今年はインフルエンザの流行も早かったようですが、同じ環境下で罹(かか)る人と罹らない人がいる、この違いは何か?
それに関わるものの一つが”免疫力”です。実はその免疫力アップには”食事”も大きく関わっています。
寒さに負けず外で元気に活動するためには、風邪をひかずに過ごすこと!
“風邪をひきにくいカラダ”でいるためには、日頃の生活習慣が影響しますが、特に“食事の摂り方”、“食習慣”は、免疫力に大きく関係すると言われています。
免疫力アップのために
朝食をしっかり食べる ⇒ “低体温”にならない ⇒ 免疫力アップ
“バランスのとれた食事” ⇒ 免疫力アップ
免疫力アップに関係していると言われている栄養素
①ビタミンA(β-カロテン):レバーや緑黄色野菜に多く含まれている
体内へのウイルス侵入口となるのどや鼻の粘膜強化の働き
②ビタミンC:緑黄色野菜や果物、いも類に多く含まれている
白血球の働きを強化したり、コラーゲン生成に関わることから粘膜強化にもつながる
③β-グルカン:健康食品などのキノコだけでなく、β-グルカン自体(ブドウ糖が特別の結合をしたもの)はしいたけやしめじ、まいたけなどにも含まれている。
免疫細胞と言われる白血球の中のマクロファージ、リンパ球を刺激して活性を高め、ウイルスなどから体を守ってくれる働き
④乳酸菌:ヨーグルト、乳酸飲料、キムチなどに含まれている(インフルエンザの流行った時期にスーパーでヨーグルトが品切れ状態になったことも。)
有害な菌に抵抗する物質を作って、抵抗力を強くしたり、感染防御作用があることも明らかにされています。
免疫力を高める効果が言われている栄養素や栄養成分などをご紹介しましたが、どれも薬ではないので即効性が期待できるものではありません。
改めて、様々な食品を毎日の食事でバランスよく摂っていくことが大事ということでしょうか?
ネバネバ食品
めかぶ、もずくのほかに、ここ数年メディアでも取り上げられることが多いガゴメ昆布…ネバネバ食品といわれるものは、けっこう身近にあるものですね!
海藻類のネバネバ成分は“フコイダン”と呼ばれ、人間の免疫力に関わることが様々な研究で示されています。
免疫力が注目されているネバネバ成分“フコイダン”は、海藻の中でも昆布、わかめ、もずくなどの褐藻(かっそう)類だけに含まれているもので、免疫力アップが言われています。海藻由来のネバネバ成分をしっかり摂ることで、インフルエンザやノロウイルスだけでなく、普通の風邪にも罹(かか)りにくいと言われています。また、フコダインは肝機能アップの作用もあると言われていますが、肝臓は『化学工場』と言われるほど、人間にとって重要な内臓です。ことアスリートにとってはからだ作りにも関わるので、魅力のある食品なはずです。将来、“筋トレ”等する頃になって、慌ててサプリメントの準備をするよりも、フコダインを多く含む褐藻類もふだんの食卓にある、そんな『バランスのとれた食事』で風邪知らずの冬をお過ごしください。
少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。
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普段仕事で帰宅が遅くなり、⼿の込んだ料理を作ったり、家庭の味が伝承できません。 |
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“家庭の味”はとても⼤事ですが、無理することはありません。それに、『これが家庭の味!』というのが決まっているわけではないので、お⼦様と⼀緒にこれから“我が家の味”を作っていらして構わないと思います。 固定概念にとらわれないスピードを⼤事にしたときにもできる“家庭の味”、みんなで作る“家庭の味”…『我が家流“家庭の味”』⾒つけてみませんか? |
久保田尚子先生 プロフィール
順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴> | <主な雑誌連載> |
女子ソフトボール日本代表 | 月刊誌『サッカークリニック』 |
(2004年アテネオリンピック支援帯同) | 《勝つための栄養セミナー》等多数 |
JリーグFC東京(トップから育成年代) |