特別企画

おとなも!こどもも!からだよろこぶ減塩生活

塩というのは、私たちにとってなくてはならないものです。
今のように冷蔵庫がなかった時代、私たちの祖先は食べ物を塩に漬けること(塩蔵)で、食品を長い期間保存することを可能にしました。冬、深い雪に覆われる地域では、塩蔵の技術によって冬の間の食料を確保することができました。

私たちのからだにとっても、塩は重要です。塩の主成分である“ナトリウム”には、からだの中の水分のバランスを保ったり、神経や筋肉がスムーズにはたらくのを助けたりする役割があるからです。大量に汗をかいたり、激しい嘔吐や下痢などによって体内の水分が失われると、同時にナトリウムも失われ、筋肉がけいれんするなどの症状が起こったり、最悪の場合は命を落とすことにもつながります。

では、塩は意識してとるようにした方がよいのでしょうか?
答えは「×」です。ナトリウムは、ふつうの食生活を送っていれば不足することはないと考えられています。むしろ、今の私たちの食生活では“塩分のとりすぎ”が問題になっているのです。
成人の場合、1日に“必要”とされるナトリウムの量は、食塩に換算して約1.5gです。それに対して、実際にとっているナトリウムの量は、食塩に換算して男性10.5g、女性9gと大幅に多くなっています。
塩分をとりすぎると、からだの水分バランスが乱れ、むくんだりのどが渇いたりします。それだけではなく、塩分のとりすぎが習慣化すれば、血圧が上がり、心筋梗塞や脳梗塞などの命にかかわる病気のリスクを高めます。また、塩分のとりすぎは、胃がんや食道がんのリスクを高めることも報告されています。
国では、1日あたりのナトリウムの摂取量を食塩に換算して男性7.5g未満、女性6.5g未満とすることを目標にしています。これは成人の場合で、子どもの場合の目標量は次の表のようにもっと少なくなります。

1日あたりのナトリウム摂取量の目標(食塩に換算した量:g/日)

と、食塩の量を数字で見せられてもピンとこないかもしれませんね。
例えば、ラーメン1杯をスープまで飲み干した場合、5~6g程度と1日分に近い量の塩分をとることになります。また、多くのスナック菓子も1包装あたり1g程度の塩分が含まれています(もちろん、含まれる塩分の量は商品等によって異なりますし、中には塩分の少ないものもあります)。この記事を読んでいるあなたも、もしかしたら塩分をとりすぎているのかも…!?

このコーナーでは、減塩に関する情報や、おいしい減塩レシピなどを随時ご紹介していきます。
いっしょに、からだがよろこぶ減塩生活を実践してみませんか?

当財団は、産学官等の連携のもと健康寿命の延伸や活力ある持続可能な社会の実現を目指す「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」に参画し、減塩をはじめとした国民の栄養課題の改善に向けた取り組みを推進しています。

健康で持続可能な食環境戦略

イニシアチブHPはこちら

参考令和元年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)
日本人の食事摂取基準(2020年版)(厚生労働省)
e-ヘルスネット「ナトリウム」(厚生労働省)