まりこ先生の食育出前授業 Q&A

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。

そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

眠くなってしまいます

小食で食に興味のない子を食べさせるにはどうすれば良いですか?

Aさん

成長期のお子さんが小食だと「大丈夫かな!?」と気になってしまいますよね。それに「せっかく作った食事を食べてくれない」と、ご家族がイライラしてしまわないかも心配です・・・。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/pdf/shokujiguide.pdf
保育所における食事の提供ガイドライン 7ページ

なお、少食だからこそ、普段の食事は質(栄養バランス)をより意識したいところです。たくさんの食材をとりいれて、少ししか食べなかったとしても色々な種類の栄養素が体に入るようにしましょう!
でも、お子さんの「食べたい!」を発動できたら、それが何よりですよね!規則正しい生活リズムや、しっかり体を動かすことを心がけると、お腹がすいた状態で食事を迎えることにつながります。おやつやジュース等のとりすぎが食欲に影響することもあるので、思い当たる場合はそこを改善してみても良いでしょう。

お子さんに、料理や盛り付けに関わってもらうのもオススメです。一緒に食事の準備をしながら「これを食べると体が元気に大きくなるんだよ!」など、食べ物について教えてあげてみてはいかがでしょうか。そのようなコミュニケーションが食への興味や「食べたい!」につながるかもしれません。食べるときも、テレビなどをつけずに、一緒にテーブルについていろんな話をしながら楽しい食卓にできると良いですね。

そういえば、私が子どものころ、母が作るオムライスの中には時々うずらのゆで卵が入っていました。「今日のオムライスには宝物が入っているよ!」と言われ、わくわくしながら食べ進めた記憶があります。もしかしたら、こんな遊び心も食べる楽しみにつながるのかもしれませんね。

太りにくくおすすめの食べ物は?

太りにくくて栄養がしっかりとれるおすすめの食べ物はありますか?

Bさん

太りにくくて栄養がしっかりとれる夢のような食材、それは・・・。
・・・お答えしたいのですが、ごめんなさい、これについてはハッキリと答えることができません。なぜなら、その食べ物によって特徴的に含まれる栄養素が異なるため「栄養がしっかりとれる(=体に必要な栄養をまんべんなくとれる)」を1つの食べ物で叶えることはできないからです。

この図を見るとわかるように、どの食べ物も「大事」ではあるけれど「カンペキ」ではないのです。主食・主菜・副菜をそろえた食事こそが、栄養をしっかりととるための一番シンプルな方法と言えるのではないでしょうか。
よくテレビ番組などでも、特定の食べ物についてその素晴らしさが取り上げられていますが、それさえ食べていれば健康でいられるわけではなく、「うまく取り入れたらより健康効果が期待できる」というふうに捉えた方がよいと思います。基本的に「これさえ食べればOK」な食べ物はなく、食べ物を組み合わせた「食事」として必要な栄養素をまんべんなくとることを考える必要があります。その中で、太りにくさ(=カロリーが過剰にならないこと)を考えていくことがポイントになるでしょう。例えば、次の図を見てください。

同じ「肉」の仲間でも、何を選ぶかでずいぶんカロリーが変わりますね。また、脂身や皮があるかないかで、カロリーに違いがあることもわかります。その差はどこからくるかというと、「アブラ」つまり脂質です。カロリーの低いささみに含まれる脂質の量が0.8gであるのに対して、カロリーの高いバラ肉に含まれる脂質の量は35.4g(いずれも100gあたり)。ささみの約44倍もあるんです!脂質の少ない肉は、太りにくいだけでなく、たんぱく質がより豊富でもありますので、成長期のお子さんにもとてもオススメです。

なお、「太りにくい」は、食事でカロリーを抑えることだけでなく、体をしっかりと動かすことでも実現できます。小・中学生のお子さんの場合は成長のためにたくさんのエネルギーを必要としていますので、カロリーを抑えすぎないようにもしたいところです。
お子さんが大好きなメニューには、揚げ物やハンバーグなど脂質が多くカロリーが高いものもありますが、食事を楽しむことも大切なこと。色々なメニューをローテーションさせて、豊かな食生活を送れたら素敵ですね。実りの秋、お子さんの笑顔も実る食卓になりますように。

食育授業report

江戸川区立鹿本小学校

江戸川区立鹿本小学校

平成28年1月22日、江戸川区立鹿本小学校で、保護者や教職員の皆さんに生活リズムの大切さなどについてお話ししてきました。翌日が学校公開日というスケジュールにも関わらずたくさんの方にお越しいただき、皆さんの健康への関心の高さを強く感じました。後日送っていただいたお便りには、講座の内容が丁寧にまとめてあり、感激しました。家族で、学校で、地域で・・・健康づくりの輪がどんどん広がっていくと良いですね!

食育授業report

江戸川区立瑞江小学校

江戸川区立瑞江小学校

平成28年1月23日に、江戸川区立瑞江小学校の1~6年生の皆さんに早ね・早起き・朝ごはんの大切さについてお話ししてきました。こちらの小学校では3年前にも5年生に食育講座を行っており、今回は2度目の訪問!とても嬉しかったです!早ね・早起き・朝ごはんのクイズもとても盛り上がり、冬の体育館に熱気がみなぎっていました!!今は中学生になった3年前の5年生も、早ね・早起き・朝ごはんで元気な毎日を過ごしているかな?

子どもも大人も、みんなが元気で楽しい毎?を過ごせるように、「食」の面からお手伝いができたら嬉しいです^^

伊藤 真理子(いとう まりこ)
1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。
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