スポーツ栄養学

「試合時の食事のポイント」
今月の話題:朝食は パンとごはん、どちらがおすすめ?

試合は、練習の集大成を披露するわけですから、そのためにどんな食事をするのが一番良いのかを考えてみましょう。少し前までは、ゲン担ぎで『敵に勝つ!』からの語呂合わせで、「試合に勝つ(トンカツ)!」とか「ステーキとかつ丼(敵に勝つ)!」と信じられていた頃もありました。果たして、『敵に勝つ!』で効果があるのでしょうか?

「試合は練習の総仕上げ」と考えると『試合期に最高のコンディションを持っていくこと』と言い換えることも出来ます。つまり練習で積み上げてきたことを最大限発揮するためには、食事でも注意点があります。具体的には、

試合中にエネルギー切れにならないようにするために、競技にもよりますが少なくとも前日位からは“高糖質・低脂質”の食事を心掛ける
 ⇒一瞬で勝負が決まるような競技や短時間に終了する競技などにはその必要のないものもあります。
試合当日は、試合開始時刻の3~4時間前からエネルギー補給のための食事(補食)を摂るようにします。この時間は食べたものが消化されて、胃の中は空で、エネルギー源を満タンに蓄えるために必要な時間です。

つまり、“いつ”、“何を”食べるかは、競技の開始時刻から逆算するということです。消化にかかる時間はもちろん量にもよりますが、ごはんやうどんなどでだいたい2~3時間、最初の例に挙げた“ステーキ”や“とんかつ”(肉や揚げ物)では4時間~5時間以上といわれています。これからの季節は、様々な大会や競技会が開催されます。そんな時に大事なことは、「ベストコンディションで試合に臨むためには、開始時間から逆算して、“今”このタイミングで、エネルギー補給(食べる)にふさわしいものは何かを見つける」ことです。

食後すぐに走ってわき腹が痛くなったという経験はありませんか? それもやはり、運動開始時刻と食事の時間の間隔がつかめていないことに繋がります。

食事をする=内臓(消化器官)に血液が優先的に行く

運動を始める=血液が筋肉の方に行く

内臓が消化活動するためには血液が不足の状態になる

わき腹が痛くなる
というのが一般的に言われていることです。(もちろん、もっと正確には、脾臓の収縮が原因という説もあります) 

結論

身体も脳もエネルギー切れになることなく、最大限に練習効果を発揮するためには、エネルギー源としての当日の食事の時間や内容に気を配ることが、“最後の総仕上げ”として実はとても大事です。

朝食は パンとごはん、どちらがおすすめ?

朝食におすすめなのは、ごはんですか? パンですか? という質問もよく受けます。 今回のテーマが“試合日”ということですから、「試合日の朝食は」を念頭に置いてみると、どちらも炭水化物(糖質)を多く含むものですから、本当はしっかり食べられるならどちらでもよいものですが、敢えてお伝えするなら「できれば、ごはんで!」というのが私からのお勧めになります。

理由は
ごはんは〔お米+水〕だけで出来ますが、パンは〔小麦粉+イースト+牛乳+バターなど〕で、試合日の食事の鉄則“炭水化物多め・脂質控え目”に反してしまうことにもなります。
ごはんは米から作られますので“粒食”、パンは小麦粉からなので“粉食”です。粒食の方が血糖値はゆっくり上がって、ゆっくり下がるので、エネルギーが維持しやすいです。
③ごはんに比べてパンに合わせるおかずの方が脂質多めになりやすいです。また、パンに比べてごはんの方がどんなおかずにも合いやすいです。(例えば、納豆など料理しなくて済むおかずでもセットしやすいです)
④パンに比べて、ごはんの方が水分も多く含まれているので、食事からの水分補給にも便利です。

などがあげられます。ただ、一番大事なことは「必ず朝食は食べること!」 そして、次の目標は「バランスも考えること!」です。 

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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