編集部:「大学を卒業して、すぐこちらのチームに入られたのですか?」
東長濱選手:「新卒で、最初の2年間は社員として午前働いて午後からハンドボールをして、3年目からプロ契約をしました。今年でプロ3年目です。」
編集部:「プロになって、変わったことはありますか?」
東長濱選手:「時間の使い方が変わりました。仕事が無い分、自分の時間として使えるので。食事や健康面は自己管理になるので、そこの意識が変わりましたね。」
編集部:「何時間くらい練習しているのですか?」
東長濱選手:「今は合宿中で、午前中2時間半、午後から2時間半で1日5時間くらい。ふだんは2時間半から3時間くらいです。」
編集部:「食事指導や栄養管理は受けていますか?」
東長濱選手:「チームに栄養大の人達が来て、栄養管理をしています。食べているものに関して何が足りないとか、こうしたら良いというアドバイスをしてくれます。シーズンオフの時や試合の時に食事の記録をとって、それに対してケースバイケースで指導をしてくれます。身体を大きくしたかったらどういう食事をしたら良いだとか、試合後の疲労回復にはどういうものをとれば良いとか。
栄養指導を受けられるのは良いですね。自分は線が細いので体重を増やしたいんだけれど、筋肉量を増やしたい、脂肪はつけたくないと伝えて指導してもらいました。全体的な量が少ないみたいです。」
伊藤先生:「脂肪はあまりとらないようにしつつ、タンパク質をしっかりとるようにしないといけないですね。たとえばお肉はササミにしたり、豚肉でもアブラ身の少ない部位にしたりとか。」
編集部:「海外遠征(えんせい)などでの食事はいかがですか?」
東長濱選手:「高校や大学の頃とかは食事が合わなくて、食べられるものだけしか食べなかったり、持って行ったものを食べたり大変でしたね。最初に行った時は体重5キロくらい落ちちゃいました。
今はそんなことなくなりましたね。全日本の遠征ではアジア方面が多く、タイやサウジアラビアに行きましたが、そう困らなかったです。長期の時はご飯とかレトルト食品を持ち込みますし。」
編集部:「胃腸は丈夫なほうですか?」
東長濱選手:「そうだと思います。健康だし、大きな病気をしたこともありません。」
伊藤先生:「子どものころからずっとしっかり食べてきたので、ケガをしない強いからだが作られたのでしょうね。」
編集部:「では、管理栄養士の伊藤先生にご質問はありますか?」
東長濱選手:「今も体重増やそうと思っているのですが、結構おそい時間に食べてしまうんです。」
伊藤先生:「夜おそい時間は、人間は眠る方向に身体の動きが働いていくので、代謝の働きも落ちていく。だから胃に負担がかかる重たいものを食べてすぐ眠ると、次の朝の胃もたれにつながって食欲がなくなる、という悪循環(あくじゅんかん)になります。消化に時間のかかるものはさけたいですね。」
東長濱選手:「夜はアブラっぽいものは食べないので、とり肉やサラダを食べています。」
伊藤先生:「食べて3時間以上は空けてから寝るのが好ましいです。ただ睡眠時間が減ってしまっても良くないので、難しいですね。寝る時間を優先して、しっかりつかれを取ることも大事だと思います。夕食が遅くなりそうだったら、食事の一部だけでも夕方に食べられたら良いと思います。」
東長濱選手:「へえ、分けて食べていいんですか?」
伊藤先生:「“分食”という方法です。ご飯だけでも夕方に食べておいて、帰ったら軽めのおかずを食べると胃の負担も軽減されます。」
編集部:「最後に、子どもたちにメッセージをお願いします。」
東長濱選手:「自分はハンドボールしかやっていませんでしたが、子どものころは色々なこと、様々なスポーツをした方が良いと思います。一つの事に打ち込む事も良いとは思いますが、色々な経験してほしいですね。その中で、自分が一番やりたいことを早めに見つけてほしいです。」
編集部:「保護者の方にアドバイスをお願いします。」
東長濱選手:「うちはハンドボール一家だったんですが、まわりの人も家族ぐるみで応援してくれた。試合の後に色々言われたりもしましたが、やはり応援して見守ってくれると力になります。子どもはしっかりと見守ってあげてください。」
1987年11月21日生まれ、沖縄県出身。186cm・80kg。日本大育大学卒業後、2010年大崎電気入り。右バックから左サイドへのパス回しによる、大きな展開を得意とし、日本代表として活躍。第3回社会人ハンドボール選手権大会ベストセブン選出、ロンドンオリンピック世界最終予選、第15回男子アジア選手権、第68回国体埼玉出場。兄は、琉球コラソンの東長濱秀作選手。
1960年の創部以来、日本リーグ2回、全日本総合10回、全日本実業団は不滅の10連覇を含む15回、新設の全日本社会人で1回、国民体育大会も19回の優勝を飾るなど、つねに日本ハンドボール界をリード。
チームのセカンドネームは「OSAKI OSOL」で、「OSOL(オーソル)」は、イタリア語で「地球の核」を意味する。埼玉県入間郡三芳町を本拠地としている。
公式サイト:http://www.osaki-osol.net/