まりこ先生の食育出前授業 Q&A

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。

そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

シリアル編 小学生のA子さん(船橋市)

電子レンジ調理は栄養素を壊さないのですか?

A子さん

電子レンジは、マイクロ波という電波によって、食品そのものに含まれる水分(水の分子)を激しく振動させ、その摩擦によって加熱する仕組みです。そんなことをしたら、栄養素が壊れてしまいそうな気がしますよね。でも、実は電子レンジでの加熱は、栄養面では逆に効率の良い方法とも言えるかもしれません。

え、意外です!

栄養素の中には、熱に弱いものがあります。代表的なのが、ビタミンCです。「熱に弱い」ということは、電子レンジで加熱しても、ガスコンロやIHヒーターを使って加熱しても、加熱による栄養素の損失は避けられないということになります。では、壊れる量を少しでも減らすためには、どうすれば良いと思いますか?

加熱時間を短くすること、かしら?

そうなんです!電子レンジは、コンロなどを使うよりも早く食品を温められますよね。その分、熱に弱い栄養素の損失も抑えられるということです。 また、カリウムというミネラルや、水溶性ビタミンと言われるビタミンB郡、ビタミンCなどは、水に溶けやすい性質を持っています。そのため、これらの栄養素はゆで汁の中に溶けだしてしまいます。野菜をラップでくるんで電子レンジで加熱する方法なら、水に溶けやすい栄養素の損失も抑えることができます。

便利な電子レンジに関する長年の疑問が解消できて
嬉しいです!今後はもっと出番が増えそうです。

ただ、電子レンジには「加熱ムラが起こりやすい」というデメリットも。加熱する食品の大きさがバラバラだったり、食品が重なっていたりすると、加熱ムラが起こりやすくなります。食品を置く位置も、加熱ムラを起こす原因となります。庫内でターンテーブルが回るタイプの電子レンジでは、図のように、中心を避けて少し外側に食品を置く方が加熱効率の良いものが多いようですが、機種によっては、中央に食品を置く方が加熱効率の良いものもあるので、取扱説明書で確認してみてくださいね!

体温編 小学生のBくん(船橋市)

感染症にかかりにくくするためには腸内環境を整えるといいと聞いたのですが。。。

B子さん

3月とはいえ、まだまだ寒暖の差が激しく、油断をして風邪などひかないようにしたいものですね。近年、腸内環境を整えることが体のバリア機能(免疫機能)を高め、風邪などの感染症の予防にもつながることがわかってきました。 腸の中には、100兆個もの細菌がいると言われています。種類も様々で、体に良い働きをする菌もいれば、悪い働きをする菌もいます。
「腸内環境を整える」とは、良い菌が多くなるようにしたり、菌の悪い働きを抑えて腸内細菌のバランスを整えるということです。

乳酸菌飲料を毎日1本飲むようにはしているのですが。。。

腸内環境を整える食べ方のポイントは2つあります。1つは、B子さんが毎日飲んでいる乳酸菌飲料のように「乳酸菌など、菌そのものをとること」です。他の食品では、ヨーグルトや納豆、ぬか漬けやキムチなどの発酵食品から、乳酸菌などをとることができます。 もう1つは、「腸内で良い菌のエサとなるものをとること」です。具体的には、糖の仲間である「オリゴ糖」や、一部の食物繊維が挙げられ、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品、野菜やくだものなどにも含まれています。オリゴ糖を使った甘味料なども市販されていますね。

食育授業report

江戸川区立本一色小学校

戸田市立新曽北小学校

平成26年9月27日に、江戸川区立本一色小学校で、4年生と保護者のみなさんに「早寝・早起き・朝ごはん」についてお話ししてきました。「よく聞くフレーズだけど、なぜ『早寝・早起き・朝ごはん』なのか?」―それを理解することが、みなさんの生活習慣改善のきっかけになったら嬉しいです。

子どもも大人も、みんなが元気で楽しい毎?を過ごせるように、「食」の面からお手伝いができたら嬉しいです^^

伊藤 真理子(いとう まりこ)
1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

食育講座の様子はコチラから

ページトップへ