まりこ先生の食育出前授業 Q&A

小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。

そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。

食べ合わせ編

効果的に栄養をとれる食べ合わせが知りたいです!

江戸川区の小学生のお母さん

含まれる栄養成分をより効果的に取り入れられる、身近な食品の「食べ合わせ」をいくつかご紹介します。

① ご飯と納豆(穀類と大豆)

ご飯に主に含まれる栄養成分は、体を動かすエネルギーになる「炭水化物」です。納豆は、体をつくるもとになる「たんぱく質」を多く含むので、ご飯とあわせると栄養バランスが良くなる・・・というのも納豆ごはんが良い理由の1つですが、今回納豆ごはんをご紹介した理由は、ご飯の「たんぱく質」にあるんです。

たんぱく質は「アミノ酸」という成分がたくさんつながってできています。アミノ酸にもたくさんの種類がありますが、人間の体のたんぱく質になるのは20種類のアミノ酸だけです。その中でも9種類は人間の体内で作ることができないので、食べ物からとらないといけません。この9種類のアミノ酸を「必須アミノ酸」と言います。よく「良質のたんぱく質」と言いますが、これは必須アミノ酸をバランスよく含んでいるという意味なのです。

ご飯などの穀類に含まれるたんぱく質には、リジンという必須アミノ酸が少ないのですが、納豆の原料である大豆には、そのリジンがたくさん含まれています。つまり、ご飯と納豆を一緒に食べることで、リジンの不足を補うことができ、たんぱく質の質がよくなり、体の中でたんぱく質がより有効に活用されるのです。

② 緑黄色野菜と油

ニンジン、カボチャ、ホウレンソウなどの「緑黄色野菜」には「βカロテン」という栄養素が多く含まれています。βカロテンには、体の中をサビつきから守ってくれるなどの働きがあります。

βカロテンは、油と一緒にとると体への吸収がよくなります。炒めもののように油を使って調理したり、オイル入りのドレッシングやマヨネーズを使ったりすると、βカロテンを効率よくとることができるのでおすすめです。

③ ヨーグルト(乳製品)とフルーツ

たんぱく質やカルシウムなど牛乳の持つ豊かな栄養成分はそのままに、発酵によって消化もよく、腸内環境を整える効果も期待できるヨーグルト。しかし、乳製品には、血管や皮膚を強くするなどの働きのある「ビタミンC」があまり含まれていません。そこで、強い味方となるのが、ビタミンCをたっぷり含んだフレッシュなフルーツです!

程よい酸味のあるヨーグルトは、フルーツとの相性もバツグン! ヨーグルトの白にフルーツの色が映えて、見た目にも食欲をそそりますね。朝食に、おやつに、取り入れてみてはいかがでしょうか。

なお、ビタミンCは、加熱などによって壊れやすい栄養素です。缶詰では、生に比べてビタミンCが大幅に減ってしまいます。缶詰は手軽で保存もしやすく便利ですが、ビタミンCをしっかりとるなら「生」がオススメ。時間のない朝に取り入れるなら、キウイフルーツはいかがでしょうか。キウイフルーツはビタミンCも豊富ですし、半分に切ってスプーンでくり抜けば簡単に使うことができますよ。

ビタミンC含有量(100g当たり)
缶詰
みかん 32mg 15mg
パイナップル 27mg 7mg
キウイフルーツ 69mg -
日本食品標準成分表2010より
食育授業report

埼玉県所沢市立安松小学校

埼玉県所沢市立安松小学校

平成26年7月10日、埼玉県所沢市立安松小学校で、2年生と保護者のみなさんに、生活リズムの大切さや、食べ物をムダにしないことなどについて、お話ししてきました。たくさんのことをお話ししましたが、みんなとても集中して聞いてくれて、内容もしっかり理解していて、すごいなと思いました。
おうちのごはんや学校の給食、残さず食べて元気に過ごしてくださいね!

子どもも大人も、みんなが元気で楽しい毎?を過ごせるように、「食」の面からお手伝いができたら嬉しいです^^

伊藤 真理子(いとう まりこ)
1999年、東京農業大学農学部栄養学科管理栄養士専攻卒業。フリーの管理栄養士として、セミナーの企画・運営、執筆、特定保健指導など幅広く活動中。

食育講座の様子はコチラから

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