秋の旬を食べよう!「食べ物パワーを味方につけろ!」

Vol.4 秋の味覚とサッカー選手

秋の味覚は何といっても“新米”です!

今では8月くらいから“新米”が並んでいますが、“新米”の美味しさは格別です。
お米離れが言われていますが、サッカー選手にとってお米の力はすごいものです。前回でもご紹介しましたが、IOCでも『運動時間の長い競技では、糖質を食べることでパフォーマンスに違いが出る』という声明を10年近く前に出したりしています。
新米の時期に、改めて子どもたちにお米の美味しさとパワーを伝えられたら…と思います。

さんまもサバも“秋”が旬です!

ゴハンと魚を食べているイラスト

秋の代名詞のようなさんまですが、実はサバや“戻り鰹”も秋に美味しい魚の仲間です。魚が美味しいというのは“脂がのっている”という部分につながることも多いのですが、魚、特にこれらの“青魚”の脂にはDHAやEPAが含まれています。
DHAは、脳や神経組織の発育を促進したり、情報伝達をよくする働きがあるといわれていますが、そのことはサッカー選手に限らず成長期の子どもたち(もちろん大人にもですが)にはとても魅力あることです。EPAも血液をサラサラにするなどの健康効果も言われていますが、こんな魅力いっぱいの脂肪酸の大事な供給源が魚なんです。
最近は魚離れから、DHAやEPAが不足している人も多くなってきているようですので、ぜひ旬の季節に美味しさを再確認しましょう。
『魚が体に良いのは分かっているけど、骨があるから危ないし、子どもも食べてくれない。。。』そんなお悩みを耳にすることもありますが、ぜひ『魚には骨があって当たり前、骨のある魚をじょうずに食べるのもトレーニング』と伝えながら、まずは骨の少ない魚や、食べられるような小骨だけにした魚から挑戦してみましょう!

おススメサバ料理 ~サバの竜田揚げ~

1.三枚におろしたサバを好みの大きさに切る。(スーパーなどでは、三枚におろしたものが売っていたり、魚屋さんでもたのめばやってくれます)

2.しょうゆ、酒、みりん、おろしショウガ、(好みでおろしにんにく)を混ぜたなかに1のサバをつけておく。(しょうゆ:酒:みりん=4:4:1、おろしショウガは好みで適量)

3.汁をよく切り、片栗粉をつけて170度くらいの油で揚げる。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 牛乳・乳製品について 1日1L牛乳を飲んでも大丈夫でしょうか?
A1 牛乳は良質たんぱく質+吸収の良いカルシウム源として、成長期の子どもたちには大事な食品の一つです。ただ、“水代わり”に摂ることには多少問題もあります。
それは、牛乳に含まれている脂質です。普通牛乳の場合で、100g中3.8gの脂質が含まれています。つまり、一日に1Lの牛乳を飲むということは、約40gのバターを同時に摂っていることになるわけです。ジュニアサッカー選手と言っても年齢の開きはありますが、一般的には400~500ml位に抑えましょう。
また、脂質が気になる方は『低脂肪乳』を利用することも一つの方法です。

Q2 試合前日のご飯について どのくらいの量でどんな物が良いですか?
A2 量に関しては、やはり年齢やふだんの食事量にもよります。例えば、ふだんの量が少ないのに、明日の試合では頑張るから…と突然たくさん食べても、腹痛の原因にもなりかねませんので、その辺は注意が必要です。
基本的な考え方として、いつもより『ご飯が多め、おかずは控え目』です。そして、おかずもなるべく脂っこいものにならないことです。具体的には、ごはんはいつも通りで汁物にお餅やうどんを入れるとか、パンが主食の場合は、汁物はスープスパゲティにするとか・・・から始めてはいかがですか?
また、おかずもジュニアですから極端な制限は必要ないと思いますが、せめて揚げ物は控える、脂身の多い部位は避けるなどは心掛けましょう。

Q3 コーンフレーク・シリアルについて 朝食にコーンフレークを食べさせても良いですか?
A3 コーンフレークはビタミンやミネラルも含まれているので、朝は食欲がなくてもコーンフレークなら食べられるという場合には、使って下さい。
コーンフレークは、牛乳やヨーグルト、あるいはフルーツなども自然に一緒に食べられるのも優れたものですが、ふつう主食がコーンフレークスだけだと量的にはたくさん食べられないことが多いので、少し気を遣いましょう。パンも一緒に食べるとか、パスタ類もおかずに添えるとか、主食をしっかり食べられるように工夫していくとさらに良いですね。
(ただ、もちろん“バランス”が大事ですから、《主食》だけでなく《主菜(肉や魚、卵のおかずも)》や《副菜(野菜のおかず)》も忘れないでくださいね!)

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