ひさこ先生が教える スポーツ少年ママのためのスポーツ栄養講座

6月号 育成年代だからできること

ワールドカップブラジル大会ついに開幕しましたね!毎日W杯の話題がメディアで取り上げられ、世界中がサッカーで盛り上がっている感じがしますね。

さて、先日W杯への壮行試合となったキプロス戦を観戦したある育成年代の関係者から、海外の選手の体がしっかりしていた事が印象的だったという感想を聞きました。(個人的には日本代表選手たちいずれもそん色ないように思うのですが)そして、育成年代から食事の大事さを理解させる指導が重要だとも言われ、おっしゃる通りだと思いました。

身長を伸ばす、大きな影響力は遺伝的要素だと言われています。つまり、どんなに努力しても叶わないところはあるのですが、たとえ身長が希望通りでなくても、ケガをしない(しにくい)丈夫な体にするとかは、努力が及ぶところです。
例えば、

  • レギュラーになりたい!
  • 速く走れるようになりたい!

など、具体的な夢が見えてきたらチャンスです。なぜって?『食べたもので身体は作られるし、食べたものがエネルギーの素だから』です。サッカー熱が上がっている今がチャンスです。

『ご飯をお代わりする』、『嫌いな野菜も少しなら食るようにする』、『のどが渇いても、甘い飲み物ばかりに手が伸びないようにする』など小さな目標を作って、食習慣を見直してみましょう。日本代表の中では、食事に人一倍気を配っている選手もいます。

平均身長の国際比較

男性(単位cm) 女性(単位cm)
イタリア 175.6 163.9
インド 164.4 151.9
インドネシア 161.8 150.7
イギリス 176.6 163.1
オーストラリア 178.1 164.1
オーストリア 178.8 166.3
オランダ 181.7 166.8
カナダ 177.7 163.9
韓国 171.2 158.0
ギリシャ 177.2 164.6
スイス 177.4 165.3
スペイン 173.9 162.8
中国 166.5 155.4
ドイツ 179.6 166.9
日本 171.6 158.5
ニュージーランド 176.9 163.8
フィリピン 163.1 151.4
フランス 176.3 164.1
アメリカ 175.7 162.2
ポルトガル 170.7 160.8

資料OECD , Society at a Glance 2009 , Society at a Glance: Asia/Pacific 2011より一部抜粋

結論

  • 食べたものが身体の材料
  • 練習の総仕上げは食事
  • いつ代表に呼ばれても大丈夫なように、良い食習慣を身に付けておきましょう

梅雨といえば梅干?

今年は例年になく早い梅雨入りをした地域もあり、各地で記録的な大雨になるなど雨量の多い梅雨になりました。うっとうしい梅雨を健康で過ごすためには・・・

『梅雨』は一説によると『梅の実が熟す頃の雨』に由来しているそうです。そこで、サッカー選手と『梅干』の関係についてです。梅干の酸っぱい素は『クエン酸』です。そのクエン酸は身体の中でどんな働きをしているのでしょうか?

サッカー選手にとってもクエン酸には様々な効果が期待できます。主な効果は

  1. 疲労回復につながりやすい
  2. 細菌の増殖をおさえる働き
    ※但し、おにぎりの梅干しは全体にほぐして入れたり予め梅干を入れてごはんを炊く方が良い。
  3. 酸味による食欲増進効果

想像しただけでも口の中にだ液が溜まるように、食欲増進、ならびに消化促進の働きもあるようです。やっぱり、この季節のおにぎりの具は「梅干」がおススメです!

久保田尚子先生  プロフィール

順天堂大学等の非常勤講師などを歴任しつつ、スポーツ栄養を中心とした栄養関連業務に従事。

<主な栄養サポート歴> <主な雑誌連載>
女子ソフトボール日本代表 月刊誌『サッカークリニック』
(2004年アテネオリンピック支援帯同) 《勝つための栄養セミナー》等多数
JリーグFC東京(トップから育成年代)  
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