スポーツ食育インタビュー

Vol.21 府中アスレティックフットボールクラブ 宮田義人選手

東京都府中市を本拠地とするフットサルチーム・府中アスレティックFCで活躍中の宮田義人(みやたよしひと)選手に、子どものときから現在までの食事のお話や、子どもたちへのアドバイスをおうかがいしました!

子どものころは、野菜がキライでした。
インタビューを受ける宮田義人選手

編集部:「子どものときは、主にどんな朝ごはんでしたか?」

宮田選手:「朝はパンもご飯もまんべんなく食べていました。どちらかというと軽めで、パンだとサンドイッチとヨーグルトや牛乳とか。」

編集部:「好ききらいはありましたか?」

宮田選手:「小さいときは、野菜が全く食べられませんでした。特にキャベツの千切りのパサパサする感じが苦手で… …。そこから野菜が全部ダメになっちゃいました。幼稚園の給食で野菜を食べるのに苦労していたのをおぼえています。でも、小学校の給食は食べていましたね、豚汁の野菜とか。ちくぜん煮はきらいだったけど、頑張って食べていましたよ。生野菜も好きなドレッシングをみつけて、サラダも食べられるようになり、野菜に対する苦手意識がなくなったみたいです。
今はもう、好ききらいはほとんどありません! 」

編集部:「お母様のお弁当で印象に残っているものはありますか?」

宮田選手:「やはりおにぎりです。おかずはたまご焼き、からあげやウィンナーがよく入っていたのを覚えています。お肉は好きでした。」

小1でサッカーを始め、大学卒業後に恩師のすすめでフットサルへ。
ひさこ先生と安英学選手

編集部:「サッカーとの出会いを教えてください」

宮田選手:「おさないときからボール遊びが好きで、家族にだれもサッカー経験者はいませんでしたが、小学校に入って自分からサッカーをやりたいと言い、地元の調布イーグルスというチームに1年生から入りました。サッカーが楽しくて、足も一番早かったし、チームではエースでした(笑)。
イーグルスは土日しか練習がなかったため、平日もサッカーがやりたくて、ヴェルディの下部組織のスクールに通おうとしたら、スクールと別に選抜(せんばつ)チームがあって。セレクションを受けたら合格したので小学校3年生から選抜チームに入りました。」

編集部:「では、フットサルとの出会いは?」

宮田選手:「本郷高校サッカー部、国士舘大学サッカー部とサッカーを続けましたが、Jリーグには行けないし続けるのはもう無理かなと思い、大学卒業後は普通に就職(しゅうしょく)しました。
社会人になって、地元の仲間と趣味でフットサルを始めたころ、中学時代の恩師から『競技系フットサルのトップチームでセレクションがあるから、受けてみたら?』とすすめられたんです。
その時はFリーグがまだなくて、関東のアマチュアリーグで選手登録しました。大学卒業3年後に、Fリーグに入りました。うちのチームでは、ほとんどの選手が他の仕事もしながら練習をしています。僕は練習後、小学生から大人の方にフットサルを教えています。」

ひさこ先生に質問! 太りやすい体質は、どうして出来るのでしょうか?
練習を行う安英学選手

編集部:「子どものころは体格がよかったのですか?」

宮田選手:「幼稚園のころは大きかったのですが、小学校に入ってからどんどんぬかれて、中学の時は体が小さい方でした。
今思えば幼児期や小学生時代に食事をもっとしっかり食べていたら身長がもっとのびたかなって思います。高校で成長期がきて、身長が最も伸びました。ただ甘いものが好きなせいか太りやすい体質で、ぽっちゃりしていましたね。」

編集部:「太りやすい体質というのがあるのでしょうか?」

ひさこ先生:「たしかに遺伝的に太りやすい体質というのもあると思いますが、体質というより“食習慣(しゅうかん)”の方が影響するのではないかと言われています。たとえば、家族は食べるものや食べ方が似ている、つまり太りやすい食べ物が好きだったり、太りやすい食べ方をしていることが影響するのではないかということです。」

宮田選手:「3歳くらいまでに食べているもので、太りやすい体質が決まるとか言いますが、本当ですか?」

ひさこ先生:「人間の脂肪細胞(しぼうさいぼう)の数は一生変わらないらしく、その数が出来るのが、3歳くらいまでと言われています。つまりぽっちゃりしていた人がスマートになるのは、脂肪細胞の数が減るのではなく脂肪細胞の1個1個が小さくなってスマートになることで、その人の脂肪細胞の数は変わらないから、何かのキッカケで細胞が大きくなれば、またいつでも太る要素がある、という事です。」

牛乳をたくさん飲み、緑黄色野菜をしっかり食べるようになりました!
練習を行う安英学選手

編集部:「選手になってから、食事を意識するようになりましたか?」

宮田選手:「おはずかしい話、意識するようになったのはここ3年くらいですね。チームで栄養サポートをしてくれている栄養士の影響(えいきょう)で、食事の改善をしました。その効果は出ていて、つかれにくくなって、体力もついてきました。」

ひさこ先生:「具体的に、どのような食事に変えたんですか?」

練習を行う安英学選手

宮田選手:「たんぱく質とカルシウムがとれるので、牛乳を毎食飲んでいます。多いときで、1日1リットルくらい飲みます。」

編集部:「アスリートの方は、牛乳をどのくらい飲むものなのでしょうか?」

ひさこ先生:「ジュニアアスリートも含めて、アスリートは牛乳をしっかり飲む方が多いです。私も 600mlは飲みましょう! と話します。ただ、牛乳には、意外と脂肪(しぼう)が多くふくまれているんです。コップ1杯(約200ml)の普通牛乳で、バター約8g(大きめのキャラメル1個くらい)に相当する量の脂肪がふくまれています。つまり1日1リットル飲むと約40gの脂肪をとる事になるので、多く飲むのであれば、低脂肪(ていしぼう)牛乳や無脂肪牛乳にした方が良い、と私は言っています。」

練習を行う安英学選手

宮田選手:「低脂肪牛乳でも、栄養価は問題ありませんか?」

ひさこ先生:「脂質の量が減るので、エネルギー量は減ります。もちろんエネルギー量や脂質も大事ですが、選手にとって大切なのはバランスを考えた“質”です。低脂肪牛乳は、実はカルシウムの量が多く、そういう意味ではアスリート向けです。脂質がおさえてある分サラッとしたのどごしなので、コクが足りないとおっしゃる方もいらっしゃいます。ただ、その分トレーニング後でも飲みやすいことから、アスリートの中には慣れてくると好きになる方も多いようです。」

宮田選手:「あとは緑黄色野菜も足りなかったようで、積極的にとるようにしています。」

ひさこ先生:「野菜ぎらいだったのに、すごい努力をされていますね!」

宮田選手:「もう大丈夫です! 好ききらいもほとんどなくなりました。今はブロッコリーやカボチャが好きです。バランスという意味では、一品ものではなく定食を食べるようにしています。野菜が付かないメニューの場合はサラダを追加したり。野菜から食べるのが良いとか、食べる順番も影響しますよね?」

ひさこ先生:「野菜から食べると血糖値(けっとうち)がゆっくりなので、ダイエットなどには特にオススメの食べ方だと言われています。」

つづき
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