小中学校で「早寝・早起き・朝ごはん」の生活リズムの大切さについてお話しする食育講座を行う際に、皆さんから食事について様々なご質問、ご相談をたくさんいただいています。
そこで、皆さんも同じ疑問やお悩みをもたれているかもしれませんので、よくある質問をご紹介し、お答えしたいと思います。
食べる量が増えなくて困っています。
H子さん
栄養の偏りが心配ですよね。でも、だからと言って無理に食べさせようとして、お子さんにとって食事が苦痛になってしまっては本末転倒ですよね。
まずは、お子さんが食べきれる量を盛り付けてみてはいかがでしょう?「全部食べられた!」という達成感や、「すごい! 食べられたね!」と褒められた事はお子さんにとって自信となり、そこから少しずつ増やしていく事ができるかもしれません。
また、料理を一緒に作るなど、お子さんに調理を経験してもらうのも良いですね。私も幼い頃よく食事作りを手伝いましたが、自分が作った料理(実際はほとんど母が作ったものですが・・・)は、いつもよりおいしく感じられた記憶があります。家族が喜んでくれるのも嬉しく、「食」への興味につながりました。
ただし!
「おやつやジュースをとりすぎている」「体をあまり動かしていない」などの場合には、おなかがすいていないために食事を少ししか食べられない事も考えられます。「空腹」は、食欲をアップさせてくれる素晴らしいスパイスです。おやつやジュースの量を見直したり、外で元気に遊んだりして、お腹ぺこぺこの状態で食卓につけば、少食の改善にもつながるかもしれません。
でも、食べる量は人によって違うので、お子さんが元気で少しずつでも大きくなっているなら、どうかあまり焦らないで下さいね♪
はい、ゆっくり見守りたいと思います。
毎日同じようなメニューで栄養不足にならないか心配です。
I子さん
一口に「同じようなメニュー」と言っても、その中身は色々です。もし「料理のレパートリーには自信がないけど、主食・主菜・副菜を揃えるようにしている」という場合は、そんなに心配しなくても大丈夫だと思います!
暑い日はついついそうめんばかり作ってしまうんです・・・
つるっと食べやすいそうめんですが、薬味をそえる程度では、体を作るたんぱく質や、体をスムーズに機能させるビタミンやミネラルが不足しがちです。ツナやトマト、ゆで卵などトッピングを工夫して補いたいところです。
また、主食・主菜・副菜を揃えていても、「子供が好きだから揚げ物をよく作る」「おかずはお肉がほとんどで魚はあまり食べない」などの場合にはちょっと注意が必要かもしれません。揚げ物が続くと油を必要以上にとりすぎる可能性がありますし、魚や大豆などに含まれる体にとって大切な成分もちゃんととって欲しいからです。
平成26年6月27日、埼玉県日高市立武蔵台小学校の学校保健委員会で、保護者のみなさんに「早寝、早起き、朝ごはん」についてお話してきました。
質疑応答では「毎日の食事に雑穀米を取り入れている」など、みなさんが工夫されていることも教えていただき、とても楽しく活発な会になりました!
栄養バランスをより一層良くして、健康な体を保っていくためには、主食・主菜・副菜を揃える事に加えて、色々な調理法(ゆでる、炒める、揚げる、煮るなど)や色々な食材を取り入れる事も大切なポイントです。
食事は毎日の事なので、毎日違うメニューを考えるのは大変です。「今日は鶏肉のから揚げにしたから、明日は焼き魚にしようかな」というように、ご自身のレパートリーの中でうまくローテーションさせてみてはいかがでしょうか。