スポーツ栄養学

「傷みにくいお弁当」ってどうすればよいでしょうか?
今月の話題:レモンの魅力!

先日、マラソンの補食で用意されていたおにぎりが傷んでいたというニュースがありました。夏場のお弁当は・・・と思っても、それでもお弁当が必要な場合もあります。そんな時にお役に立つ情報を一緒に考えてみましょう。

お弁当を傷めないコツ POINT 1
雑菌の繁殖を抑えること
“傷む”= 雑菌が繁殖することです。適度な温度・水分・栄養分 ⇒ 雑菌の繁殖を促進してしまう!!
対策 :雑菌の繁殖を抑えることが大事
これからの季節は温度に注意!! ・・・特に、練習時や試合時で炎天下にお弁当を長時間放置する場合 ⇒ なるべく低温で保持できるような工夫が必要
①凍らせた飲み物を保冷剤代わりに利用 ... 冷たい飲み物の準備にもつながるので便利。
②自然解凍で食べられるおかずの利用 ... ※但し、家庭で作ったものは注意。急速冷凍出来たか? 調理過程は衛生的だったか? 更に、自然解凍時に水分が出るとかえって傷みやすくなってしまうので注意。

お弁当を傷めないコツ POINT 2
“冷やしてから”詰めること
対策:水分を抑えることが大事
お弁当は当日作ったものが大原則ですが、熱いうちに詰めると、冷めていくうちに内側に水滴がたまってしまいます。たまった水滴 ⇒ “水分”になるので、冷めてからお弁当に詰めること!
彩で入れることが多い「生野菜」夏場は注意が必要!
①仕切りの役目もかねて使うレタスなどは、夏場は避ける
②トマトもカットしたものはNG,入れるならミニトマト。更に、水分や汚れが残っている可能性のあるヘタは取る!
(※ヘタを取る時に傷をつけるとそこからも水分が出るので傷をつけないよう注意)

結論

雑菌を付けないこと。雑菌が繁殖するのを抑えれば、傷みにくくなります。
鉄則『まずはきれいに手洗いし、材料もしっかり洗う。そして水分はよく拭いて、素手では触らない』

レモンの魅力!

『はちみつレモン』というと昔からスポーツのお供と言った感じがします。そのまま頬張ったり、冷水で割ったり...利用方法は様々ですが、最近は“スポーツ栄養学”に基づいて注目されてきています。KeyWordは“クエン酸”です。

レモンのさわやかな酸味とはちみつの甘みの組み合わせがたまらないという手作りの『はちみつレモン』が最近またブームのようです。
レモンの効果は何といってもクエン酸ですが、クエン酸は運動前に摂ることでパフォーマンスの向上が見られると言われています。
また、運動後にクエン酸とブドウ糖を一緒に摂ることで疲労回復に効果があることも実証されています。(はちみつの糖はブドウ糖と果糖です)また、レモンにはビタミンCが多く含まれている他、最近は“エリオシトリン”というポリフェノールの一種も注目されていますが、どちらも抗酸化作用(=運動で多く発生した活性酸素を除去する働き)が期待されている成分です。
熱い夏を乗り切るために『はちみつレモン』を作ってみませんか?(作る際は、レモンを良く洗い、しっかり水分を拭き取ってから輪切りにして、はちみつに漬けて下さい)

注意※『はちみつレモン』を作られる際は、農薬などの心配のない国産を選ぶようにしましょう。

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

食育セミナー実施中!

ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。

講座のお問い合わせ、お申し込み受付はこちらの「ダノン健康栄養財団」ホームページよりご確認ください。

詳しくはこちら