小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
夏休みの子どもの昼食を、朝に作っています。痛みにくくするにはどうすればいいですか?
A子さん
暑いこの時期、お弁当や作り置きのおかずは、食中毒が気になりますよね。食品用の傷み防止シートなども市販されていますが、作る時にも「傷みにくいポイント」をしっかりとおさえておきたいものです。
対策の3本柱となるのが、「菌をつけない」「菌を増やさない」「菌をやっつける」です。
キャラ弁やキャラ飯などは、見た目がかわいくお子さんも喜ぶと思いますが、手で食品に触れることが多く、また、食品を常温におく時間が長くなりがちなので、この時期は要注意です!
また、いくら衛生に気をつけて作っても、汚い手で食べてしまっては元も子もありません。
「食べる前には、きれいに手を洗う」をお子さんとの約束事にしておきましょう!
※ここでの「菌」は、食中毒の原因となる菌を指しています。
体のどこに時計があるのですか?
Bくん
「ごはんだもん!げんきだもん!」の「生体リズムって何?」で、「私たちは、生まれつき、体の中に時計『体内時計』を持っている」と説明しています。
でも、この時計は、私たちがふだん使っている時計のような、時間を知るためのものではありません。
私たちは1日(24時間)の中で、「朝⇒ 起きる」「昼⇒ 活動する」「夜⇒ 眠る」ということをくりかえしています。このような規則的なリズムを作ってくれるのが、『体内時計』です。
『体内時計』は1つではなく、体の色々なところにたくさんあり、「親時計」と「子時計」の2つにわけられます。
①「親時計」といわれる時計→ 頭の中にある。
[脳(のう)の視交叉上核(しこうさじょうかく)]
②「子時計」といわれる時計→ 体の色々なところにある。
[胃(い)や腸(ちょう)、ひふ、血管(けっかん)など]
「子時計」=それぞれの楽器(がっき)演奏(えんそう)者
演奏(えんそう)を合わせるには、それぞれのスピードがバラバラでは上手な演奏になりません。
「親時計」=指揮者(しきしゃ)
指揮にあわせれば、それぞれの演奏がぴったり合ってきれいなハーモニーになります♪
私たちの体の中では、「親時計」=指揮者、「子時計」=それぞれの楽器演奏者と同じです。
「子時計」それぞれがバラバラに動けば、リズムが合わずに体の調子も悪くなってしまいます。
「親時計」は、指揮者のようにそれぞれの「子時計」を合わせて、リズムを保っているのです。
平成27年1月22日に、相模原市立藤野南小学校の学校保健委員会でお話しさせていただきました。1部では4~6年生の皆さんに「早寝・早起き・朝ごはん」の大切さについて、2部では保護者と教職員の皆さんに、朝食の実践についてお話ししました。後日送っていただいた「学校保健委員会だより」には、「これからは早寝・早起きを心がけたい」「朝食をきちんと食べるようにしたい」など嬉しい感想がたくさん寄せられていました!
平成27年1月23日に、ふじみ野市立福岡小学校の学校公開日に行われた講演会で、保護者の皆様に「早寝・早起き・朝ごはん」をテーマにお話しをさせていただきました。寒い中、たくさんの方がお見えになり、真剣な表情で聞いてくださっていたのが、とても印象的でした。「早寝・早起き・朝ごはん」は子どもも大人も元気にする合言葉です。ぜひご家族みんなで取り組んでいただけるといいな、と思いました。