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ビタミンDを知って上手に補給しよう!

必要な栄養素を十分にとることは健康な体作りには欠かせません。 「必要な栄養素」とは炭水化物、脂質、たんぱく質の3大栄養素に加えてビタミン、ミネラル、食物繊維です。 今回はその中でも近年注目が集まってきている「ビタミンD」について紹介します。

ビタミンってなに?

ビタミンは、からだの機能を正しく保つために必要な栄養素です。体内ではほとんど合成されないため、必要な量のビタミンを食べ物からとる必要があります。 ビタミンは全部で13種類あり、その特徴から大きく2つに分けられます。

1)脂溶性ビタミン

水に溶けにくく脂に溶けやすいという特徴を持つビタミンです。主に脂肪組織や肝臓に貯蔵され、とりすぎると過剰症をおこす恐れがあります。 ビタミンA、D、E、Kがこれに当てはまります。

2)水溶性ビタミン

水に溶けやすいという特徴を持つビタミンです。 水溶性ビタミンを含む食材を茹でたり洗ったりすると水と一緒に流れ出てしまいます(すべて流れ出るわけではありません)。体内では血液や体液に溶け込んでおり、余分なものは尿とともにせ排出されるため、とりすぎの心配は少ないとされています。 ビタミンB群(B1、B2、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、葉酸、ビオチン)、Cがこれに当てはまります。

ビタミンDの働きとは

ビタミンDには大きく以下の2つの働きがあります。

  • ・小腸や腎臓からのカルシウム・リンの吸収を助ける
  • ・骨へのカルシウムの沈着を助ける(骨形成)

また、近年でビタミンDは免疫力の維持や心の健康にも大きく関わっているのではないかといわれています。

現代人は不足している?

ビタミンDはカルシウムとも密接な関係があるため、不足することで子どもでは「くる病」、大人では「骨軟化症」(いずれも骨が十分に固まらず、骨の変形や痛みが起こる病気)の原因となります。また、高齢者ではビタミンDが長期的に不足することにより骨粗しょう症が原因となる骨折のリスクが高まることがわかっています。 ビタミンDは皮膚に紫外線が当たることによって体内で作られるため、太陽の光を浴びることによってビタミンDを補うことができます。しかし、最近では「家の中で過ごす時間が増えた」「常に日焼け止めを欠かさない」「窓ガラスがUVカット仕様」など、紫外線を直接浴びる機会が減っている方も多いのではないでしょうか。 ビタミンDの1日あたりの摂取量の目安は成人(18歳~74歳)で男女ともに8.5μg(マイクログラム)です。しかし、1日あたりの平均的なビタミンDの摂取量は70歳未満では男女ともに8㎍を下回っているというのが現状です。20~40代ではさらに低く、6㎍ほどとなっています。 体にとって重要な働きを担っているにもかかわらず不足しがちなビタミンDは、できれば外側(日光を浴びること)と内側(食事から補うこと)の双方から意識して補給したいものです。

ビタミンDが不足しやすい生活習慣チェック

前半の3項目は、日光を浴びる(直接肌にあたる)機会があるかのチェック、後半の3項目は、ビタミンDを食事から補うことができているかどうかのチェックです。当てはまる項目がある場合は、適度に日光を浴びる機会(散歩など)を作る、食事の内容を見直すなど、ご自身の生活習慣を振り返り、実践につなげましょう!

※紫外線に当たり過ぎると、皮膚や目に悪影響を及ぼします。日光浴は、両手の甲くらいの面積が15分間日光にあたる程度、または日陰で30分間くらい過ごす程度で、食品からのビタミンDとあわせて十分なビタミンDが供給されると考えられています。特に、夏季は熱中症にもご注意ください。

ビタミンDは外からも中からも補える!

ビタミンDは外からも中からも補える!

外側からの対策-太陽の光を浴びよう

すでにお伝えしたように、ビタミンDは紫外線が当たることによって体内で作られます。しかし、季節や地域などによって日照時間は異なります。ある研究によると、一定量のビタミンDが体内で作られるために必要な“日光に当たる時間”は、7月とくらべて12月では非常に長く、また、その時間は地域によっても大きな差があることが報告されています。つまり、日照時間の短い冬(特に北に位置する地域)では、ビタミンDが作られにくくなるということです。

5.5マイクログラムのビタミンDを

体内で作るために必要な“日光に当たる時間”

※過去に、1日に摂取する成人のビタミンDの目安量が5.5μgと定められていたことによる

5.5マイクログラム※のビタミンDを体内で作るために必要な“日光に当たる時間”

●日光に当たる部分は顔と両手の甲
●測定の場所は緯度の違いにより設定:札幌(北緯43度)、つくば(北緯36度)、那覇(北緯26度)

参考文献
Miyauchi M, Hirai C, Nakajima H. The solar exposure time required for vitamin D3 synthesis in the human body estimated by numerical simulation and observation in Japan. J Nutr Sci Vitaminol 2013; 59:z257─63.
日本人の食事摂取基準(2020年版)報告書 (厚生労働省)p.181

この研究は晴れた日に行われたもので、曇りや雨の日などはさらに日照時間が短くなることが予想できます。夏場は「洗濯物を干す」「ちょっとした外出」などでもビタミンDが補えることがわかると同時に、冬場や悪天候の日には外側からの対策では十分にビタミンDを補えていない可能性があることも考えられます。

内側からの対策-食事で補おう!

「日光を浴びる時間がなかなか取れない」「紫外線を浴びたくない」という方をはじめ、日照時間の短い冬などには特に、ビタミンDを食事から十分にとるようにするとよいでしょう。 ビタミンDは構造の違いからビタミンD3とD2に分けられますが、体内ではどちらも同じように代謝されます。

●ビタミンD3

主に動物性の食品(鮭、いわし、まぐろ、カツオ、さんま、しらす、チーズなど)に多く含まれます。最近ではビタミンDを強化した牛乳などもあります。

●ビタミンD2

きのこ類(椎茸、まいたけ、しめじ、エリンギなど)に多く含まれます。 きのこ類は紫外線に当てることでビタミンDが増えるため、使う前に15~30分ほど太陽の光に当ててから使うことをおすすめします。また、椎茸の中でも「干し椎茸」は、乾燥方法の違いによりビタミンDの量が異なります。「天日干し」「天日乾燥」など、太陽の光で乾燥させたものを選ぶとより効率よくビタミンDをとることができるでしょう。 

なお、冒頭でお伝えしたように、ビタミンDは脂溶性ビタミンであり、とり過ぎると健康に悪影響を及ぼすことがあります。特にサプリメントなどを利用する場合には、とり過ぎには注意が必要です。

食事からとるビタミンDの量の目安(μg/日)

食事からとるビタミンDの量の目安(μg/日)

「日本人の食事摂取基準」(2020年版)より

参考
ビタミン|e-ヘルスネット(厚生労働省)
「日本人の食事摂取基準」(2020年版)報告書(厚生労働省)
令和元年国民健康・栄養調査報告

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担当者プロフィール

管理栄養士 磯村 優貴恵(いそむら ゆきえ)

管理栄養士としてダイエット専門のサロンにて食事指導を行う。その際に具体的なメニュー提案や調理方法の伝承の必要性を感じ、3年間の料理経験を積む。その後特定保健指導を経て独立。
「栄養士をもっと身近に!」をモットーとして、子供から大人まで一緒に食べられるおいしいレシピの提供や食事の大切さを紙面やWEBにて発信中。