食事で夏バテを防ぐ!「食べ物パワーを味方につけろ!」

Vol.1 夏休みと食事

夏休みだからこそ・・・

夏休み中は、暑い⇒学校が休みだから夜ふかししがち⇒朝寝坊⇒朝食欠食⇒食欲がない⇒バランスの悪い食事⇒夏バテ・・・という負のスパイラルにおちいりがちです。
『早寝⇒早起き⇒朝ごはん』というように、生活のリズムと食事のリズムはみっ接に関係しています。学校がお休みになる夏休みこそ、生活のリズムをしっかり保つことが大事なんだ!ということを改めて、ご家族で確認していただけたらと思います。

夏バテをしないためにも・・・

まず、夏バテってなんでしょう。
ひとことでいうと、『暑さからくる体調不良全ぱん』のことです。つまり、『暑くて、冷たいものばかり飲んでしまった。。。』とか『暑くて、何だかやる気が起こらない。。。』なども立派な夏バテです。だとすると、これは決して大人の話ではなく子どもたちにも 十分起こる可能性はあるわけです。
では、どのようにすれば、夏バテはしないですむのでしょうか?

バランスのとれた食事をしよう

学校があるときは、昼食には給食があります。でも、夏休みは、昼食も家庭で・・・が原則になってきます。その昼食が案外問題なんです。先日、ある中学生と話していた時に、『きょうのお昼ごはん何食べた?』と聞くと、『そうめん! さっぱりしているし・・・』との答えでした。確かに冷たいそうめんはのどごしがよく、食欲が落ちている時でもこれなら食べられるかもしれません。もちろん、何も食べないよりはそうめんだけでも食べたほうがよいのですが、そうめんだけではどうしても、問題があります。給食を“食事モデル”と考えて、それに近づくようにして欲しいと思います。具体的には、そうめんに“おかず”と“野菜のおかず”をプラスしましょう。“意識する”ことが大事なので、手の込んだおかずでなくても、たまには缶詰利用でも問題ありません。

水分のとり方にも注意しよう

熱中症予防には水分ほ給は欠かせません。でも、水分のとりかたにも、実は注意が必要なんです。
動いている時間や質を考えずに、スポーツドリンクばかりとると、とう質のとり過ぎで、満腹感が出て食事が入りません。また。水ばかり飲むと胃液がうすまって、消化に問題も出てしまいます。
水分ほ給の大原則(※)を頭に入れておくことは、熱中症から自分自身を守るだけでなく、食欲ふしん、ひいては夏バテも防ぐことにもつながります。


※水分ほ給の大原則;運動時間が1時間以内なら水でOK。1時間以上の場合は、水とスポーツドリンクとじょうずに使い分けましょう。

今年も“節電”が叫ばれる夏休みです。夏バテしないで、サッカーが上達できるように、そして楽しい思い出がたくさん作れるように、いつもの夏より“夏休みと食事”を少しだけ意識してみて下さい。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 疲れて子どもの食欲がない時にはどうしたらよいですか?
 
A1 まずどうして食欲が落ちたのかを考えてみることです。例えば、水分補給は“命に関わる”非常に 大事なことですが、甘みのある水分を摂り過ぎていないかのチェックも大事なことです。
砂糖などを摂り過ぎると“血糖値”が急に上昇すると満腹中枢が働き、きちんとした食事が摂れていなくても『おなかがいっぱい』になってしまいます。そうなると、適度な疲労と共に食欲がなくなってしまうので、水分の摂り方にも気をつけるようにしましょう。
また、そんな時にも 『これさえあれば、ご飯が食べられる!』という“ご飯の友”のようなものをふだんから お子さんと一緒に考えておくことも 食欲が落ちたときには役に立つかもしれません。主食がしっかり食べられることは、“夏バテ予防”にも力を発揮します。

Q2 おすすめのおやつは何ですか?
またおにぎりの具でおすすめがあれば教えてください
 
A2 成長期の子どもたちにとって“おやつ”も大事な食事 です。ふだんの食事で不足がちのものや 使ったエネルギーが即補充できるものが理想です。
具体的には、おにぎりとかサンドイッチ、牛乳やヨーグルト、果物といったものがおススメです。おにぎりの具に関しても、出来ればマヨネーズで和えたり、揚げたものではなく、鮭、焼きたらこ、梅干し、塩昆布などが良いですね。

Q3 子どもが辛いものが好きで塩分の取りすぎが心配です
 
A3 塩辛いものはご飯がすすむものです。とはいえ、子どもの頃の食習慣は、非常に大事なので、味付け(塩分濃度)もメリハリをつけて考えてみましょう。
今回の例に出されたキムチは、漬け物の中では比較的塩分濃度は少ない方です。とはいえ、もちろん漬け物ですので、濃い味に慣れ過ぎないようにすることも大事です。具体的にはご飯のススムおかず、汁物、ふつうのおかずなどそれぞれの特徴を考えて、味に “差”をつけるのも良いと思います。

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