スポーツ食育インタビュー

Vol.23 アイスホッケーチーム 王子イーグルス 久慈 修平選手

今回ご登場いただくのは、アイスホッケーチーム「王子イーグルス」でフォワードとして活やく中の久慈修平(くじしゅうへい)選手。「氷上の格闘技(ひょうじょうのかくとうぎ)」と言われるほどはげしいスポーツの選手は、どのような“ごはん”を食べているのでしょうか?

4歳ではじめたアイスホッケー。やめたいと思ったことは一度もない。
インタビューを受ける久慈 修平選手

編集部:「アイスホッケーを始めたのは、いつごろですか?」

久慈選手:「幼稚園にアイスホッケーチームがあって、4つ上の姉が入っていた影響で3歳の時に入ったんですけど、すみっこでスティックで雪を集めて雪だるまを作るだけで(笑)。そのときは結局スケートをやり、4歳からアイスホッケーを始めました。」

編集部:「幼稚園にアイスホッケークラブがあるってすごいですね! スケートは簡単にすべれるものですか?」

久慈選手:北海道は、当時はアイスホッケー環境がすごく整っていましたね。スケートも、幼稚園の時から教室があったし、小学校でも体育の授業でスケートがあるので、多分ほとんどの苫小牧(とまこまい)の人はスケートが出来ます。」

編集部:「そのときは、1日どのくらい練習していましたか?」

久慈選手:「スケート教室という形では、週3~4回。アイスホッケーのチームに入ったら、ほぼ毎日やっていました。小学校1年から6年までは、野球とアイスホッケーを両立してやっていました。」

編集部:「野球とアイスホッケー、どっちが好きだったのですか?」

久慈選手:「父親が野球をずっとやっていたので、父親的には野球をさせたいって思いがあり、僕も野球も大好きでずっとやっていました。でも中学校に上がる時にどっちか選択(せんたく)しなきゃいけなくて。多分父は野球を望んでいたと思うんですが、僕の中ではアイスホッケーの方が上回ってる部分があったので、アイスホッケーの道を選びました。」

編集部:「全然ちがうジャンルを両方されていたとは、スポーツ万能だったのですね。」

久慈選手:「スポーツは基本何でも好きで、何でもやりたい思いが強かった。体育の授業も好きでした。どっちが“得意”ではなく、どっちが“好き”かの判断で、アイスホッケーに決めました。」

インタビューを受ける久慈 修平選手

ひさこ先生:「苫小牧は地域的に、野球も強いですよね。」

久慈選手:久慈選手:そうですね。僕は駒澤大学附属苫小牧高校(こまざわだいがくふぞくとまこまいこうこう)の出身で、マー君(田中将大投手:現ニューヨーク・ヤンキース所属)の1年先輩なんです。甲子園にも応えんに行きました。甲子園に行った年から、野球をやりたがる子どもたちがすごく増えて、アイスホッケーをやりたがる子どもが少なくなったのは、本当に残念な事だと思います。」

編集部:「勉強との両立は大変でしたか?」

久慈選手:「大変でしたね。やはりつかれている中、勉強しなきゃいけないので。両親からは両方出来ないとダメだと常々言われ、塾にも通わせてもらっていたので、夜は勉強をやっていた方かなと思います。」

編集部:「やめたい、と思った事はありませんか?」

久慈選手:「アイスホッケーを、ですか?! やめたいと思ったことは、本当に一度もないです! この先も、多分ないと思います。」

バランスの良い食事を作ってくれた母に感謝しています。
ひさこ先生と久慈 修平選手

編集部:「子どもの時は、どのような朝ごはんを食べていましたか? また、好ききらいはありましたか?」

久慈選手:「朝は目玉焼きと、野菜と、パン……洋食派で。あとはヨーグルトとコーヒー牛乳。きらいなものは、レバーですね。これは今でも変わらず苦手です。ちょっと生臭い感じとか、口の中に感しょくというかにおいが残るので。野菜は、セロリがちょっと苦手ですが、あとはきらいなものはないですね。刺身(さしみ)も昔はあまり好きじゃなかったんですけど、今はほとんど食べられるようになりました。」

編集部:「ご家庭の食事で、何かおぼえていることはありますか?」

久慈選手:「僕の母親は栄養士の免許を持っていましたが、小さいころはそれがどういう意味なのか分かっていなくて、ただ出されたものを食べていました。今考えると、すごくバランスの良い食事だったと思いますし、今でも母親には本当に感謝しています。母親から栄養に関して厳しく言われることはなかったのですが、小さい時はやはり量を食べていたから、おかずもたくさん出してくれていました。」

編集部:「中学校は給食で、高校はお弁当との事ですが、お弁当で印象に残っていることはありますか?」

久慈選手:「2段のお弁当箱で、下はごはん一杯で、上におかず。卵焼きは毎日入れてほしくてそれだけはお願いして、あとは色んなおかずが常に4~5品入っていました。僕らの高校は昼から専門体育の授業でアイスホッケーをするので、消化の事を考えると1時間目の授業後にお弁当を食べないと、消化できないような状態でした。」

ひさこ先生:「お昼休みはお弁当を食べないのですか?」

練習風景

久慈選手:「食べられないんです。そのままもう練習に行ってしまうので、お昼休みがない感覚ですね。練習を考えると、やっぱり4~5時間前には食べておかないといけないので、その時にお腹いっぱい食べていました。」

ひさこ先生:「そのような食べ方は、クラブの先生からの指導ですか?」

久慈選手:「いえ、自主的に。どうしても動く前ギリギリに食べてしまうと、練習がきついと、気持ち悪くなりもどしてしまうんです。他の部活の人達もやってました。」

編集部:「そういう食事のとり方でも良いのですよね?」

ひさこ先生:「もちろんです。競技によって多少はちがいますが、大体競技開始の3~4時間前に食事をとるのが一番良いと言われています。食べて消化しきれないうちに運動を始めると、横腹が痛くなって支障(ししょう)をきたすことも。さらに食べたものがエネルギーにならないうちに運動を始めても意味がないので、トップアスリートはそういうリズムにする選手が多くみられますが、高校生でそこまで考えていたなんて、本当に素晴らしいと思います。」

編集部:「午後の授業後は、何か食べるのですか?」

久慈選手:「おにぎりですね。練習が終わった時におにぎりを2個、3個食べて、帰宅して夜ごはんを食べる。」

試合風景

ひさこ先生:「今もトレーニングや練習を始める時間と食事の時間の関係は守っていますか?」

久慈選手:「はい。今はチームで管理されていて、食事の時間も何時間前っていうので決められています。自分で考える時もありますし、チームが全部用意してくれる時もあるので、それにまかせてはいます。今チームでは4時間前に食事しています。」

編集部:「久慈選手はお母様が栄養士で恵まれていらっしゃいますが、学生時代に一番好きな食べ物は何でしたか?」

久慈選手:「母親の作るからあげは、大好きでした。あとメインのおかずよりも、副菜(ふくさい)っていうんですか、色々な種類を多く出してくれて。野菜の煮込みとか、マヨネーズで和えたものとか、酢で漬けたものとか、色々出てきました。小さいころからそうだったんで、どこの家庭でもふつうなのかなと思っていたんですけど、高校、大学で友人らに、そんなのゼイタクすぎるだろってよく言われました。」

つづき
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