ひさこ先生が教える スポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座

7月号 夏休み中の昼食

そろそろ梅雨明けが待ち遠しい季節になってきました。梅雨明けと前後して本格的な夏、そして”楽しみな夏休み”の到来ですね。ただ、夏休みに入ると朝寝坊に夜更かし…と生活が乱れがちになる心配もあります。特に気をつけたいのが、“昼食”です。『夏休みは“食の自立”が出来る良いチャンス!』と親子で前向きに捉えていきましょう!

少し前のある調査で『給食のある日とない日のエネルギーや栄養素の摂取状態』を調べたところ、(残念ですが)想像通り、給食の「ない日」は「ある日」に比べてエネルギー量や多くの栄養素で摂取不足が見られました。(下記グラフ参照)

夏休みだとつい口当たりの良いものに走りがちだったり、すぐ食べられるようなインスタントや冷凍食品に頼ってしまったり、いわゆる“中食”(※)というようなお弁当などを買ってきて済ますということも考えられます。 ※家庭外で調理された食品を購入して持ち帰ったり届けてもらうなどし、家庭内で食べる食事

カルシウムやビタミン類が特に大きく不足している点もとても気になります。もちろんふだんから家庭でも牛乳や、ヨーグルト等の乳製品をしっかり摂られてはいると思うのですが、大事なことは給食で摂っていた分を夏休み中にふだんの量にプラスしているかどうかということです。牛乳を水代わりにすることにはもちろん問題がありますが、成長期の場合、長期にわたる夏休みには、給食に頼っていた分を補いましょう。また、夏休みを良いチャンスとして『自分で作れる簡単なメニュー』を見つけてみましょう。そして、それだけでは足りない分を牛乳やヨーグルト、チーズなどで補ってみる、のどが渇いた時に何を飲むかも家族で話し合うことも大事です。

給食がない場合の栄養摂取状況(小学生)

給食のない場合の栄養摂取状況(小学生)

結論

  • 食べたものが身体の材料
  • 練習の総仕上げは食事

サッカー選手にとって食事は大事です。有効な成長期は短い! 大人になり理解できたから食事を変えようと思っても、習慣を変えるのは難しい! いつ代表に呼ばれても大丈夫なように、良い食習慣を身に付けておきましょう。『良い食習慣は一生の宝物』と信じて、皆さんの食事もチェックしてみましょう。


改めて水分補給

今年は梅雨入り直後から“熱中症による搬送者数”が昨年に比べて非常に多くなっています。熱中症に対する警告は年々増えてきて、ニュースや天気予報でも必ず『こまめな水分補給を!』と声掛けしています。さて、どのように実行しましょうか?

今では『こまめな水分補給』が熱中症予防に効果があるのは常識になっています。
先日ある中学生サッカーチームを訪れた際、みんな大きな保冷水筒を持っていました。中には一人で2本持っている選手もいました。熱中症予防への取り組みが功をなすように、改めて実行のポイントをまとめました。

  1. 水分補給用の水筒

    出来れば2本(麦茶または水と、スポーツドリンク)用意する。エネルギー源も汗で失われるミネラルもしっかり食事を摂って体内にストックすれば、運動1時間までは麦茶か水で大丈夫です。
    運動1時間を経過する頃から、体内のストックを補う必要があるのでスポーツドリンクで対応。(スポーツドリンクの甘みはエネルギー源はもちろんのこと、水分の吸収を速める役割もあります)

  2. “冷たい”ことも大事な条件

    冷たい方が水分の吸収が速く、暑くて汗をかいた時には冷たい方が美味しく感じられます!
    Point
    “こまめな水分補給”をするためには、美味しく感じることも大事!

  3. 水分補給は食品からも出来る!

    食事を摂ることで水分補給を! 補食に冷たく冷やした果物やゼリーはおすすめ。

ちょっとした注意を怠らないで、熱中症にならない楽しい夏休みを過ごしましょう。

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  
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