スポーツ栄養学
「オリンピックを目標に頑張る君へ ~食生活を見直す~」
今月の話題:ご家族の心がけ
あと2年半に迫った東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れた発言を最近よく耳にするようになってきました。
『今の記録が2020年までにさらに良くなるように』とか『2020年がピークになるように』とか… 2020年はもう決して遠い将来ではないようです。
オリンピック出場の夢を実現するには、日々の練習はもちろんのことですが、栄養や休養も含めた三要素で考えることが結果的には早くて、大事なことです。下の図からも分かるように競技成績を上げたり、よい結果を求めるためには、練習はもちろんですが栄養や休養も欠かせないものです。特に成長期の場合には、『この時期にしかできない成長』をないがしろには出来ません。身体がしっかりしてくることで、当然競技結果にも影響は出ますし、成長することで何よりケガをしにくい身体になるのです。
あるプロ野球選手が自身の契約更新時に『試合後のロッカールームには菓子パンではなく、バナナとおにぎりを置いて欲しい』と訴えたこと、またあるプロ野球チームでは『身体を大きくするには、食事が大事!』とプロの選手にも“食育”をしているとか、50歳で現役Jリーガーのカズ選手が『ここまで現役でいられるのは、徹底したトレーニングと食事管理の賜物』と話されるなど、スポーツと食事の関係がいろいろなところで言われています。ただ、スポーツ選手と長く付き合っている栄養士の立場でさらに付け加えるなら、食事に対する考え方や習慣は、実は小さい時の方が無理なく、自然に身に付きやすいものです。以前、あるサッカー選手が『小さい頃に、そういう情報を聞いていたら、ぼくはもっと大きな体になって、すごいサッカー選手になれていたかもしれない』と独り言の様に言っていたことがあります。
結論
『よい食習慣は保護者が贈れる一生の宝物!』スポーツでも、勉強でも、土台になるのは”身体”です。
そして、”身体を作るのは食事”です。さぁ、きょうから“家族は最強のサポーター”を実践しましょう!
ご家族の心がけ
以前、あるサッカー選手の奥様が『サッカーに真剣に取り組んだり、悩んだりしている夫を見ていて、私は夫を応援するために、食べるものや食べるタイミングで協力しようと思った。でも、私はもともとはあまり料理は得意ではないので、今年の目標は料理に関する資格を取ることです』と話して下さったことがありました。これはプロの選手の話ではありますが…
選手の家族として:子どもたちの思いを支える日常生活の見直しポイント
◎食事の時に『肉だけでなく、野菜も食べようね!』という優しい声掛けをする
◎これは作っても食べないから…と好き嫌い克服へのチャレンジをお母さんがあきらめることはしない
栄養学担当者プロフィール
久保田 尚子 先生
順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数
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ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。
講座のお問い合わせ、お申し込み受付はこちらの「ダノン健康栄養財団」ホームページよりご確認ください。