命に関わる水分補給!「食べ物パワーを味方につけろ!」

Vol.12 命に関わる水分補給!

水分補給が必要なわけ

嬉しいことに、“熱中症予防”といえば「のどが渇く前のこまめな水分補給」が今では常識になっています。
なぜ、熱中症予防には“水分補給”が 欠かせないのでしょうか?
それは、次の図式を見れば、すぐに想像のつくところです。
『運動(サッカー)をする⇒体温が上昇する⇒体温の上昇を防ぐために汗をかく⇒汗の素になるよう水分を摂る』これが、熱中症予防の大まかな流れです。
体温が上がり過ぎるのを防ぐために、私たちの体では発汗が起こるのですが、汗になる水分は“血液”から調達します。そうすると、血液は水分が少なくなるのでドロドロ状態!つまり、栄養素や酸素がうまく回らなくなってしまいます。そして、次は尿の水分も不足状態になります。ということは、体外に排泄されるべきものが排泄出来ず、体内に留まっていることになります。つまり、汗となった血液と尿の水分を戻すためにも水分補給は欠かせないということになります。

なぜ『のどが渇く前』に『こまめに』なのか?

水分が必要なことは、理解して頂けたかと思いますが、なぜ“のどが渇く前”なのかの説明をしましょう。
“のどが渇いた”というのは、“脳”が感じるのですが、その時はすでに体は“脱水状態”になっていると言われています。つまり、のどが渇いて水を飲むというのでは、飲んだ水分が胃を通過して吸収されるまでのタイムロスがあるということです。
ですので、運動中は15~20分おきを目安に水分を摂るようにすることです。
また、その時の水温は出来れば、“冷たい(5~15℃)”ことも大事です。冷たい方が、吸収も早く、何より美味しいのが良いですね!

『水分補給』は、食事からも!?

イラスト・くだもの野菜

水分補給と言えば“スポーツドリンク”と思いがちですが、実は食事も大事な“水分補給”に繋がります。食事は“固体のもの”でも、実は水分が60%くらいはありますし、スープやみそ汁と言った汁物は言うまでもなく、野菜や果物の水分含有量は90%前後です。 つまり、食事をしっかり食べるということは、エネルギー補給だけでなく、ビタミン、ミネラルも含むまさに“食べるスポーツドリンク”として水分補給にもなるのです。

夏休みを元気に楽しく過ごすポイントは、『知って防げる熱中症』を実践することです。
思い出いっぱいの夏休みを迎えられますように・・・。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 睡眠や食事をとってから夜寝るまでの時間がどうしても短くなってしまうので、夜遅くまで起きていた方がよいのでしょうか。
A1 夕食を摂ってから就寝までの時間が短くなってしまうことには、いろいろな問題があります。例えば、胃に食事が残っている状態で寝てしまったとします。すると、寝ているのですが、実際には内臓は消化の真っ最中で熟睡はできていません。熟睡していないと“成長ホルモン”の分泌にも影響があります。そこで、対策の一つは、夕食を練習前後で分けて食べるようにすることです。そうすることで、練習時にもエネルギー不足になることはありませんし、練習後の食事でも食べる量や内容を調節することがし易くなります。食べることも大事、でも睡眠時間も確保したい、翌朝には影響を残したくない・・・そんなすべての折衷案として“分食”を試してみて下さい。

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