今回は、今季から「岐阜のJ1昇格のためにすべてをささげる思い」でJリーグFC岐阜へ移籍されたゴールキーパーの川口能活(かわぐちよしかつ)選手に、サッカー選手としての食への関わりや大切さについてお話しいただきました。 【サカイク-ジュニアサッカー(少年サッカー)の保護者向け情報サイト】

太りやすい体質をコントロールして、栄養バランスを取る!

「プロになってから食生活で気をつけられているのはどんな点ですか?」

「僕は太りやすい体質なので、脂ものは極力控えています。ご飯、パスタなどの炭水化物をメインに、お肉や魚、サラダ、フルーツなどバランスの良い食事をとるように心がけていますね。あとは三食しっかり食べて、間食をしないようにしています。乳製品もとるのですが、無脂肪か低脂肪牛乳を選んで飲んでいます。」

「私も選手には低脂肪牛乳を飲むようにすすめています。飲みなれていない選手からは味がなくておいしくないと言う声が上がることも事もあるのですが、なれてしまえばそっちの方がおいしいと言われる事もあります。こだわりが強い選手は川口選手のように無脂肪を選ぶこともあります。
アスリートにも一ぱんの人も、エネルギー源となる主食は大事なのに、太りやすいからとごはんをひかえる選手もいるなかで、太りやすい体質と言われたにも関わらず、炭水化物、タンパク質をしっかりとるのはさすが川口選手ですね!」

「体重管理をしているんですけど、ある程度、炭水化物をとらないと体重を維持(いじ)できないんですよね。炭水化物をとらないとエネルギーにもなりませんし。」

「一生懸命なお母さんであればあるほど、『私がしてあげられるのは食事でのサポート』という意識が強く、『ご飯は食べなくてもいいから、おかずをしっかり食べなさい』となりがちですが、今の川口選手の言葉は、とても良いメッセージになると思います。」

「ちなみに、乳製品だとヨーグルトは食べられますか?」

「好きですよ。朝食の時にフルーツと一緒に食べるとおいしいですね。家では牛乳ですませてしまうことが多いのですが、遠征(えんせい)のバイキングではよく出てくるので、絶対とりますね。海外に行っても味が変わらないので、安心して食べられるのはうれしいです。」

「ヨーグルトは小腹がすいたときや、スイーツ代わりにも利用できるので、甘いものを食べたいけれど、ちょっと後ろめたい……なんて言うときでもおススメですね!また、牛乳やヨーグルトは、多くの栄養素がふくまれていますが、ビタミンCはふくまれていないと言われています。もし、フレッシュフルーツを一緒に食べるとその弱点もクリアできますね~。」

食事に気をつけていたからこそ、ケガを乗り越えられた。

「栄養の知識はどのように身につけたのですか?」

「最初はトレーナーの方に教わったんですが、実践(じっせん)してみたら身体のキレであったり、脳への伝達であったり、違いを実感しました。」

「“身体の声をきくことは大事!”と言われているように、生活習慣を変えたら、その影響を注意深く見ることはとても大事だと思います。そして、具体的に食事に気をつけることで“差”を実感できたら良いですね!」

「毎朝、ごはんとおみそ汁と魚とサラダを食べていて、それでも足りなかったら、豆腐などタンパク質を一品増やすんですけど、食べないと力がわいてこないんですよね。海外に行った際にその事を話したんですが、『朝からそんなに食べてどうするんだ?』とみんなにビックリされましたが、それ位食べないとダメなんですよ。食べないで練習すると、ケガするかも… …と不安にもなります。夜寝る前と朝起きての体重を比べるとやっぱり落ちているんですよ。(体重が)落ちたまま練習をすると、さらに落ちてしまうので、食事でバランスをとっているイメージですね」

ひさこ先生「すばらしいですね!サッカー選手は選手寿命が短いと言われることもありますが、川口選手が長く現役を続けていらっしゃられるのは、そういった徹底(てってい)した食生活があるからなんですね」

「食事の大切さというのはすごく感じていますね。二回大ケガしても現役にもどれているのは、若いころから食事に気をつかってきたからだと思います。」

海外でもたくわんとみそ汁は必ず食べていました!

