小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

なぜ朝食で体温が上がるの?中学校 生徒より

なぜ朝食で体温が上がるのですか?

食事をしたら、なんだか体がポカポカしてきた……そんな経験をしたことはありませんか?
口から入った食べ物は胃や小腸で小さく分解され(消化)、その中に含まれている栄養素が小腸で吸収されます。私たちが食べ物を食べると、胃腸はそれを消化・吸収するために動き始めるのです。運動をすると、体が温かくなりますよね。それは、運動によってエネルギー(カロリー)を消費した時に熱が作られるためです。それと同じように、胃腸が動く時にもエネルギーを消費し、熱が作られます。食事をすると体温が上がるのは、そのためです。

と、ここまで読んで気づいた方もいらっしゃるかと思いますが、「食事をすると体温が上がる」ということは、朝食だけでなく昼食や夕食も体温を上げる作用があるということです。しかし、その作用は、朝が一番強く働くと言われています。

寝ている間“お休みモード”になっていた体を“活動モード”に切り替えるためには、寝ている間に下がっていた体温を十分に上げる必要があります。朝食を食べるとスイッチは“活動モード”に切り替わり、私たちの体は元気に1日を過ごすための準備が整います。

部活の朝練などもあるかもしれませんが、早寝・早起きを心がけるなどして、朝の時間に余裕を持ち、しっかりと朝食を食べてから学校に行くようにしたいですね!

体温を上げるためには朝食でどんなものを食べると良い?小学校 保護者より

体温を上げるためには朝食でどんなものを食べると良いのでしょうか。

前の質問でもお伝えした通り、食事をすると、消化・吸収などにエネルギーを消費し、熱を作りだすため、体温が上がります。食べ物に含まれる栄養素の中で、エネルギーのもととなる栄養素は「炭水化物」「たんぱく質」「脂質」の3つですが、そのうちのどの栄養素をとるかによって、消化・吸収によるエネルギー消費量は変わってきます。

具体的には、炭水化物だけをとった時には摂取エネルギーの約6%、脂質だけをとった時には摂取エネルギーの約4%、たんぱく質だけをとった時には摂取エネルギーの約30%が消費されると言われています()。

つまり、たんぱく質が最も体温を上げる作用が強いということです。たんぱく質を多く含む食べ物には、肉、魚、卵、大豆・大豆製品などがあります。体温を上げるためには、これらの食べ物を朝食に取り入れるようにしたいですね。

※ 私たちが食べている食べ物の中には色々な栄養素が混ざり合っていることから、通常の食事ではエネルギーの約10%が消化・吸収によって消費されると考えられています。

ただ、1つ注意したいことは、体温を上げる作用が強いからといって、たんぱく質を多く含む食品ばかりをたくさん食べれば良いというわけではない、ということです。

なぜなら、それによって食事全体の栄養バランスがくずれてしまう可能性があるからです。たんぱく質だけでなく、体の中で分解されて脳の主なエネルギー源として利用される炭水化物(ご飯、パンなどに多く含まれる)や、体の調子を整える働きのあるビタミン・ミネラル(野菜などに多く含まれる)も、朝にしっかりとりたい栄養素です。

以上をまとめると……体温を上げるために朝食に取り入れたいのは、たんぱく質を多く含む肉、魚、卵、大豆・大豆製品!ただし、食事全体の栄養バランスも考えて!ということになりますね。主食・主菜・副菜の量をだいたい3:1:2とすると、栄養バランスが整うと言われています。体温をしっかり上げて、体や脳にもしっかりとエネルギー補給できるパワフルな朝食で、元気に1日をスタートしましょう!

食育Q&A担当者プロフィール

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

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