ロンドン五輪日本代表サッカーでゴールキーパーをつとめたFC東京所属の権田修一選手と話をする機会がありました。(インタビューの様子はこちら!)
権田選手は『朝ごはんを食べるためには、早起きしなくてはならない、そのためには早く寝なくてはならない!』という意味のことを話していました。
つまり、『早寝・早起き・朝ごはん』は生活のリズムの基本だということです。
朝ごはんを食べないで(あるいは、食べ方が少なくて)練習に行っても、100%の力で練習することは難しいです。
『大好きなサッカーをケガなく、元気にやり続ける』ための“(カラダと脳の)エネルギーのもと”は体の中に、ためておくことがなかなかできません。つまり、一日3度の食事をしっかり食べていないと、“エネルギーのもと”のストックがない状態でサッカーの練習をすることになるのです。
“エネルギー切れ”では、ケガをしないでサッカーが出来る保しょうはありません。“エネルギー切れ”では、“勝ち”につながるようなサッカーは出来ません。
夏休みの期間に、もし少しでもリズムがずれてしまっていたら、生活の基本ともいえる“生活のリズム”をいち早く戻すことが大事です。
もうすぐやってくる“スポーツの秋”“食欲の秋”までに、『生活のリズム』を改めてととのえておきましょうね!
久保田尚子先生 プロフィール
順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。
<主な栄養サポート歴> | <主な雑誌連載> |
女子ソフトボール日本代表 | 月刊誌『サッカークリニック』 |
(2004年アテネオリンピック支援帯同) | 《勝つための栄養セミナー》等多数 |
JリーグFC東京(トップから育成年代) |
少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。
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試合のときは何時間前に食事をするのが理想ですか? |
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プロの選手は、だいたい3~4時間前に食事をするようにしています。 ただ、それが小学生にそのまま通用するかというと、それは難しい部分もあります。大事なことは、試合時のエネルギーの素になる《主食》をしっかり摂ること、サッカーを始めるまでに消化し終わっているような時間に食事をすることなどが基本になります。胃の中に食べたものが残っている状況でサッカーを始めると、『食べてすぐに運動して横っ腹がいたくなった』のと同じようなことが起こりかねません。 そのための留意点は、エネルギーの素になる《主食》をしっかり摂る、食事時間も余裕をもってなるべく早めに摂るようにしたり、消化に時間のかからない(油ものや食物繊維の多いものは試合前は避けるのが原則になります)ものを摂るなどに気をつけるようにしましょう。 |
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試合前にはおにぎりが良いとのことだったが、手軽にとれるゼリー飲料はどうですか? |
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基本的には問題ありません。もともとエネルギーゼリーは、試合前のおにぎりに替わるものとして開発されたもので、エネルギーを作り出すのに必要なビタミンB1も含まれているので便利です。 ただ、ゼリーも目的に合わせていろいろ種類があるので、試合前は必ず『エネルギー供給系』のものを確認して摂るようにしましょう。 |
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ゼリーは凍らせたら栄養素はどうなるの? |
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夏場は特に、冷たいものは、飲みやすいし、胃の通過も速いなどのメリットがあります。また、凍らせたゼリーは“目的外使用”ではありますが、お弁当の“保冷剤”として使用する方もいらっしゃる位で便利ではあります。さらに、凍らせることによって栄養が損なわれることも一般的にはありません。 ただ、メーカー回答では凍らせることで「離水」がおこるし、味も劣るのでおススメはしていないようです。 |
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プロテインの利用について(高校生の兄弟の場合) |
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プロテインに限らず、サプリメントは“何かの事情で食事では必要な栄養素が賄いきれない時に使用するもの”と心得ていただくことが大事です。安易にサプリメントを利用することで、『これを摂っているから、栄養的には大丈夫!』となってしまっては本末転倒です。『必要な栄養素は食事から!』を大原則に考えることもアスリートとして大事なことです。 ただし、今後状況によっては(海外遠征や減量など)サプリメントを利用した方が便利な場合も出てくるかもしれないので、その時にも正しい判断が出来ることが大事です。 |