ジュニアサッカー選手に限らずですが、誰にとっても“疲労回復”は大きなテーマです。
また、疲労回復を考える前に、なぜ、疲労するのか?疲労って、みんな同じなのか?を考えてみることにしましょう。
まず、疲労の種類ですが、肉体的疲労、精神的疲労、内臓疲労などいろいろありますが、運動との関係から、まず“肉体的疲労”について考えてみましょう。
肉体的疲労は、運動をする時点でエネルギーが不足している、または使ったエネルギーの補給がうまくいかないために起こります。
ということは、対策は簡単ですね!『サッカーをする前にエネルギーをしっかり溜めこんでおく』、または『使ったエネルギーは、効率的にいち早く補給する』を心掛けることです。
ここでのポイントは2つです。一つ目が“いち早く”補給が必要で、出来れば運動終了後20分から30分を目指すことです。二つ目は、実はサッカーを含め運動は、筋肉にも負担がかかっていますので、良質なたんぱく質源になるものも一緒に摂ることがおススメです。ただ、どちらもその後の食事に影響する程多くならないようにしましょう。(※良質なたんぱく質源とは、脂質が控え目で、たんぱく質が豊富という意味ですので、練習後の軽食でしたらヨーグルトや牛乳などがおススメです)
“精神的疲労”についても少しだけ触れておきましょう。
子どもでも大人でも、現代に生活する人は誰でも、多かれ少なかれストレスのある生活をしていると言われています。
そのストレスが“精神的疲労”につながるとしたら、精神的疲労への対応も必要になってきます。
まず、ストレスに対応するのは、ビタミンCです。ビタミンCはかんきつ類やキウイフルーツなどの果物はもちろん、緑黄色野菜や芋類にも豊富に含まれています。
また、精神的な疲れは、脳の疲れにもなるので、脳の唯一のエネルギー源であるブドウ糖がここでは有効です。ただ、ブドウ糖というと甘いもののイメージがありますが、口当たりが良く、即効性があるブドウ糖だけではなく、主食や芋類などに含まれるでんぷん類も消化されればブドウ糖ですので、ビタミンB群と一緒に摂ることも含めて考えましょう。
疲労と食事の関係を考えてみると、改めて《食事バランスガイド》のイメージが浮かんできます。
つまり、疲労を残さないようにするのも、運動後のクールダウンや食事を含めたセルフケアになります。
大人になった時に“真の自立”ができるように、小さい時からバランスのとれた食事が自然と身についているようにしたいものですね。
久保田尚子先生 プロフィール
順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴> | <主な雑誌連載> |
女子ソフトボール日本代表 | 月刊誌『サッカークリニック』 |
(2004年アテネオリンピック支援帯同) | 《勝つための栄養セミナー》等多数 |
JリーグFC東京(トップから育成年代) |
少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。
背が高くなるレシピが知りたいです | |
残念ながらこれを食べれば背が高くなるというメニューはありません。 カルシウムやたんぱく質が不足の無いようにするのはもちろんですが、バランスの調った食事をいつも心掛けることが大事です。 |
朝ご飯がマンネリ化してしまう | |
朝食は、まずしっかり食べる!ということが大事です。いくつかのパターンかあって、その繰り返しでも良いかと思います。 ただ、どんな場合も《主食+主菜+副菜》は必須で、それに時間の関係で可能なら、ヨーグルトなどの乳製品や果物も食べられると良いでしょう。また、《主菜》も朝は卵と大豆製品と決めても良いかと思います。作り手、食べ手の余裕が出てきたら、種類が多くなってももちろん良いですが・・・ |