『今年は練習頑張って、レギュラー獲得!』という目標を立てていらっしゃるご家庭も多いかと思いますが、『練習と同じくらい大事な食事について、まずは好き嫌いをなくすように頑張ろう!』、あるいは保護者の立場で『練習への口出しよりも、食事についてはどこにも負けないサポートしよう!』など親子で新年の食に関する目標も立ててみませんか?
先日、ある団体の栄養講習会に“聴衆の一人”として参加しました。その団体は会員数200名近いのですが、その会の参加者はなんと10名余でした。スポーツをする上で大事な三要素として、『《練習》と同様に《栄養》と《休養》は欠かせないもの』であることはずいぶん浸透してきていると思っていたのですが、参加者の少ないことに少し悲しい気持ちになりました。もちろん、様々なところでの情報提供もありますし、参加者数だけで単純な評価は出来ないと思いますが、『練習を頑張ろう!』という一年の計と一緒に、改めて食事の大切さについても家族みんなで確認しあう年にして欲しいと改めて思います。
具体的な目標は、各ご家庭毎の現状に応じて“親子”で相談して決めて頂ければ良いのですが、最優先は“朝食喫食”です。
ある市で今までは“朝食”の仲間に入っていなかった“菓子パン”を“朝食”として容認する方向、という記事を読みました。ここで大事なことは、『菓子パンを推奨しているわけではなく、とにかく“何か”食べよう!』ということです。あくまでも『菓子パンの容認』は、次なる目標『栄養バランスを考えた朝食を摂る』にステップアップするための手段と考えます。
”健康の源”ともいえる朝食、一生の宝ともいえる朝食喫食の習慣は、小さいうちから培うことが大切です。
一年の始まりに『食べたものがエネルギーの素!』、『食べたもので身体は作られる!』このことを改めて意識して、アスリートとして良い結果につながる大事な3原則 運動・栄養・休養 のどれもしっかり守れるようにしましょう。
みかんの力
消費者庁が『静岡県JAみっかび』が出していた温州ミカンの機能性表示食品の届け出を受理したことにより、2015年11月から生鮮食品として初めて『“βクリプトキサンチン”が骨の健康に良い』ということが外箱に表示できるようになりました。
今までも温州みかんは、β-カロテンやビタミンCが多く含まれているので風邪予防に効果があると言われていました。そして2015年からは、“βクリプトキサンチン”(かんきつ類に特徴的に含まれているカロチノイド)が『骨の健康に良い』ということで注目され、さらに肝機能障害や酸化ストレスにも有効と言われています。
『みかんが黄色くなると医者が青くなる』と言われるのも納得ですね。ただ、どんなに有効な食品でも、やはり摂り過ぎには注意が必要です。
例えばみかんに含まれる“果糖”は、エネルギー源として利用されなければ体脂肪に変換されやすいという特徴もあります。
やはり大事なことは、何かに偏らないように、バランスを考えて食べることが大事です。
少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。
「朝食」で水分を摂るには、パンよりごはんの方が望ましいでしょうか? | |
ごはんとパンを比べると、確かにごはんの方が水分は多いです。ただ、パンの場合もスープや牛乳を付けたり、水分の多い野菜をメニューに入れることで、水分補給にも使えます。水分補給のことだけでなく、先ずは“朝食を食べる!”からスタートして、準備や好みも含めどちらの方が摂りやすいか?なども考えてみましょう。 ただ、敢えて言うと、和食の方がどんな“おかず”にでも合わせやすかったり、脂質を控えやすいので、『子どもは和食が好きじゃないから』と思わずに、和食の魅力も伝えてあげられるような“食環境”を作っていきたいですね。 |
久保田尚子先生 プロフィール
順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴> | <主な雑誌連載> |
女子ソフトボール日本代表 | 月刊誌『サッカークリニック』 |
(2004年アテネオリンピック支援帯同) | 《勝つための栄養セミナー》等多数 |
JリーグFC東京(トップから育成年代) |