スポーツ栄養学

果物とスポーツの関係
今月の話題:さんま

インタビューで登場された高瀬選手も活躍されたアジア大会が終わりましたが、“スポーツの秋”はまだまだ継続中です。しかし、“秋”は“実りの秋”でもあります。スーパーの店先にはおいしそうな季節のフルーツがたくさん並んでいます。


バナナがマラソンのエイドポイントで配られることは有名ですが、バナナ以外にもスポーツする上で強い味方になってくれる便利な果物もあります。目的に応じて上手く利用するには、果物の特徴を知っておくのも一つです。主な特徴は次の通りです。

主なフルーツとその特徴
  バナナ ぶどう オレンジ キウイ レモン いちご

エネルギー源になる糖質
(果糖やブドウ糖など)を
多く含んでいる果物

  ○   ○   ○        

有効なエネルギー作りに
関わるクエン酸
を多く含む果物

(○)     ○   ○   ○    

ストレスから身を守ったり
疲労回復に関わる
ビタミンCを多く含む果物

      ○   ○     ○   ○

一言で“果物”と言っても特徴は様々ですのでよく知ったうえで、季節を考慮して上手にスポーツライフに利用できるようにしたいですね!

 

 

『フルーツ ≒ 女性が好きなもの』というイメージがありますが、フルーツはサッカーのみならずスポーツをする上で、強い味方になります。

主な理由

果物にはエネルギー源になる糖質が豊富に含まれていること

特に、多くの果物に含まれているブドウ糖や果糖は、即効性のエネルギー源になり、練習や試合前に便利!

果物のさわやかさにつながるクエン酸やビタミンCが多く含まれている

クエン酸は乳酸を再度エネルギーとして利用するなど大きな役割があり、ビタミンCはコラーゲンの生成に欠かせないことから筋肉の修復にも関わる。

多くの果物は携帯に便利!

いつでも、どこでも食べることができます。

結論

ただ、いつ、どれだけ食べても問題ないかというとそうではありません。運動時の大事なエネルギー源になるが、使われなければ“体脂肪”として蓄えられてしまいます。食べる時間帯と量は、意識する必要があります。

さんま

『秋と言えばさんま!』というように秋の季語でもあるさんまがおいしい季節です。“青魚”の仲間であるさんまには、良質のたんぱく質の他に“DHA”や“EPA”といった“魅力ある成分”も豊富に含まれています。

さんま

“さんま”というとちょっと“大人の魚”というイメージがありますが、成長期の子どもたちにもぜひ食べてほしい魚です。「塩焼き」が定番ですが、最近はおしゃれなイタリアンメニューにも使われていますので、“入門編”として「さんまを知る、食べる!」ことから始めてみましょう。

肉と同様主菜である魚には“魅力”がたくさんあります。一番は“魚の脂質”です。魚の脂質とは体に良いとされるDHAやEPAが代表的な魚の脂肪酸です。DHAは脳をはじめ神経組織に含まれていて、具体的には記憶力や学習能力にも影響を与えると言われています。

また、悪玉コレステロールを減らし善玉コレステロールを増やしたり、虚血性心疾患や高脂血症の予防効果も言われています。

これらの脂肪酸はサンマやサバ、いわしに代表される“青魚”や鮭に多く含まれていますので、大事な事は肉も魚も食べるという食習慣を小さいうちから身に付けていくことです。

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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