食育Q&A
「早くねてもつかれが取れないことがあります。どうしたら良い?」 「疲れが取れる食べ物は?」
小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
早くねてもつかれが取れないことがあります。どうしたら良い?小学校 児童より
早くねてもつかれが取れないことがあります。どうしたら良いですか?
早くねるようにしていること、すばらしいですね!私たちがねている時には、脳(のう)から「成長ホルモン」という物しつがたくさん出ます。名前のとおり体を成長させるはたらきがある成長ホルモンですが、それだけではなく、体のつかれを取るはたらきも持っています。ということは、早くねて十分なすいみん時間をとれば、成長ホルモンがたくさん出てつかれもスッキリ!となるはずなのですが……、早くねてもつかれが取れないことがあるのはなぜなのでしょうか。もしかしたら、そこには「ぐっすりと良いねむりについているかどうか」が関係しているかもしれません。
成長ホルモンは、最初の深いねむりのときに最も多く出ると言われています。つまり、ぐっすりと深くねむることができなかったら、成長ホルモンが十分に出なくなるとも言えるのです。早くねることは大事ですが、ぐっすりとよくねむれることも大事、というわけですね。
「しっかりねむる(十分なすいみん時間)」「ぐっすりねむる(良いねむりにつくこと)」が、つかれを次の日に残さないためのキーワードと言えるかもしれませんね!
疲れが取れる食べ物は?中学校 生徒より
疲れが取れる食べ物は何ですか?
これさえ食べれば疲れが取れて体スッキリ!……そんな食べ物があると良いのですが、残念ながら特定の食べ物に「疲れを取る」という働きを期待するのは難しいのが事実です。しかし、疲れと食べ物(栄養素)には深い関わりがあります。疲労回復に関わる栄養素のうち、代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。
・ビタミンB1
ご飯やパン、めんなどに多く含まれる炭水化物は、体を動かすためのエネルギー源になる栄養素ですが、この炭水化物をエネルギーに変えるためには、ビタミンB1という栄養素が必要です。ビタミンB1が不足すると、エネルギーが作られにくくなり、疲れの原因となります。
ビタミンB1を多く含む食べ物:豚肉、うなぎ、玄米など
・ビタミンC
体の疲れであっても心の疲れであっても、「疲れ」は体にとってストレスとなります。ストレスを受けたとき、体内でそのストレスに対抗するための物質を作り出すのに必要な栄養素がビタミンCです。ストレスの多い人は、多くのビタミンCをとる必要があると言われています。
ビタミンCを多く含む食べ物:野菜、果物、じゃがいもなど
・鉄
鉄は血液中で「ヘモグロビン」という物質として存在していて、体のすみずみまで酸素を運ぶ役割を果たしています。鉄が不足すると、酸素を全身に十分に届けることができなくなり、体がだるくなったり疲れを感じやすくなったりします。
鉄を多く含む食べ物:レバー、赤身の肉、魚など
疲れの原因は様々で、それらの疲れには、上に挙げた栄養素以外にも色々な栄養素が関わっています。ということは、やっぱり大事なのは栄養バランスの良い食事!主食・主菜・副菜をそろえてバランス良く食べ、色々な栄養素をまんべんなくとることができれば、疲れにくくなりますし、疲れからの回復もスムーズになります。
それと……栄養面の話ではありませんが、好きなお菓子などを楽しむのも、心のリフレッシュという意味で疲労回復につながるかもしれませんね!(食べ過ぎには注意してくださいね!)
食育授業report幸手市立行幸小学校
2018年9月12日、幸手市立行幸小学校の4年生に、早寝・早起き・朝ごはんの大切さをお話ししてきました。 スライドが映らなくなるというハプニングもあった中、児童のみなさんが集中して話しを聞いていたのがとても印象的でした! マグカップヨーグルトケーキのデモンストレーションも、目をキラキラさせて見てくれましたね。ぜひおうちでも作ってみてくださいね。
食育授業report豊島区立西池袋中学校
2018年9月14日、豊島区立西池袋中学校の学校保健委員会で、保護者のみなさんに「早寝・早起き・朝ごはんから生活習慣を向上させよう」をテーマにお話ししてきました。 勉強や部活で忙しくなってくる一方で、まだまだ体は成長している時期にいる中学生。「早寝・早起き・朝ごはん」をはじめとした望ましい生活習慣が、お子さんの健やかな成長や楽しく充実した毎日、そして目標達成につながることを心から願っています。
食育Q&A担当者プロフィール
伊藤 真理子(いとう まりこ)
1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。
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ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。
講座のお問い合わせ、お申し込み受付はこちらの「ダノン健康栄養財団」ホームページよりご確認ください。