたんぱく質をとることが大切です。

では、ここでクイズです。次のうち、たんぱく質を多くふくむ食べ物のグループはどれだと思いますか?

  • ①ごはん、パン、めんなど
    ②肉、魚、たまご、大豆など
    ③野菜、きのこ、海そうなど

正解は、②の肉、魚、たまご、大豆などです。なっとうやとうふも大豆でできているので、このグループに入ります。

ごはんやパン、野菜などにもたんぱく質はふくまれているのですが、肉や魚などには特に多くふくまれています。例えば、ごはん、ゆでたほうれん草、ハンバーグそれぞれ100gにふくまれるたんぱく質の量を見てみましょう。ハンバーグには、ごはんやほうれん草のおよそ5倍ものたんぱく質がふくまれていることがわかりますね。

ただ、1つ気をつけてほしいのが、たんぱく質だけが大切なわけではないということです。体を動かすエネルギーのもとになる「炭水化物(たんすいかぶつ)」(ごはん、パン、めんなどに多くふくまれます)や、体の調子をととのえる「ビタミン」「ミネラル」(野菜、きのこ、海そうなどに多くふくまれます)も、みなさんにとって大切な栄養素です。これらをバランスよく食べて、元気でじょうぶな体を作ってほしいなと思います。

運動する時はたんぱく質をたくさんとった方が良い?中学生 保護者より

運動する時はたんぱく質をたくさんとった方が良いのですか?

たんぱく質は、運動には欠かせない“筋肉”を作るもととなる栄養素です。その必要量は、性別や年齢、体格、運動強度などによって異なります。では、運動をする時にはたんぱく質を多く摂った方が良いのでしょうか?

たんぱく質は体の中で、壊れたり(分解)作られたり(合成)を繰り返しています。激しい運動をすると体内のたんぱく質がたくさん壊れるため、運動強度の高い人では必要なたんぱく質の量も多くなります。しかし、通常は運動によって体内のたんぱく質が壊れても、運動後にたんぱく質が盛んに作られて壊れた分をカバーしてくれます。そのため、軽い運動や「ややきつい」と感じるレベルの運動(1日に200~400kcal程度)を行う場合には、必要なたんぱく質の量は増加しないと言われています。つまり、(アスリートのように激しい運動をする場合は別ですが)必ずしも「運動をする=たんぱく質を多く摂った方が良い」ではないということです。

運動をする人にとって必要な栄養素を考えてみましょう。体を作るもととなるたんぱく質はもちろんのこと、炭水化物は体を動かすエネルギー源として主に利用される栄養素なので、運動時のスタミナ維持に欠かせません。脂質は、炭水化物やたんぱく質よりも高カロリーであるため、効率の良いエネルギー源となります。それだけではなく、ホルモンの材料になったり、あぶらに溶けやすい種類のビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収を高めたりします。各種のビタミンやミネラルは、体の機能を正常に保つためになくてはならない栄養素です。つまり、1つの栄養素にフォーカスするのではなく、バランス良く食べることが何より大事だということですね。

運動する人にとっての”たんぱく質”」でも、運動とたんぱく質の関係について詳しく説明されているので、ぜひご覧ください!

栄養とは少し離れてしまいますが、運動によって体が受けたダメージを回復するためには休養(睡眠)も大切です。バランス良く食べて、しっかり休んで、ベストなパフォーマンスを発揮してくださいね!

食育授業report春日部市立東中学校

2019年2月8日、春日部市立東中学校の「SCHOOL LUNCH 集会」という行事で、早寝・早起き・朝ごはんの大切さについてお話ししました。講座の前には、給食調理員さんへのお礼の言葉と花束贈呈があり、とても心が温かくなりました。食べ物を作る人、売る人、料理を作る人……毎日の食事に関わっているたくさんの人への感謝の気持ちを忘れないようにしたいですね!

食育授業report朝霞市立朝霞第一小学校

2019年3月1日、朝霞市立朝霞第一小学校の3年生に、早寝・早起き・朝ごはんの大切さについてお話ししました。みなさん元気いっぱい!クイズも盛り上がりましたし、最後に行ったマグカップヨーグルトケーキのデモンストレーションでは、出来上がったケーキを見たみなさんのキラキラした笑顔がとても心に残りました。しっかり眠ってしっかり食べて、これからも元気なみなさんでいてくださいね。

食育Q&A担当者プロフィール

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

食育セミナー実施中!

ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。

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