「食べ物パワーを味方につけろ!」

Vol.14 食欲の秋ですが…

“食欲”って何?

“食欲”って何?

○○に入ることばは、それぞれですが、秋は収穫のシーズンですし、冬に向かって体が栄養を蓄えるという自然の成り行きからも、“食べるもの”とリンクしそうです。
また、生理学的に考えても、秋は“食欲”がわくようです。(夏は、暑くて食欲もなかったのがウソのように、秋は何を食べても美味しい!という経験もありますよね?!)
“食欲”とは本来血糖値が下がるなどして、『身体にとって栄養が不足している状態だから、食事をしなさい』という脳の指令です。 ただ、おなかが空いたからと、手あたり次第あるものを食べる!という食欲はあまり好ましくありません。そこはもう少し考えて、食べるものを目的に合わせて選んだ『一日4~5回食』を目指しましょう。

“食が細い”のが 心配・・・

食欲のお話とはまったく反対のことですが、実は“食が細い”、“たくさん食べられない”ことが悩みの種のジュニア選手もいるのです。小学生でももちろん成長の個人差があるので、その心配を持っている保護者の方にお会いすることもありますが、特に“成長期”と言われる中高生年代で“食が細い”ことが大きな悩みの種になっているのを見かけると、どうしたらよいのか?私も本気で悩んでしまいます。
基本的なことですが、『食べたものでカラダは作られる!』訳ですから、食べる量が少なければ“成長”の効果はなかなか期待できないのも事実です。
そこでですが・・・
近々の対策としては、一度にたくさん食べられないことをカバーするために、“少しずつ、回数多く”を実践することです。普通は『一日3食』ですが、一度にたくさん食べられない場合や、たくさんの栄養量を必要とする場合は『一日4~5回食』にしますよね?!
離乳食後期から幼児食の頃もそうでしたし、実はプロの選手も練習や試合を意識したときには、一日4~5回食を実践しています。
とはいえ、『食べることもトレーニング』です。チームメイトと一緒に、同じような量を同じような時間に食べ終わることも、だんだん必要になってくるのも事実です。そのことを意識しながら、一度に食べられる量を増やすことや食べる速度を速くすることも練習していきましょう。
(嫌いなものだとどうしても食べるスピードがゆっくりになります。そんな視点からも“好き嫌い”を少なくすることも大事なトレーニングです)

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 試合の合間にスポーツゼリー(栄養補助食品)をとったりしています。毎回食べるのはどうかなと思いますが、どの程度なら良いのでしょうか?
A1 ゼリーもいろいろな種類のものがありますが、ゼリーの原点ともいえるものは“エネルギー補給用”のものです。試合でエネルギー切れにならないように、合間に手軽に摂れるというのがコンセプトなので、おにぎりなどでのエネルギー補給が時間などの関係で難しい場合は、使って大丈夫だと思います。ただ、あくまでも『食事が摂りにくい場合』の非常利用ということにすれば、“試合時=非常時”と考えれば良いかと思います。ただ、様々な事情を考え“試合”にランクを付けて、『この試合の時は…』というのでも構いませんが、その場合は、おにぎりでもバナナでも、カステラでも、とにかくエネルギー補給用の代替品を準備するようにして下さい。
Q1 少量でも栄養が摂れる食料を知りたいです。
A1 う~ん!少量でも栄養が摂れるというのは・・・難しいですね。。。目的によっても摂りたい栄養素は違ってきます。例えば、もう少し年齢は上になってからですが、“筋トレ後”でしたら“プロテイン”も良いでしょうし、小中学生が“練習後”でしたら、エネルギーゼリーのようなものでも、バナナでも良いかもしれません。

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