小学校の高学年の児童に『嫌いなもの』を聞く機会がありました。なんと『なす、レタス、トマト・・・』と連続5名が“野菜嫌い”でした。今までも“野菜嫌い”が話題になることはありましたが、“野菜”の魅力を伝えることは出来ないかな?と改めて思いました。
日本は四季に恵まれているため、様々な食物からも季節を感じることが出来ると言われていましたが、最近は栽培技術や海外からの輸入も含めた輸送技術も上達していることから、多くの野菜は一年中スーパーでも目にすることが出来るようになってきました。様々なものが、いつでも手ごろな価格で手に入ることは嬉しいことでもありますが、反面“旬”を忘れてしまうことにもつながります。
一年中目にする野菜の代表的なものにトマトやキュウリのほかにニラやカボチャがありますが、実はこれらの野菜の“旬”は夏です。そして、これらの野菜には夏にしっかり摂りたい栄養素のビタミンCやβ-カロテン、カリウムなどが多く含まれるだけでなく、水分も摂れる野菜です。 *ビタミンCやβ-カロテン・・・活性酸素を除去する働きがある。(※活性酸素とはいわゆる酸素とは違います。だれの体内にもあるのですが、増えすぎることによって体内に錆を生じさせるなど“悪さ”をします) *カリウム・・・エネルギー作りに働いたり、筋肉の収縮にも関わる大事な栄養素。不足がちの上、汗と共に失われることもあるので、特に夏にはしっかり摂りたい栄養素です。 その他栄養素ではないのですが、様々な機能成分 “ポリフェノール”や”リコペン” なども多く含まれています。
野菜に限らず“旬”のものはおいしいだけでなく、栄養素も豊富に含まれています。
ぜひ、美味しい“旬”に、栄養も意識して『野菜嫌い』を少しずつ克服出来たら良いですね!
グリーンアスパラガス
美味しいだけでなく、おしゃれで栄養的な価値のある料理が注目されていますが、そんな注文に対応できる素材の一つが“グリーンアスパラ”ではないでしょうか? 最近テレビの特集でも扱われることも多く、人気の食品です。
グリーンアスパラがなぜ注目されるのか、栄養学的に見てみましょう。
グリーンアスパラは野菜ですからビタミン類も含まれていますが、注目されているのはアスパラギン酸とルチンです。
アスパラギン酸…アスパラガスから発見されたアミノ酸で、アミノ酸発見の第1号。(アミノ酸はたんぱく質の構成単位)
働き:エネルギー作りに関わることのほか、最近は疲労回復効果やスタミナ増強、イライラ解消効果もあると言われている。
ルチン…“ビタミン様物質”※と言われ、ビタミンCの吸収を高めるほか毛細血管を強くする働きも言われいます。
(※ビタミンCの研究中に発見されたビタミン様物質で、ビタミンPの一種)
グリーンアスパラガスの有効成分は水溶性のものが多いので、下茹でなしで直接調理する(アスパラの肉巻きや蒸し焼きなど)のもおススメです。
久保田尚子先生 プロフィール
順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴> | <主な雑誌連載> |
女子ソフトボール日本代表 | 月刊誌『サッカークリニック』 |
(2004年アテネオリンピック支援帯同) | 《勝つための栄養セミナー》等多数 |
JリーグFC東京(トップから育成年代) |