「イギリスとデンマークでも食事には気をつけていたのですか?」

「炊飯器(すいはんき)を持っていって、自すいしていました。みそ汁に関しても、イングランドにいた時はロンドンにある日本食のスーパーで買っていましたし、デンマークにいた時もコペンハーゲンにあるアジア系のお店でみそを買っていました。たくわんとみそ汁は必ず食べていましたし、野菜サラダも自分で作ったり、魚も焼いていましたね。お米に関しては一度、現地のお米を試してみたんですが、まったく違うご飯になってしまったので、絶対に日本のお米でないとダメだなと思いました(笑)。」

「試合の日は食生活を変えたりしていますか?」

「13時キックオフの試合でも、絶対に食べますね。朝はごはん、みそ汁にお肉か魚とサラダ、乳製品。あんまりお腹に入ったまま、プレーすると気持ち悪くなるので、試合開始の3~4時間前にとる軽食はおにぎりとバナナなどで、多くは食べません」

「私が選手やジュニア年代の選手や保護者の方に話をする時の大前提は、『試合の日はキックオフの時間から逆算して、食事のスケジュールを立てる!』ということです。川口選手がおっしゃっているように、試合の3~4時間前までにおにぎりやうどんなどの軽食を食べることをすすめています。その上で、途中で空腹感があったら、試合までの時間を見ながら、バナナやあんぱん、またはエネルギーゼリーなどをと摂るようにしたら良いと思います。」

好ききらいなく食べることが、何より大切です!

「食生活やサッカーで子どもたちへアドバイスはありますか?」

「サッカーが上手くなりたい、サッカー選手になりたいという思いがあるなら、何でも好ききらいなく食べることですね。」

「そうですね、私も全く同感です!理由の一つ目は、『食べたものが身体をつくる材料』なので、しっかり食べていれば大きくなれます。二つ目は、『食べたものがエネルギーの素』なので、しっかり食べていればバテずに練習や試合に取り組めますし、つかれの回復も早い。そして、三つ目は、いつ代表に呼ばれて、どこの国に行っても、“何でも食べられる力”は大きな武器だと思うからです。」

「ご自身の経験から、そのために親が出来るサポートとは?」

「僕も子どもがいるのですが、子どもってなかなか野菜を食べられないじゃないですか。僕の母がしてくれたように、カレーの中に野菜を入れたような工夫をしてあげて欲しいですね。7歳になるうちの子もブロッコリーやピーマンが食べられるようになってきました。ピーマンを克服するのは最後かなと思ったのですが、うちの奥さんがいためて食べやすいような味つけをしたら、大好きになって。今は唯一、トマトがダメなので、無理矢理食べさせています(笑)。
一般的に良いと言われる物は子どもに食べさせた方が良いし、苦手な物があれば食べやすい味付けにしてあげるのが大事かなと思います。」

「きらいなものを小さく切るなど調理に工夫をされているお母様も見受けられますが、私は混ぜて分からなくして出すよりも、“食べやすい味付け”にして、嫌いなものでも食べられるよ!と自信をつけて、そして徐々に好きになるようにしていくのが良いのでは?と思っています。その意味でも川口選手のお母様や奥様のような取り組み方は理想的ですね。」

「最後にゴールキーパーの選手にアドバイスをもらいたいのですが、負けた時にば声をあびる事が多く、やめちゃう子が多いと聞きます。長年、キーパーをやられている川口選手はどのような意識でそうした声と向き合っていますか?」

「身長を伸ばしたいというジュニア選手は確かに多いですね。ただ身長に最も影響(えいきょう)を与えるのは“遺伝(いでん)”なのですが、食事や睡眠時間でも大きく関わると言われています。」

「子どもの時に、一つ上の学年のチームでキーパーをやっていたのですが、点をとられたら、上級生に『へぼキーパー』とか、『やめちまえ』とよく言われていました。イヤな思いというより、サッカーを楽しんでいた思い出があるし、自分も言い返していたんですよね。言われて落ち込むんではなく、『俺だってやっているんだから、お前らもやれ!』と言い返すような強い気持ちが大事だと思います。思っているだけじゃなく、言い返しても良いと僕は思いますよ。」

選手&チームのご紹介

川口能活

9歳からサッカーを始め、小学校4年生の頃から本格的にG Kとしてプレー。清水商業高校3年時には全国高校サッカー選手権で日本一になるなど輝かしい学生生活を送る。横浜マリノス入団後も2年目からスタメンの座を掴み、新人王を受賞し、五輪代表、フル代表も経験した。イングランドとデンマークでのプレー経験も持つ。

【FC岐阜】
2001年4月に設立。
チーム発足後、2002年に運営母体となるスティックルバック・スポーツクラブ(SSC/大垣市)が結成され、全国でも珍しい総合地域型スポーツクラブを目指して、特定非営利法人(NPO)として活動を始めた。

その後、株式会社岐阜フットボールクラブが設立され、2007年に日本フットボールリーグ(JFL)に昇格すると、3位以内に入り、Jリーグへの昇格を決めた。 2008年より、念願のJリーグディビジョン2での戦いが始まり、Jリーグディヴィジョン1への昇格に向けて、新たな挑戦が始まった。

公式サイト:http://www.fc-gifu.com/

編集部より

色紙に書かれた言葉は「苦は楽の種」。数々の苦労をしながら、今まで活やくし続けてきた川口選手だからこその言葉だと思います。 ためになるお話、ありがとうございました!
川口能活選手のインタビューは、こちらでもお楽しみいただけます。
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