最近はスポーツ栄養学がしっかり浸透してきて、試合当日に“敵(ステーキ)に勝つ(とんかつ)!”を目にすることは、さすがになくなりました。そして、試合当日はおかずがいっぱいの豪華なお弁当ではなく、“おにぎりが一番!”もずいぶん定着してきました。

とはいえ、おにぎりならどんなおにぎりでもOKなのか? おにぎりならいつたべても大丈夫なのか? このあたりは“勘違い”もあるようです。その辺りを一緒に考えていきましょう。

改めて、なぜおにぎりが一番?

試合当日に大事なことは、“エネルギー補給”です。日頃の練習成果が、ばてることなくしっかり発揮できるようにするためです。
つまり、極端な言い方をすれば、試合当日の食事は“バランス”よりも“エネルギー源の確保”が優先と考えてください。(ジュニア選手は成長期なので、ふだんはもちろんバランスが大事です!)

おにぎりなら どんなものでも大丈夫?

最近は手作りのおにぎりもそうですが、コンビニのおにぎりでも、おにぎり1個で〔ごはん+おかず〕が摂れるというものも見かけます。忙しい時には、合理的なのかもしれません。
でも、こと試合当日に限って言えば、“エネルギー補給”が第一の目的です。つまり、試合時間から逆算して“消化時間”を視野に入れたおにぎりにしましょう。
食べたものは、消化されて、初めて吸収されるのです。食べたものを栄養素レベルで考えると、炭水化物⇒たんぱく質⇒脂質の順番に消化に時間がかかります。ということは、たんぱく質や脂質の多い豪華なおにぎりは試合日には向かないことが分かります。
つまり、おススメの具は、昔ながらの梅干やおかか、鮭などで、焼き肉やとんかつ、マヨネーズ和えは向かないということです。

いつ食べる?

試合日の“食の守護神”≒ おにぎりでも、消化吸収に時間がかかります。少なくとも、次の試合開始まで1時間以上あることが理想ですが、なかなかそうもいかないことも現実です。スケジュールに余裕があって、おにぎりなどの補食が摂れるときは問題ありませんが、それが無理な時でも“その時に最もふさわしいもの”例えばゼリー状や固形?の栄養補助食品やバナナなどを選んで、水分補給とエネルギー補給の方法をチームのみんなで考えておくことは大事です。

大事なことは?

試合当日の“食事のタイムスケジュール”は、プロの選手でも“キックオフの時間から逆算”が基本です。小中学生のチームの場合も、大まかな時間が分かったらそれに合わせて食事を摂るよう心掛けましょう。

 

結論

1)試合開始の3~4時間前に、主食中心の食事(特に朝食)をしっかりする。併せて、日頃から朝食摂取の習慣をつけておくことが大事です。(※主食;ごはん、お餅、パン、めん類など)

2)お弁当のおにぎりは、合間にも食べられるように、いつもより小さめに作っておく。(個人差はありますが、焼き海苔は食物繊維が多いので、海苔なしのおにぎりもおススメです)

3)おにぎりを握るときにはラップやビニール手袋を使う、焼きおにぎりにするなどの工夫をする。季節によっては傷みやすいので、お米に梅干を入れて炊いたり、ごはんに小さくした梅干を混ぜたり、お酢入りの水を使用してにぎるなど工夫しましょう。

4)“エネルギー補給用の補食”をおにぎりとは別途用意する。時間に追われることもあるので、バナナ、あんぱん、エネルギーゼリーなどを持参する事をおすすめします。

お餅

「お餅~!? お正月に飽きるほど食べたし・・・」と思われる方もあるかと思いますが、たくさんのエネルギーを使うサッカー選手にとって“お餅”は、とても便利な“エネルギー源”です。
サッカー選手の中には冬以外でも試合前に“お餅”を食べる人は多いです。
みなさんは1食にお餅を何個くらい召し上がりますか?
おにぎり2個とお餅3切れが同じくらいのエネルギー量です。(具やお餅に付けるものはなし)
そう考えると、お餅が頼りになるエネルギー源というのが分かりますね!
練習前後の補食としてはもちろん、大事な試合前の食事にも足してみてはいかがでしょうか?

【お餅の食べ方例】

1)焼いたお餅 に合わせるもの
砂糖しょうゆ
きな粉+砂糖
あんこ
すり胡麻入り砂糖しょうゆ
しょうゆ+チーズ+海苔(試合前は食物繊維を控えたい方は、焼き海苔をはぶく)
2)簡単お雑煮
昆布茶+梅干
即席みそ汁(みそ汁の残り)
3)その他
力うどん

栄養学担当者プロフィール

久保田 尚子 先生

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴>JリーグFC東京((トップから育成年代)栄養アドバイザー、女子ソフトボール日本代表(2004年アテネオリンピック支援帯同)など
<主な雑誌連載>月刊誌『サッカークリニック』《勝つための栄養セミナー》等多数

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