スポーツ栄養学

「運動する人にとっての”たんぱく質”」
今月の話題:たんぱく質源は やはり“魚”より“肉”が人気?!

『肉をたくさん食べて、筋肉をつける!』とか『たんぱく質で体は出来ている!』というような話を耳にしたことはありませんか? では本当にたんぱく質だけが大事な栄養素で、たんぱく質を多く食べたら食べただけ筋肉は大きくなるのでしょうか?

私たちの体の約2/3が水分で構成されていて、水の次に多く含まれているのが“たんぱく質”です。
たんぱく質といえば“筋肉の材料”と思いがちですが、筋肉に限らず内臓、骨、髪の毛、免疫に関わるものなどからだのすべての材料になるもので、体重の15~20%を占めています
ということで、成長期やスポーツをする人にとって、たんぱく質は大事な栄養素です
また、体を動かすエネルギーの素(グリコーゲン)を貯めておく場所は筋肉ですから、大きな筋肉があれば、エネルギーの素もたくさん貯められるわけで、そのことがスポーツをするうえで大事な“スタミナ”にもつながります
ちなみにたんぱく質は、肉、魚、卵、牛乳・乳製品、大豆製品(納豆や豆腐など)に多く含まれています

『ご飯は残しても、おかずはしっかり食べる!』という声をよく耳にします。体づくりや減量など目的は様々でも、ごはんは控えてもたんぱく質はしっかり食べることが多いようですが、“食べすぎ”にも問題があります。体格や年齢などにもよりますが、からだの中で一度に利用できる(代謝できる)たんぱく質は20g程度と言われています。
たんぱく質は、食べたら(摂ったら)食べただけ筋肉になるわけではありません。(グラフ参照)
一度に摂り過ぎたたんぱく質は、体脂肪になってしまったり、場合によっては内臓に負担がかかることもあると言われています。
やはり、大事なことはバランスと適量ということですね。

結論

成長期にあったり、スポーツをしている方々では『たんぱく質は、なるべく多く摂ったほうが良い』と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。
たんぱく質をからだの中で有効に利用するためには、炭水化物もビタミンも欠かせません。つまり『これさえ食べれば、大丈夫!』というものはないので、バランスのとれた食事を摂ることがやはり一番大事ということになります。
(厚生労働省が定めている『食事摂取基準』のたんぱく質について推奨量を性別・年齢別に紹介していますが、アスリートとして運動量が多い場合は少し異なります)

たんぱく質源は やはり“魚”より“肉”が人気?!

本人も保護者も熱心であればあるほど『体づくりに関係するたんぱく質』をしっかり食べることに重きを置いているのが感じられる場面に合うことがよくあります。
そして、小中学生だけでなく高校生にもたんぱく質源としては、“肉”が人気のようです。もちろん、肉にはたんぱく質だけでなく、ビタミンやミネラルなどの栄養素も多く含まれていますし、肉の美味しさ、料理の多様性など魅力もたくさんあります。
ただ、魚の魅力を伝えることの大事さも感じています。『魚が苦手』という理由の多くは『骨があるから…』のようですので、それを上回る“魚の魅力”を伝えたいと思います。
以前、肉が好きだった選手に、肉と魚、それぞれに含まれる脂質の種類の違い、魚に多く含まれるビタミンDの効果の話をしたところ、『もっと早く知りたかった~、知っていれば、魚の骨が気になったとしても、肉にかたよることなく魚も食べる努力をしたのに…』と言われたことがありました。
最近はサプリメントにもなっているDHAやEPA、カルシウムの吸収促進作用や免疫力アップのビタミンD、これらはたんぱく質源として魚を摂り入れることで食品からも摂ることが出来るのです。
魚に慣れるためには缶詰利用も便利ですが、『魚には骨があって当たり前!』と考え、魚を積極的に摂り入れてみましょう!そして、箸で骨を摂る練習⇒手先も器用⇒脳も発達…と一石二鳥ですので取り組んでみませんか?

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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