優れた「早寝早起き朝ごはん」運動の 推進にかかる文部科学大臣表彰について
文部科学省では、子供たちの健やかな成長のためには適切な運動、調和のとれた食事、十分な休養・睡眠など基本的な生活習慣が大切であることに鑑み、その定着に向けた取組の一層の推進を図ることを目的に、「早寝早起き朝ごはん」運動などの子供の生活習慣づくりに関する活動のうち、その活動内容が特に優れていると認められる活動に対して、文部科学大臣表彰を行っています。この表彰制度は平成24年度に創設し、隔年で実施しています。
令和2年度は、都道府県等より推薦のあった62活動が優れた活動として決定され、当財団の食育プログラム「ごはんだもん!げんきだもん!」も表彰状授与となりましたのでお知らせいたします。
文部科学大臣表彰について
少子化が進むこの時代、生まれた子供が元気に育つことは国にとって大変重要なことです。そのためには子供たちの生活習慣の改善が必要であり、それを端的に表す標語として15年ほど前に「早寝、早起き、朝ご飯」が生まれました。しかし、これを実践するのは、そう容易なことではないと思われます。自分自身の経験でも、夜更かしし、朝はちゃんとした食事をせずに学校に行くということはしばしばあったように思います。また近年は、女性の社会進出が進み、働くお母さんが子供のための朝ごはん作りにたっぷり時間をとることはむずかしくなったと聞きます。その結果として、子供の朝食欠食や栄養バランスの乱れなどが指摘されるケースも増えてきたのではないでしょうか。
そのような課題に対し、いち早く対応した活動の一つが、ダノン健康栄養財団の提案した食育プログラムでした。財団を創立したダノン社がヨーグルトの代表的メーカーであることも幸いしたのでしょう。栄養価の高いヨーグルトを基盤に考案されたバランスの良い朝食メニューなどが財団を通して提案されるようになりました。私自身が感心したのは、「時短レシピ」という短時間で作れる栄養バランスの良い朝食のメニューを作成し、それをインターネットを介して多くの方々に素早く配信する手法でした。ダノン健康栄養財団の食育情報サイト「ごはんだもん!げんきだもん!」は、当初「ごはんダノン、げんきダノン」のもじりとして生まれた?と聞いていますが、年に30万回近くアクセスのある人気サイトとなりました。ここで発信された情報は、多くの保護者の皆さんにとって救いになったのではないかと思います。また、多くの子供さんの食生活改善にも役立ってきたのではないかと思います。食生活(栄養素の摂取)は我々の生存と活動にとって必須のものです。財団のこのような活動は大変価値のあるものだったと言えるでしょう。
大規模災害や感染症により人々の食生活が影響を受け、「災害栄養学」のような学問も生まれてきた現在の社会においても、ダノン健康栄養財団の食育広報活動はさらに重要なものになっていくと思います。今回の文部科学大臣表彰は、財団の長年にわたる地道な活動が評価されたものとして、素直に喜びたいと思います。この活動にご協力頂いた管理栄養士、各ご専門家及び関係者の皆様には感謝の言葉しかありません。
東京大学名誉教授・東京農業大学客員教授
清水 誠(公益財団法人ダノン健康栄養財団 理事長)