「食べ物パワーを味方につけろ!」

Vol.15 7年後の夢は…?

“食事”が基本です!

“食事”が基本です!

元陸上選手のベンジョンソンさんは、ソウル五輪(1988)の100m走で金メダルだったものの、その後ドーピング違反でメダルをはく奪されたのですが、最近そのベン・ジョンソンさんが『反ドーピング活動』世界ツァーをしているとのこと。自分の失敗を若い人に繰り返して欲しくないという思いから『ドーピングに頼らなくても、栄養の知識を深めることでドーピングの目的はほとんど達成できる!』と訴えています。その記事を読んで、私は大感動しました。
アスリートにとって大事な食習慣は、ジュニア期に身に付けることが一番です。一度身に着いた食習慣を変えることはとても難しいので、最初にきちんとした食習慣を身に付けておくことが大事です。記事を読んでいて、改めて『正しい食習慣は一生の宝物』を実感しました。

『正しい食習慣』とは?

今までにお伝えしていることと重なってしまいますが、正しい食習慣は決して特別のものではありません。そして、それはアスリートとしての特別なものではなく、健康に過ごすための食習慣となんら変わらないものです。だからこそ、『正しい食習慣は一生の宝物』と言えるのですが・・・
では、具体的にはどんなものでしょうか?
① 一日3食、しっかり食べること ⇒特に『朝食欠食はしない』という生活習慣につながることですが、実はアスリートにとっては『疲労回復』にも関係します。朝食をしっかり食べないと、一日に必要とされるエネルギーがしっかり摂れないので、“疲れが抜けない”状態になってしまうのです。
② 栄養バランスを調える ⇒《食事バランスガイド》をイメージした食事が出来れば、好き嫌いの対応も目的に応じた食事の摂り方も可能です。『ご飯は残しても、おかずは食べなさい!』のセリフは間違っていること(=《主食》の大切さ)、おかずだけ食べても主食をしっかり食べなければカラダは大きくならないこと、果物は野菜の代わりにはならないこと…なども“あのコマ”で確認できますよ!
この二つの例を見るだけでも、アスリートがドーピングに陥りやすい『疲労回復』と『パワーアップ』は、食事に気を配ることで克服できるのが分かります。

さて、暑かった夏がウソのように、確実に秋が訪れています。澄んだ青空は気持ちが良いですし、“食欲の秋”にふさわしい美味しいものもいっぱいあります。とはいえ、お天気も変わりやすいのが秋!どうぞお体にお気をつけて、“スポーツの秋”をお楽しみください!

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 体を作るために良い朝食や、特に野菜を使ったレシピなどが知りたいです。
A1 朝食のためのレシピというのは特にありませんが、朝食は毎日必ず食べることが大前提です。極端に言えばバランスが取れた数パターンの繰り返しでも良いくらいです。出来れば“ごはん食”が良いと思いますが、副菜(野菜料理)は生と加熱の2種類用意できれば理想です。野菜の加熱料理は、“具だくさんのみそ汁”でももちろんOKです。みそ汁は、色の濃い野菜や根菜などいろいろな種類の野菜が、思った以上に摂れる優れものです!
Q1 スタミナが切れやすいので、持続できる食べ物を知りたいです。
A1 スタミナというと“肉”などのイメージになりますが、バテずに動ける力をしっかり摂っておくことが“スタミナ”ですので、それは《主食》になります。

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