食育Q&A

「ビタミンにはどんな種類がある?」 「ビタミンCをしっかりとる方法は?」

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。

そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

ビタミンにはどんな種類がある?中学校 生徒より

ビタミンにはどんな種類がありますか?

ビタミンは現時点では全部で13種類あります。

すべて挙げると①ビタミンA ②ビタミンD ③ビタミンE ④ビタミンK ⑤ビタミンB1 ⑥ビタミンB2 ⑦ナイアシン ⑧ビタミンB6 ⑨ビタミンB12 ⑩葉酸 ⑪パントテン酸 ⑫ビオチン ⑬ビタミンC となります。
みなさんは、いくつ知っていましたか?

この13種類のうち、①~④は油に溶ける性質があることから「脂溶性ビタミン」、⑤~⑬は水に溶ける性質があることから「水溶性ビタミン」と呼ばれています。

ビタミンの役割は「体の調子を整えること」です。

私たちの体の中では、様々な化学反応が行われています。例えば、“食べたものに含まれる栄養素からエネルギーを作り出す”というのも、複雑な化学反応によって行われることなのです。

ビタミンは、わずかな量でそれらの反応にとって重要な働きをする物質です。機械などがスムーズに動くために潤滑油が必要なように、ビタミンが足りなければ、それらの反応はスムーズに行われず、体の調子が悪くなってしまいます。

ところが、私たちの体は自分でビタミンを作り出すことができません。つまり、食べ物からビタミンをとらなければいけないということです。ビタミンAならレバーやウナギ、緑黄色野菜など、ビタミンEならナッツや植物油など……というように、ビタミンの種類によって多く含む食品も異なります。

13種類のビタミンを毎日の食事から過不足なくとるためにも、バランスの良い食事を心がけたいですね♪

ビタミンCをしっかりとる方法は?中学校 生徒より

ビタミンCをしっかりとる方法はありますか?

皮膚や骨などを丈夫に保ったり、病気などに負けない強い体をつくったりするのに必要なビタミンであるビタミンC は、野菜や果物などに多く含まれています。

① 調理によってビタミンCが減るのを防ごう!

ビタミンCは水に溶けやすいため、「水にさらす」「ゆでる」などによって、量が減ってしまいます。そのため、生で食べられる野菜や果物は、ビタミンCをとるのにはもってこいです。加熱して食べる場合には、「ゆでる」よりも「蒸す」「炒める」などの調理法がオススメです。また、同じ「ゆでる」でも、細かく切ってゆでるほど、そして長くゆでるほど、ビタミンCはゆで汁に流れ出てしまいます。ゆでる場合は、切らずに(または大き目に切って)、できるだけ短時間でゆでるのがポイントです。

② 旬の野菜・果物を楽しもう!

例えば、ほうれん草は冬が旬の野菜ですが、冬にとれたほうれん草は、夏にとれたほうれん草に比べて3倍のビタミンCを含んでいるというデータがあります。おいしい旬の野菜・果物を楽しむことは、ビタミンCをたっぷりとることにもつながります!

③ 捨ててしまいがちな部分に意外と多く含まれている!?

長ネギでは、白い部分よりも緑色の部分の方がビタミンCを多く含んでいます。また、大根やかぶでは、根の部分(白いところ)よりも大根の葉やかぶの葉にビタミンCが多く含まれています。大根などでは葉がカットされて売られていることも多いですが、葉つきのものであれば葉も無駄なく食べてくださいね!炒め物にしてもおいしいですよ。

ちなみに、ストレスがかかると体内でビタミンCが多く使われると言われています。ビタミンCをしっかりとることだけでなく、十分な睡眠をとるなどストレスをためない生活を心がけたいですね!

参考:調理のためのベーシックデータ第5版(女子栄養大学出版部)

食育Q&A担当者プロフィール

伊藤 真理子(いとう まりこ)

1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

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ダノン健康栄養財団では、子どもから大人まで、幅広い年齢層に正しい食生活、生活習慣の知識を身につけてもらえるよう、小・中学校などの教育現場で「食育出前授業」やスポーツチーム向けの「スポーツ栄養学講座」を行っています。

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