ひさこ先生が教える スポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座

11月号 「ファストフードとの付き合い方」

先日、スポーツ系の学生同士の会話で『ファストフード店に入る時、何となくちょっと後ろめたいな?と思ってしまう』という言葉が耳に入りました。ファストフード店は学生がおなかがすいた時に気軽に入る機会が多いと思っていたので、ちょっと驚き思わず振り返ってしまいました。

また、違う機会で練習後にフライドポテトを食べに行く中学生に相談されたことがありました。中学生によると、練習後はおなかがすいている⇒何か食べたい⇒でも、しっかり食べると夕食に影響するからポテト位がちょうどよい…ということでした。以前、部活帰りの女子高校生も同じようなことを話しているのを聞いたことがあります。中高生も中高生なりに考えて選んだのが、フライドポテトなのかもしれません。

中高生が正しい栄養の知識を持つことは、スポーツ選手としてはもちろん誰にでも健康な生活を送るために大事なことです。例えば、フライドポテトについても年齢相応に正しい情報を知っておくことは大事です。
”フライドポテト”の長所と短所、どんなことが考えられますか?
問題点①・・・『脂質』が多い!お店によって異なりますが、10~20%が脂質です。小さいサイズでも15g位(ポーションバター約2個分)も脂質を含んでいるものもあります。
問題点②・・・『トランス脂肪酸』を多く含んでいる!トランス脂肪酸の摂取量が多い欧米では、表示義務があったり、3年以内には全廃の方向と言われています。一方、日本では摂取量が少ないということで、まだ本格的な規制にはなっていませんが、食の欧米化や子どもたちが自由にファストフードやコンビニで間食を摂っている状況には注意が必要ではないでしょうか?

結論

”生のじゃが芋”には炭水化物はもちろん、カリウムやビタミンCも多く含まれています。
フライドポテトになると ⇒ (揚げているので、当たり前ですが)脂質が多く、ビタミンCは少なくなってしまう様々な情報が公開されているので、それらの情報を積極的に確認する習慣を持つようにしましょう。

食肉加工品

試合時のお弁当は、『おにぎりのみ!』はだいぶ浸透してきました。
しかし、試合日以外ではおかずも楽しみなお弁当です。
『行楽弁当の定番おかず』では、手軽なこともあり”ウインナソーセージ”が好きなおかずのベスト3に入るとか。

朝食のおかずを含め”ウインナソーセージ”の出番は多いようですが、実はアスリートにとっては含まれる脂質の量が気になる部分でした。(食品成分表では約30%弱が脂質)
最近になってWHO(世界保健機構)から毎日50gの食肉加工品を継続して食べているとがん発症リスクが高まるという発表がありました。
だからと言って、そのことを鵜呑みにして『もうウインナは買わない!』と早計な行動をする必要はないと思うのですが、大事なことはここでも“バランス”です。調理も手軽なことからつい便利に使いがちの食肉加工品ですが、そればかりに偏ることなく、たんぱく質源としては様々な種類の食肉や肉に比べ人気が落ちる魚介類や大豆製品も摂るように心がけたいですね!

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 「牛乳は乳がんのリスクを上げるので女性はあまり飲まない方が良い」と聞きましたが、本当でしょうか?
A1 がんについては、原因が一つということは無いのではと思います。
専門ではないのであくまでも一般論ですが、牛乳や乳製品は吸収の良い”カルシウム”が多く含まれていますので、女性に起こりやすい“骨粗しょう症”の予防には役に立ちます。つまり、摂り過ぎることなく適量を摂っていれば、問題ないように思います。
もし気になる場合は、お医者様にご相談されると良いと思います。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  
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