元バレーボール日本代表で活躍した山本隆弘選手は、バレーボール界でのプロ第一号選手でもあります。 厳しい環境のなか、どのようなトレーニングをしてきたのか。また二人の子どもを持つ父親として、「ごはん」にどのような思いを持っているのかを、じっくりとうかがいました!

あえて厳しい環境に自分をおいて、日本人初のプロバレーボール選手に。

「山本さんは、バレーボールのプロ第一号選手なんですよね。なぜプロになろうと思ったのですか?」

「バレーボールは基本的にアマチュアスポーツなんですよ。社会人選手は、午前中は会社で仕事をして、午後からトレーニングをする。でもそれだと、十分なトレーニングができない。そこで僕は会社に話をして、プロとして契約してもらったんです。日本のバレーボール界では、僕がプロ一号。社会人選手はケガをしたり引退しても、会社の保障があるけれど、プロにはない。そこまで自分を追い込んだほうがいい結果につながるし、自分にはそれが必要だと感じたんです。」

ひさこ先生「実業団チームには、プロ選手と社員選手が混在している場合がありますが、プロ選手は特に、自己管理が求められますね。その点で、プロ契約をしたことが今の山本さんを作られたように感じます。」

「それは自分でもすごく感じます。現役を引退してまもなく1年経ちますが、これからはセカンドキャリアである程度の“道”を作って、これからバレーのプロ選手になりたいという選手たちに示していかないといけないな、と思ってますよ。現役中はいいけれど、引退後に何もやることがないとなると、プロ志望の選手がいなくなってしまいますから。」

「引退後に体がボロボロでは、セカンドキャリアも始まりませんからね。本当に、体は一生の資本ですね。」

海外では、現地の食事を美味しく食べるのが基本!

「海外遠征(えんせい)の機会が多かったと思いますが、海外での食事はどうしていましたか?」

「基本的に、現地の食事を美味しく食べます。日本から特に何かを持っていく、ということはありません。現地のものをしっかり食べて自分の身体を作る、というのがアスリートには必要。だからアスリートは、好ききらいがない方がいいですね。」

「海外選手は、食事に気をつけている人が多いですか?」

「いや、めっちゃ適当です(笑)。コーラなどの炭酸飲料を飲んで、炭水化物のパスタを食べて大きな肉を食べる。バイキングスタイルだと、自分の好きなものばかり食べる選手が多いですね。でも、人種によって体格が違いますし、そのあたりは気にしてませんでした。」

「オリンピックの選手村にファストフード店があるように、国によって体格も食習慣も違うのは確かですね。ただ、スポーツ栄養学は日本だけが進んでいるわけではなく、“スポーツ栄養学先進国”と言われる国もあります。
山本さんのおっしゃったように、人種が違えば体格も違いますから、一概(いちがい)には言えませんね。」

「バランスよく食べる」「会話をする」が山本家のルール!

「山本さんには4歳と1歳、二人のおじょうさんがいらっしゃいますが、父親として子どもの食生活で気をつけていることはありますか?」

「なんでもバランスよく食べることですね。ごはんばかり食べたがるなら、先に野菜を食べるようにうながすとか。」

「お子さんたちは、好ききらいはありませんか?」

「苦手なものはありますが、最近はよく食べるようになってきましたね。僕は、好ききらいは工夫次第で無くしていけると思っているんです。たとえば、娘はネギが苦手で、“ネギのネバネバした感じ”がイヤだった。だからネバネバ感が無くなるくらいまで煮込んでみたら、食べられたんですよ。きらいな食べ物は、どこが苦手なのか、食感なのか、香りなのか、それを理解しておけば、それを無くすような調理法を工夫できる。
あとは、親がなんでも美味しく食べる姿を、子どもに見せることが必要なんじゃないかな。親が苦手なものは、子どもも食べませんからね。」

「なるほど。そのほかに、“食事の時のルール”はありますか?」

「会話をすることです。テレビは付けない。今はコミュニケーションを取れてない家庭が多いと聞きますが、そうならないように、たくさん話しをします。」

「それは何よりですね。大切なことだと思います。」

小さな目標を達成し続けることで、大きな夢に挑戦できる。

「最後に、子どもたちにメッセージをお願いします。」

「まずは、よく遊ぶこと。好ききらいをせずになんでも食べること。そして、目標を持つこと。
大きな夢でなくても、まずは毎日クリアできるような小さな目標を持ってほしいですね。目標をクリアできなければ、『何がダメだったのか』を考えられるし、どうすれば失敗しないかを学ぶキッカケになる。そういう習慣を持つことで、大きな壁にぶつかったときに、“乗り越える感覚”が身に付くと思います。」

「では、子どもたちを支える親に向けて、アドバイスはありますか?」

「子どもの話を、よく聞いてほしい。もちろん、時には怒ることも必要だと思います。でも頭ごなしに怒られると、子どもがどういう考えを持っているか言えなくなってしまう。ふだんからちゃんと子どもの話を聞いて、コミュニケーションを取っていれば、子どもが何か目標を持った時に相談しやすくなるんじゃないでしょうか。親子には、何よりコミュニケーションが必要です!」

取材日:2014年2月26日

選手&チームのご紹介

山本隆弘

鳥取県鳥取市出身。中学2年生からバレーボールをはじめ、鳥取県立鳥取商業高校を卒業後、日本体育大学体育学部体育学科に進学。パナソニック・パンサーズに所属し、バレーボール界ではプロ第一号選手となった。「世界が認めたニッポンの大砲」として、日本代表チームで活躍し、2008年北京オリンピックに出場。2013年シーズンで現役を引退し、2014年1月よりVリーグの排球大使(アンバサダー)に就任。現在は解説者、タレントとして活躍中。

オフィシャルブログ「志」
http://ameblo.jp/takahirokokorozashi/

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編集部より

色紙とボールに書かれたメッセージは、ご自身のブログのタイトルにもなっている「志」という言葉。「志を持ち続けていれば、どれだけ回り道をしてもそこにたどり着けると思います。」と力強いメッセージをいただきました。 ところで、ペンを持つ山本さんの手に注目! サウスポーの山本さんですが、ペンを持つのは右手なんです。実は、子どもの時は左利きだったのを、右利きに直したんだそう。しかしスポーツマンだったお父様の意見で、ボールを投げるのと打つのは、左のままに残したとか。意外な発見でした! 解説者としての活動のほか、今後は小学生の大会をプロデュースする予定があるという山本さん。今後の活やくを応えんしています!

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