風邪予防も食事から!「食べ物パワーを味方につけろ!」

Vol.6 風邪予防も食事から

“風邪予防”と食事の関係

風邪とは病名ではなく、ウイルスによって起こる疾患の総称だとよく言われます。つまり、ウイルスが体内に入らないようにする、あるいは体内に入ったとしてもウイルスに負けないような抵抗力をつけることが“風邪予防”としては有効と言えます。
そこで、まず大事なことはウイルスが侵入しないように外気と体内との境目になる“粘膜”を強化することと、“免疫力・抵抗力”をつけることです。
実は、その粘膜強化も免疫力・抵抗力強化も食事の摂り方が大きく関わっているのです。粘膜強化に関わる栄養素は“ビタミンA(β-カロテン)”や“ビタミンC”、免疫力や抵抗力強化には“ビタミンC”や“たんぱく質”、そして“乳酸菌”や“規則正しい食生活”です。
具体的には、(1)朝食も含め3食しっかり食べる、(2)β-カロテンやビタミンCの供給源になる“野菜”もしっかり食べる、(3)脂質に偏らない良質のたんぱく質も摂るなどが大事です。また、昨シーズンブームになったヨーグルトですが、腸内環境を整えるという意味で毎日食べることはとても意味があります。つまり、《食事バランスガイド》に則った食事は、風邪予防でも有効ということが分かりますね。

“水分補給”は風邪予防も有効です!

食事のイラスト

暑い時期の“熱中症予防”には“水分補給”が欠かせないということは、今や常識です。しかし、実は冬場の風邪予防にも“水分補給”は欠かせないのです。
理由は、ウイルスが寒さと乾燥を好むこと、またのどや鼻の粘膜でウイルスが体内に侵入するのを防いでいる“線毛”が、乾燥しているとうまく機能しないなどが主な理由です。
また、万が一風邪をひいてしまった場合にも水分補給は大事です。特にノロウイルス始めおなかにくる風邪の場合は、水分補給が命にもかかわることがあるので注意しましょう。
とはいえ、寒い季節では意識しないと水分補給は、どうしても少なくなります。食事中の汁物も含め、『風邪予防にも水分補給』と日頃から位置付けてください。

風邪やインフルエンザの流行は年明けのこれからが本番とか・・・
マスク+手洗いうがい+バランスのとれた食事+水分補給・・・と万全の対策で、乗りきってくださいね。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 小学生のサプリメント使用について
A1 サプリメントに関しての考え方は『必要な栄養素は食事から』というのが大原則です。食習慣が形成される小学生の時期では特に、サプリメントに頼り過ぎることがないようにしたいものです。
ただし、成人の場合は『信者にもならず、毛嫌いもせず』と少し柔軟に考えることも場合(海外遠征中や減量中など)によっては必要になってきます。(ただし、そのような場合も“JADAマーク”の確認などが不可欠ですが)
いずれにしても、小学生の場合は周りの大人が食事の大事さを認識して接することが大事です。

Q2 夕食で『ごはん3杯』を目指しているが…
A2 試合前にエネルギー源になる《主食》をしっかり摂ることは大事なことですが、いつも夕食にご飯3杯が必要かというと?の部分もあります。練習の疲れで、何とか夕食を食べたとしてもその後すぐ寝てしまうようなら、『夕食での3杯のごはん』を練習前と練習後に分けて食べる“分食”を取り入れることも一法です(夕食を食べてすぐ寝てしまうことの問題点としては、『消化しきれないうちに寝てしまうので、熟睡できない』、『翌朝起床時に空腹感がない』などが挙げられます)。
また、夕食だけを中心に考えるのではなく、一日の生活をアクティブにするために朝食でしっかり食べるようにすることも大事です。

Q3 夕食が摂れない時には、野菜と果物で作る手作りジュースを飲ませているが…
A3 手作りの野菜果物ジュースは、家族の愛情もたくさん入っているうえ、不足がちの野菜も摂れますし、さらにとても美味しいものです。
ただ、果物も入っている(=“果糖”も豊富)ので、夜寝る前というタイミングでは向かない面もあります(※果糖は使われないと体脂肪になりやすい性質があります)。
具体的には、朝食時や練習に行く前にはエネルギー源になる手作りジュース、夜寝る前には寝ている間に分泌される成長ホルモンのことを考えて、身体づくりに使われる低脂肪牛乳かヨーグルトなどが良いでしょう。ただし、夕食が乳製品だけではというのではやはり量的にも質的にも不足ですから、そんな場合にも前述の“分食”を取り入れてください。

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