ひさこ先生が教える スポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座

9月号 「秋バテ」って?

熱中症による救急搬送者が5万人を超えたというほど本当に暑かった今年の夏でしたが、最近は蝉の声が虫の音に代わってきたように、秋の気配を感じられるようになってきました。しかし最近は“秋バテ”という言葉も耳にすることがあります。

『スポーツの秋!』『食欲の秋!』というように気持ちの良い季節の代表であるかのような“秋”ですが、最近耳にする“秋バテ”とはいったい何なのでしょうか?
詳しい説明はドクターの領域なので割愛しますが、簡単には、夏の疲れが抜けきれないまま秋になって起きる体の不調のことのようです。
昔から、夏休みが終わり2学期が始まったとたんに体調を崩してしまったということを耳にすると、夏休み中に不摂生な生活をしていたわけではないのに…と疑問が出ることもありました。
夏休み中に部活やクラブチームで頑張っていた人にこそ起こるそんな症状、大会など目白押しの“スポーツの秋”を満喫する前に何とかしたいですね。

暑い時期には熱中症予防のために水分をしっかり摂ることがとても大事なことでした。
水分を摂る際、吸収の速さを考えて少し冷たいものだったり、運動強度や時間を考えてスポーツドリンクを飲んだりと“熱中症予防・対策”を注意深くされた方も多いのではないでしょうか?
しかし、秋になってもその習慣が抜けないと・・・口当たりの良いものへ走りがちで、バランスのとれた食事をしっかりとることがおろそかになっていることが“秋バテ”の原因とも考えれらます。
秋は、お米をはじめ様々なものがおいしい季節です!
改めて《食事バランスガイド》をイメージしながら、『一日3食』の食習慣を再確認しましょう。

結論

競技のパフォーマンスアップを図るため、健康に生活するため
『共通の三要素』・・・『運動(練習)・栄養(食事)・休養(睡眠)』

『スポーツの秋』を満喫するためにも、『食欲の秋』をじょうずに利用していきましょう。

好き嫌い

秋は“みのりの秋”でもあります。そして、旬のものを食べることで、素材の持っている“美味しさ”を知ることも出来ます。『実りの秋』に『食欲の秋』を重ねることで、好き嫌い対策も出来るかもしれませんね。

信号待ちをしていた時に、信号脇にあるおうちの軒先の家庭菜園にピーマンが鈴なりになっていました。同じく信号待ちをしていた5歳くらいの男の子を連れたお母さんが『〇〇ちゃん、これピーマンよ! あなたがあまり好きじゃないピーマンだけど、スーパーで売っているのよりちょっと小さくて、かわいいね~ 来年はうちのベランダでもピーマン作ろうか? おうちで作ったら、美味しいかもしれないね~』と話しかけ、男の子は『えっ? これもピーマン?』と答えていました。
たまたま目についたピーマンだったと思うのですが、息子の好き嫌いがいつも頭にあるんだなぁ…とお母さんの愛を感じました。そして、来年の夏にはピーマン嫌いを克服している男の子がいるかもしれない!と思わず嬉しくなりました。

ひさこ先生のワンポイントアドバイス

少年サッカーチームを対象に行われる、ひさこ先生の食育講座。
毎回、サッカー少年のお子様を持つお母さま方から、たくさんの質問が飛び交います。
その中から、いくつか抜粋してご紹介します。

Q1 夜食は良くないと言われますが、どうして良くないのですか?
A1 夜食と言っても、何を食べるか? 何時くらいに摂るのか? 食べた後どの位起きているのか? など条件を考えないと一概には言えません。
ただ、ボリュームのあるものを夜食として摂ると、消化しきれないうちに寝てしまうことになります。消化しきれないうちに寝てしまうと、①熟睡できない⇒“成長ホルモン”の分泌に影響する ②摂取したエネルギーを使い切れない⇒体脂肪として蓄積する可能性がある・・・などの弊害が考えられます。
それにしても、夜にお腹がすいてしまうこともあるので、成長ホルモンの利用に役立つもの、その際は脂質が少ないもの、エネルギーの多くないものを選べると良いですね。例えば、牛乳やヨーグルトなど乳製品もおススメです。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  
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